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最終更新日:2017.07.23 公開日:2017.07.23

【東京キャンピングカーショー2017】バンコンが超充実! 後編

7月1日・2日の土日にわたって、東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2017」。軽自動車ベースの「軽キャンパー」に次いで日本での人気が高い、ミニバン・ワンボックスベースの「バンコンバージョン(バンコン)」の前編をお届けだ。後編ではあまりベース車として選ばれることのないクルマを使ったバンコン、そして海外からの輸入物のバンコンを紹介する。

日産ピーズフィールドクラフトの日産「セレナ」ベースのバンコン「セレナP-SV」。乗車定員8人、就寝定員4人、車両価格は305万5000円(税別)から。セレナもまずベース車としてチョイスされない車種である。

トヨタのミニバンベースのバンコン

 トヨタ車は、ワンボックスの「ハイエース」がバンコンのベース車として圧倒的なシェアを誇り、今後増えそうなのが「ライトエース バン/タウンエース バン」をベース車としたバンコンであることは前編で伝えたとおり。それ以外にもトヨタ車をベースにしたキャンピングカーがいくつか展示されており、「ヴェルファイア」や「エスクァイア」などがあった。

ValuTheo(バルテオ)2017年モデル/M・Y・S ミスティック

 M・Y・S ミスティックが展示していたのが、トヨタ「ヴェルファイア」ベースの「ValuTheo(バルテオ)」の2017年モデルだ。

 ヴェルファイアは、トヨタのミニバンの中で兄弟車の「アルファード」と共に最高車格の1台。サイズは、最大で全長4935×全幅1850×全高1895mmとなる。車両価格は319万7782円(税込)から。

 同じバンコンでも、ミニバンをベース車とするとどうしても室内空間に関してワンボックスベースより劣ってしまうが、その分取り回しがいいので、普段の街乗りを重視するのなら、こうしたミニバンをベース車として選択するのはありだろう。

M・Y・S ミスティック「BaluTheo」。標準装備は、シンクセット、給排水タンク各10Lずつ、冷蔵庫(14L)、電子レンジ、サブバッテリー(105Ah)×2、遮光カーテンなど。乗車定員は5人、就寝定員は2人。車両価格は502万9630円(税別)から。

BaluTheoの車内。2段ベッドなどは展示車両には設けておらず、就寝定員は余裕を持たせた2名としている。オプション装備はソーラーシステム、コンバーター(100V→12V)、外部電源取り入れ口など。展示車両はクルマの機能面も充実させていることもあり、価格は604万4354円(税別)。

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続いてはレアなホンダ車の2台!

ホンダのミニバンベースのバンコン

 軽キャンパーのベース車として「アクティ・バン」が選ばれることはあるものの、あまりキャンピングカーのベース車として選ばれることがないのがホンダ車である。ワンボックスの商用タイプがないことが大きな理由かと思われるが、中にはホンダ車をベース車としている特徴的なビルダーもある。

 前ページで紹介したホワイトハウスがそれで、「ステップワゴン」と「フリード」をベースにしたバンコンが展示されていた。

STEPWGN DECK ONE POP WEEKENDER/ホワイトハウス

 4車種あるホンダのミニバンの中で、2000ccクラスの代表格が「ステップワゴン」だ。全高はホンダ車の中で最も高く、室内空間に余裕がある。サイズは最大で全長4735×全幅1695×全高1855mmだ。価格は228万8000円(税込)から。

 そんなステップワゴンをベース車として利用したのが「STEPWGN DECK ONE POP WEEKENDER」だ。同社のポップアップルーフ型キャンピングカーには4種類のグレードが用意されており、WEEKENDERは上から2番目。

ホワイトハウス「STEPWGN DECK ONE POP WEEKENDER」。ポップアップルーフに改造されたホンダ車のキャンピングカーはレア。車両価格は443万7000円(税別)からで、乗車定員7人、就寝定員4人。2列目のフルフラットシートやプライバシーカーテンを標準装備。

2列目にはホワイトハウスオリジナルのフルフラットベンチシートが装備されている。3列目とつなげた時に生じる段差を解消するフラットクッションマットにより、車内が広々とした就寝スペースになる。オプションで電子レンジや、ソーラーパネル(100W)など。展示車両の価格は480万1300円(税別)。

FREESTYLE POP HOT Package/ホワイトハウス

 ホンダの4車種あるミニバンの内、最も低価格な1台がフリードである。コンパクト設計なので、居住性という面で見るとほかの大型ミニバンに比べて劣ってしまうのだが、その分取り回しがいいというメリットがある。全長4295×全幅1695×全高1735。価格は225万6000円(税込)から。

 そんなフリードをベース車としたコンパクトさが売りといえるバンコンが「FREESTYLE POP HOT Package」だ。なお、「HOT Package」とはポップアップルーフタイプの4つあるグレードの内、上から3番目のグレードだ。

ホワイトハウス「FREESTYLE POP HOT Package」。室内LED照明、フラットクッションマットなどが標準装備。車両価格は328万5000円(税別)から。乗車定員は5人、就寝定員は4人。なお、正確には展示車両のベース車は「フリード+」だ。

FREESTYLE POP HOT Packageの室内の様子。展示車両は、オプションでダイニングテーブル、冷蔵庫(7L)、180度回転機能付きフロントシート、セカンドシート座面脱着機構などをオプション装備。車両価格は376万2000円(税別)から。

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続いて、国内ビルダーによるレアな2台を紹介!

