マクラーレンF1の再来!? ゴードン・マレーが新型スーパーカー「S1」を世界初公開! 690psのV12自然吸気エンジン+6速MTを搭載【新車ニュース】
ゴードン・マレー・オートモーティブは8月14日、米カリフォルニア州モントレーで開催された「ザ・クエイル」において、新型スーパーカー「S1」を発表した。生産台数は世界64台限定だ。
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「S1 LM」の過激な空力要素を取り除いたロードゴーイングモデル
2017年に設立されたゴードン・マレー・オートモーティブは、英国サリー州ウィンドルシャムに拠点を置くスポーツカーメーカー。会長を務めるゴードン・マレーは、1969〜1990年にブラバムやマクラーレンのF1チームでテクニカルディレクターを務めた後、マクラーレン・カーズ(2010年にマクラーレン・オートモーティブに改称)を設立。同社で最初に手掛けたのが1992年に発表された伝説的スーパーカー「マクラーレンF1」だ。また、メルセデス・ベンツとの協業によって生み出された2003年発表の「SLRマクラーレン」も、氏の手腕が発揮されたモデルだ。
2005年、ゴードン・マレーはマクラーレン・カーズを離れ、2007年にゴードン・マレー・デザインを設立。2017年には自動車メーカー「ゴードン・マレー・オートモーティブ」として、これまで「T.50」や「T.33」などのスーパーカーを世に送り出してきた。
同社ではこれまで、「T.50」などのシリーズモデルのほか、「ル・マンGTR」や「S1 LM」といったスペシャルビークルズを開発・製造してきた。このたび発表された「S1」のは後者にカテゴライズされる最新作だ。車名の「S」はスペシャルを意味する。
ゴードン・マレーS1|Gordon Murray S1
S1はS1 LMとDNAを共有しているものの、その個性と目的は明確に異なる。S1 LMはゴードン・マレーが1995年のル・マン24時間レースで優勝したことを記念し、公道走行可能なレース仕様車として最も刺激的なモデルとして構想されたモデル。このS1は、S1 LMのエレガントなデザイン言語を継承しつつ、高速で刺激的な長距離ロードドライビングのためにセッティングを再構築している。ゴードン・マレーはこのように述べている。
「S1では、S1 LMの過激な空力要素を取り除いた時に、このデザインにどれほどの美しさと純粋さが宿っているかを示したかったのです。S1 LMと同じ力強さ、レスポンス、そしてエンジニアリングの完成度を備えながらも、異なる目的に合わせてチューニングされています。ロサンゼルスからモントレーまで海岸沿いを快適にドライブでき、道が開けた時には、ギヤチェンジ、コーナーリング、そしてV12エンジンのあらゆる音色を存分に楽しむことができる車です。エクスクルーシブでアナログな、ドライバー重視のクルマでありながら、よりエレガントで洗練され、長距離走行にもより適しています」
ゴードン・マレーS1|Gordon Murray S1
S1は、S1 LMの特徴であった大型の固定式リヤウイング、長いフロントスプリッター、そして深いサイドスカートを廃し、外装ボディパネルはすべて新設計となっている。その結果、クラシックなプロポーションにインスパイアされた、より洗練されたシルエットが実現した。
新型のアクティブリヤエアロシステムはボディワークに統合され、高速走行時の安定性とブレーキング性能の要求に合わせて調整。極端なダウンフォース追求から、路面におけるメカニカルグリップ、バランス、そして安心感へと重点が移された。
S1の中核を成すのは、最高出力690psを1万2100rpmという高回転域で発揮する、特注のコスワース製4.2リッターV型12気筒自然吸気エンジン。S1 LMエンジンと同じ系統を受け継ぐこの4.2リッターユニットは、ゴードン・マレー製エンジンに期待されるサウンド、レスポンス、キャラクターを維持しながら、卓越したレスポンスを実現するように開発された。低慣性で高回転型のこのエンジンには、炭化ケイ素コーティングされた軽量ピストン、チタン製バルブ、チタン製コンロッド、ドライサンプ潤滑システムなど、競技仕様のコンポーネントが多数採用されている。快適なツーリングを念頭に、S1はより広いトルクレンジを備え、わずか2500rpmから最大トルクの80%を発揮し、7000rpmで約500Nmのトルクを発生する。
このエンジンには6速MTが組み合わされている。新しく直線化されたトランスミッションケーブルの配線により、ドライバーとマシンとの物理的なつながりの中核となる、正確で力強いシフトフィールを実現した。
S1は、S1 LMの車幅、トレッド、軽量サスペンション構造、幅広タイヤをそのまま維持しつつ、車高を10mm上げ、ステアリングの精度、俊敏性、フィードバックを維持しながら、よりしなやかな乗り心地を実現するためにダンピングを再調整している。
軽量化設計は依然として基本中の基本。超軽量カーボンファイバー製ボディパネル、軽量サスペンション部品、そしてゴードン・マレーの徹底した軽量化へのこだわりにより、S1はより豪華な内装、強化されたサウンドシステム、そしてさらなる音響改良が施されているにもかかわらず、全体の目標重量はT.50を下回る997kg以下とアナウンスされた。
1+2レイアウトのキャビンはドライバー重視の設計思想を体現
ゴードン・マレーS1|Gordon Murray S1
エクステリアは専用のフロントおよびリヤライトを備え、デイタイムランニングランプがライトクラスターに統合されているため、ヘッドライトのシグネチャーは、ランニングライトがヘッドライトの下の細いブレードに配置されているS1 LMとは異なっている。独自のメインビーム補助ライトは、車体のノーズにあるエアインテークの低い位置に配置。これは、同様の低い位置のライトを備えていた、1992年のモナコショーに出展されたマレーのデザインへのオマージュだが、この要素は量産化されることはなかった。
さらに、Aピラーに取り付けられた特徴的なミラーには、目立たないリヤビューカメラシステムが内蔵されており、1992年のモナコモーターショーに出展された名車からインスピレーションを得た、全く新しい軽量ホイールが採用されている。エンジンルームでは、V12エンジンが主役として際立ち、磨き上げられたインコネル製のエキゾーストパイプと24金メッキのヒートシールドが目を引く。
ゴードン・マレーS1|Gordon Murray S1
インテリアは、ゴードン・マレーが重視するドライバー重視の設計思想を体現する中央配置のドライビングポジションと低いカウル高を維持しつつ、S1 LMのコックピットをより洗練されたラグジュアリーな解釈で表現。上質なレザー、特注ファブリック、テーラードトリム、ツーリングレベルのシート快適性、強化された遮音性、改良されたインフォテインメントスクリーン、そして特注の軽量オーディオシステムにより、3人乗りキャビンは長距離走行に一層適したものとなっている。
ドライバーは、切り替え可能な選択式パワーステアリングによってフィーリングをカスタマイズでき、ゆったりとしたクルージングのためのアシストを選択したり、ダイナミックな道路でよりダイレクトな一体感を味わったりすることができる。
新デザインのディヘドラルドアには、S1 LMに採用されたレーシングカーをイメージさせるレキサン(高耐久ポリカーボネイト樹脂)製「チケットウインドウ(スライド式ウインドウ)」に代わり、昇降式のガラスが組み込まれている。このドアは開口部が広く、乗り降りのしやすさが向上しており、S1が日常的な使いやすさを重視した設計であることを際立たせている。
※文中敬称略
動画=ゴードン・マレー・オートモーティブ公式YouTubeチャンネルより




