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最終更新日:2019.03.13 公開日:2019.03.13

今年も「ハイエース」ベースが圧倒的だった! バンコン最新事情【ジャパンキャンピングカーショー2019】(11)

2月1日から3日まで開催された「ジャパンキャンピングカーショー2019」(幕張メッセ)。レポート第11弾は、日本キャンピングカー市場のメインストリームであるバンコンの動向についてお伝えする。またレアなベース車のバンコンも合わせて紹介。

トヨタ「ハイエース」ベースのバンコンは圧倒的な台数!

4C’S(フォーシーズ)が出展した、「ハイエース」ベースのバンコンの新型「スマートキャンパー フォープラス」。

フォーシーズ スマートキャンパー フォープラス(車内) ジャパンキャンピングカーショー2019

「スマートキャンパー フォープラス」の車内。フロントシートが180度回転することから、セカンドシートとの間にあるテーブルを挟んで向かい合って座れる。セカンドシートの後方には就寝スペースなどがある。

【スマートキャンパー フォープラス展示車両基本データ】
●乗車定員:4名 ●就寝定員:3名 ●価格:477万9000円(税別)
標準装備
【電気系】●専用アウトプット付きサブバッテリー 【電化製品】●リアヒーター ●調光式LED天井ダウンライト
【内装類】●手動式フロント回転シート ●スライド式キャプテンシート(2列目) ●重歩行用フロア施工 ●脱着式ポールテーブル ●折りたたみ式追加テーブル ●リア収納庫 ●リア5面遮光専用カーテン ●2段ステップ型常設ベッド

 トヨタがキャンピングカービルダー向けに「ハイエース キャンパー専用車」を販売していることもあり、「ハイエース」は多くのバンコンバージョン(※1、バンコン)、そして一部のキャブコンバージョン(※2、キャブコン)のベース車両として選ばれている。実際、今回どれだけ「ハイエース」ベースのキャンピングカーが出展されたかというと、約300台のうちの100台強(バンコン75台以上+キャブコン25台以上)。総出展車種数の1/3以上を占めており、日本のキャンピングカー市場は「ハイエース」に支えられているといっても過言ではないほどだ。

 「ハイエース」が選ばれるのは、街中でも取り回せるサイズでありながら広い車内スペースを有すること。さまざまなボディサイズが用意されていること。さらに、ボディや足回りの頑丈さに定評があることなども理由のようだ。キャンピングカーはさまざまなインテリアや電化製品などを追加することから、当然車重が増す。より頑丈な車種が選ばれるのは当然であり、そうして頑健な「ハイエース」が長年選ばれ続け、ノウハウが蓄積されてきた結果、「ハイエース」ベースのキャンピングカーが数多く存在するようになったというわけだ。今回もニューモデルはざっと30台以上という人気を誇っている。

※1・2 バンコンやキャブコンなど、キャンピングカーの種類に関しては、別記事『【ジャパン キャンピングカーショー2017】キャンピングカー種類別徹底解説-前編-』に詳報。

今回出展された「ハイエース」ベースのバンコンの中では屈指の高級車である、トイファクトリー「バーデン アルタモダ」。

「バーデン アルタモダ」の車内。対面式で座れ、中央にはテーブルをセットできる。後方のソファの上は2段式のベッドが展開されている。

【バーデン アルタモダ展示車両基本データ】
●乗車定員:7名 ●就寝定員:5名 ●価格:856万2000円(税別)
標準装備
【電気系】●100Ahサブバッテリー ●デジタル式電圧計 ●100V外部充電システム ●100Vコンセント(2か所4口) ●USBソケット(2口)
【電化製品】●リアクーラー ●上ぶた式40L冷蔵庫 ●電子レンジ
【内装類】●給排水タンク各13L ●トリプル断熱加工 ●常設ベッド ●収納庫
オプション
【電気系】●エアロソーラーシステム ●1500Wインバーター 【電化製品】●19インチTVシステムなど
【今回出展されていたトイファクトリーのほかのキャンピングカー】
●バスコンバージョン「セブンシーズ
●スズキ「ジムニー」専用ベッドキット「101 テントカー コンフォートフルフラットベッドキット

「NV350キャラバン リチウムイオンバッテリー搭載 グランピングカー」をベースにしたグランピングカーはこれから

日産ピーズフィールドクラフト「NV350キャラバン G-LIB」の車内。側面から。ゴージャスなキャンピングカーを意味するグランピングカーの1台だ。「NV350キャラバン」ベースでありながら、就寝定員2名であるところに、その贅沢さが窺える。

 日産「NV350キャラバン」はまだ少数派ではあるが、徐々にバンコンのベース車両として選ばれることが増えてきており、今回は10台ほどだった。トピックとしては、総電力量8kWhという大容量のリチウムイオンバッテリーと、「リーフ」で培われたバッテリーシステムを搭載した「NV350キャラバン リチウムイオンバッテリー搭載 グランピングカー」が2018年10月に登場したことが挙げられる(※3)。

 ただし、まだ同車をベースにしたグランピングカーの数は少なく、市販モデルを出展したのは、これまでも試作モデルを披露してきた日産ピーズフィールドクラフトのみ。「NV350キャラバン G-LIB」の車両価格はオプションを加えての価格ではあるが1000万円オーバーと、国産バンコントップクラスだった。

※2 別記事『【東京キャンピングカーショー2018】日産「NV350 キャラバン グランピングカー」&ホンダ「N-VAN」軽キャンパー仕様に迫る』に詳報

日産ピーズフィールドクラフト「NV350キャラバン G-LIB」の車内をバックドア側から。

【NV350キャラバン G-LIB展示車両基本データ】
●乗車定員:5名 ●就寝定員:2名 ●価格:1024万1905円(税別)
標準装備
【電気系】●リチウムイオンサブバッテリー(総電力量8kWh) ●外部電源 ●リアクーラー用壁掛けACコンセント
【電化製品】●リアクーラー ●IH式調理器具
【内装類】●給排水タンク各19L ●遮光カーテン
オプション
【電気系】●LEDヘッドランプなど

→ 次ページ:
続いては、レアなベース車のバンコンを紹介!