国内ビルダーによるそのほかの2台

 数は少ないがほかにも国内ビルダーによるバンコンはある。珍しい2台をお見せしたい。

デリカD:5クルーズ/ケイワークス

 ホンダ車同様にレアだったのが、ケイワークスによる三菱「デリカD:5」ベースのバンコン「デリカD:5クルーズ」だ。デリカD:5のサイズは最大で全長4730×全幅1795×全高1870mm。価格は240万8400円(税込)から。

ケイワークス「デリカD:5クルーズ」。標準装備は、遮光カーテン、サブバッテリー(105Ah)、2列目のバタフライシート(完全に折りたためてしまうシート)など。車両価格は378万円(税別)から。乗車定員は5人、就寝定員は4人。

デリカD:5クルーズの車内の様子。オプションが豊富なため、展示車両の価格は570万1500円(税別)。なお天井から足が下がっているのは、撮影したタイミングでポップアップルーフに子どもが上がり込んでいたため。

KANGOO POP POP マルチソファーベッド/ホワイトハウス

 ホワイトハウス「KANGOO POP POP マルチソファーベッド」は、キャンピングカーの完成車を海外ビルダーから取り寄せている輸入代理店もあるが、同車はルノー「カングー ゼン」をベースにホワイトハウスが架装した日仏合作ともいうべきバンコンだ。カングーゼンはサイズは全長4280×全幅1830×全高1810mm。車両価格は235万円(税込)。

ホワイトハウス「KANGOO POP POP マルチソファーベッド」。ポップアップルーフ、マルチソファーベッド、ダイニングテーブル、対座シート、アウトギャレーなどが標準装備。車両価格は373万8148円(税別)。乗車定員が5人、就寝定員が4人。

KANGOO POP POP マルチソファーベッドの車内の様子。標準装備が充実しているので、オプションで装着されているのは、プライバシーカーテンと、虫除けの観音開きのリアゲート用のスライドリアゲートネット。展示車両の価格は380万6148円(税込)。

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最後は輸入物の高級バンコン!

フィアット「デュカト」ベースの輸入物高級バンコン

 フィアット「デュカト」は、欧州キャンピングカー市場ではベース車のシェア70%も占めるとされる1台で、1981年の誕生以来80か国で販売され、累計販売台数は500万台を突破する。

 とにかく大型で、キャンピングカーのベース車として利用されることの多い「デュカト バン」は、最大サイズのものになると全長5998×全幅2050×全高2764mmという、日本にないサイズの大型車になる。なお、国内販売はまだされていない。車両価格は最も小型のタイプのベーシック価格が税込み2万6790ユーロから(日本国内では販売されていない)で、日本円に換算すると348万2700円。

 デュカトベースのキャンピングカーは小型のものをベースとした場合はバンコンとして扱われるが、大型のものはキャンピングカーの最高峰であるフルコンバージョン(フルコン)となる。フルコンのデュカトベースのキャンピングカーはまた別記事で紹介する予定だ。

COMPACT SCS(ADRIA)/デルタリンク

 スロベニアのキャンピングカービルダーADRIA社が手がけたデュカトベースの1台で、デルタリンクが正規輸入代理店だ。今回のバンコンの中では国産・輸入合わせて最高額の1台で、870万円から。なお、全長は6250mmと延長されている。

キャンプにだけ使用するのではなく、日常的に住めてしまいそうなほど標準装備が充実しており、例えば給水タンクも100L(排水タンクは85L)という具合。そのほかカセット式トイレやLPGガスヒーター、調理器具なども標準装備。乗車定員は5人で、就寝定員は余裕を持たせて大人2人、子ども1人。

室内スペースを拡大できるスライドアウト機構を備えている。もともと室内空間が広い1台だが、さらに広くなる。展示車両はオプション装備を加えて、946万8000円(税別)。

リビングストーン5 プレステージ(ローラーチーム)/フジカーズジャパン

 伊ローラーチーム社製のデュカトベースの1台。フジカーズジャパンが正規輸入代理店だ。車両価格は689万円(税別)から。乗車・就寝ともに定員は4人。

オプション装備だが、実はこのデュカトは英国などに向けた仕様と思われ、右ハンドル。給排水タンク各90Lずつ、冷蔵庫(80L)、ビルトイン式調理器具、燃料式温水ボイラー、リア2段ベッド、カセット式トイレなど標準装備が充実。

リビングストーン5 プレステージの車内。住宅内の部屋としてはさすがに狭く見えるかも知れないが、クルマの中とは思えないのも事実。ルーフエアコンやソーラーパネルなど、車内外に数々のオプションを追加しており、展示車両の価格は894万2400円(税別)。

2017年7月23日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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