トヨタ「エスクァイア」ベースの「MR プレミアムパック」(バンレボ)

トヨタの大型ミニバン「エスクァイア」をベースとしたバンレボのニューモデル「MR プレミアムパック」。

  続いては、あまり選ばれることのないミニバンなどをベース車としたバンコンを紹介する。まずは、トヨタの大型ミニバン「エスクァイア」をベースとしたバンレボの「MR プレミアムパック」(エムアール・プレミアムパック)からだ。「ハイエース」のような1BOXではなく、もう少しデザイン性の高いエクステリアを持った同サイズのクルマで、普段使いもしたいという人向けの1台といえるだろう。車内スペース的には「ハイエース」よりは狭いが、就寝定員2名であることからわかるように、夫婦ふたり旅なら十分な広さといえるだろう。

バックドア側から見た「MR プレミアムパック」の車内。

【MR プレミアムパック展示車両基本データ】
●乗車定員:5名 ●就寝定員:2名 ●価格:430万8000円(税別)
標準装備
【電気系】●走行充電可能な105Ahサブバッテリー ●外部電源入力 ●2000Wインバーター ●USBポート
【電化製品】●デュアルエアコン ●走行ヒーター ●FFヒーター ●電子レンジ ●LED照明 ●リアフリップダウンモニターなど
【内装類】●給排水タンク各5L ●遮光1級カーテン ●平面ベッドなど
オプション
【電気系】●ソーラーパネル設定可能

トヨタ「シエンタ」ベースの「MR バイブス」(バンレボ)

バンレボのもう1台のニューモデルが、トヨタ「シエンタ」ベースの「MR バイブス」。

 続いては、トヨタ「シエンタ」をベースとしたバンレボの「MR バイブス」(エムアール・バイブス)。「シエンタ」はトヨタのミニバンのラインナップ中で最も小型で、かつ安価な点が特徴。そのため、展示車両の「MR バイブス」はオプション込みでも価格は税別250万円強。軽キャンパーに匹敵するようなリーズナブルさとなっている。ただし、車内はキャンピングカーというよりは、より簡易的な車中泊仕様となっている。

「MR バイブス」のバックドアから見た車内と、バックドアタープ(参考出展)。

【MR バイブス展示車両基本データ】
●乗車定員:5名 ●就寝定員:2名 ●価格:254万2000円(税別)
標準装備
【電気系】●ポータブルバッテリー(総電力量150Wh) 【電化製品】●室内LED照明 ●バックゲートLED照明
【内装類】●室内カーテン ●ベッドマットなど
オプション
【電気系】●バックドアタープ(参考出展)など

“e-POWER”搭載グレードをベースとした新型「セレナ PS-V」(日産ピーズフィールドクラフト)

日産「セレナ e-POWER」をベースとした、日産ピーズフィールドクラフト「セレナ P-SV」。”e-POWER”とは、ガソリンエンジンで発電してモーター駆動で走行するシリーズ型ハイブリッドシステムを搭載したグレード名のこと。

 日産系のキャンピングカービルダーである日産ピーズフィールドクラフト。前ページで紹介した「NV350キャラバン G-LIB」のほか、人気ミニバン「セレナ」をベースとした新型「セレナ P-SV」などを出展した。新型は、「セレナ」に追加設定されたハイブリッドモデルの「セレナ e-POWER」をベースとしたことが特徴。装備自体は大きく変わってはいない。

「セレナ P-SV」の車内。キャンピングカーとするには車内スペース的に余裕があるわけではないため、ベッドマットを敷いた簡易的な車中泊スタイルとなっている。ただし、ポップアップルーフがあるため、就寝定員は4名だ。

【セレナ P-SV展示車両基本データ】
●乗車定員:7名 ●就寝定員:4名 ●価格:392万2000円(税別)
標準装備
【電化製品】●リアクーラー
オプション
【電気系】●105Ahサブバッテリー ●外部電源+オートチャージャー 【内装類】●アンダーベッド
設定可能なオプション
【電化製品】●FFヒーター 【内装類】●遮光カーテン ●サイドオーニング ●床下有能故

三菱「アウトランダー PHEV」ベースの「19型 アウトランダー PHEV E:POP」(西尾張三菱自動車販売)

西尾張三菱自動車販売の「19型 アウトランダー PHEV E:POP」。三菱「アウトランダー PHEV」の最新2019年式をベースとしている。

 国産車で最も早くに登場したプラグインハイブリッド車(PHEV)である三菱のミドルサイズSUV「アウトランダーPHEV」。ディーラーの西尾張三菱自動車販売は三菱車ベースのキャンピングカーも手がけており、今回出展した新車が2019年型をベースにしたバンコン「19型 アウトランダー PHEV E:POP」だ。ポップアップルーフを備え、就寝定員は4名となっている。

「19型 アウトランダー PHEV E:POP」。基本的にポップアップルーフ以外は手を入れておらず、車中泊タイプとなっている。展示車両はマルチシェードを備えていたので、肉眼ではかなり車内が暗く、就寝しやすそうだった。

【19型 アウトランダー PHEV E:POP展示車両基本データ】
●乗車定員:5名 ●就寝定員:4名 ●価格:486万3333円(税別)
オプション
【内装類】●E:BED(ベッドマット) ●マルチシェード(フロントおよびリア)

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