クルマは効率を極めると、こんなカタチになる!? フォルクスワーゲンが新型BEV「ミッション エフィシェンシー」のプロトタイプを発表【新車ニュース】 | KURU KURA(くるくら)

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公開日:2026.10.02

クルマは効率を極めると、こんなカタチになる!? フォルクスワーゲンが新型BEV「ミッション エフィシェンシー」のプロトタイプを発表【新車ニュース】

フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)

9月14日、フォルクスワーゲンは世界で最も効率性の高い電気自動車「ミッション エフィシェンシー」のプロトタイプを発表した。このモデルは卓越した空力性能と、理論上も実走行上も極めて優れたエネルギー効率を実現しており、フォルクスワーゲンの技術の象徴であるとともに生産技術力の高さを示すものだ。

フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)

文=細田 靖

写真=フォルクスワーゲン

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Cd値0.158は公道走行可能な自動車としては新記録!

「ミッション エフィシェンシー」は、5月21日に発表された新型コンパクトBEV「ID.ポロ」に用いられた「MEB+」プラットフォームや前輪駆動用モーター、高電圧バッテリーといったコンポーネントを活用して造られた。

フォルクスワーゲンブランドおよびブランドグループコアの技術開発担当取締役であるカイ・グリューニッツ氏はこのように述べている。

「新しいミッション エフィシェンシーは、新しいID.ポロに用いられたドライブシステムのポテンシャルの高さを鮮烈に示しています。前輪駆動のMEB+ベースのすべてのモデル向けに開発されたこのシステムは、非常に軽量かつ高効率であり、この車両にとって理想的なものです。ミッション エフィシェンシーを手がけたヴォルフスブルクのチームは素晴らしいことを成し遂げました。彼らはフォルクスワーゲンが空力性能の分野で世界をリードするメーカーのひとつであることを証明しただけでなく、手頃な価格の量産技術を用いても世界最高水準の効率を誇る車を製造できることも示したのです」

フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)

フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)

ボディサイズは全長4775×全幅1744×全高1392mmで、ホイールベースは2700mm。この寸法はID.ポロより全長が722mm、ホイールベースが100mm長い一方で、全幅が72mm、全高が138mm小さい。

そのフォルムはまさに空力に着想を得たもの。画期的と言える低い空気抵抗は、抗力係数(Cd値:0.158)と、小さな前面投影面積(A:2.08㎡)によって実現され、ミッション エフィシェンシーの中心的な空力特性となっている。このCd値は公道走行可能な自動車としては新記録。ID.ポロのCd値が0.264と知れば、その低さが理解できる。

空気の流れを最適化したティアドロップ型ボディのエクステリアは、アクティブ冷却エアフラップ、クラッドリヤホイール、フルクラッドアンダーボディで構成。ドアにはフレームレスウインドウが採用され、ドアハンドルは最適な空気の流れを実現するためにドアパネルに内蔵されている。

この全体的なコンセプトは、とりわけ高速走行時に効果を発揮する。80km/hを超える速度では標準仕様のID.ポロよりも電力消費量が30%以上少なくなる。そして140km/hでは100km/h走行時のID.ポロとそれはほぼ同じだ。車速68km/hで一定走行中、上り坂がなくエアコンなどの周辺機器がオフになっている、いわゆる「理想的な走行」における電力消費量は6.48kWh/100km(=64.8Wh/km)をマークするという。

フォルクスワーゲンのチーフデザイナー、アンドレアス・ミント氏はこのように述べている。

「ミッション エフィシェンシーは、フロントエンドのデザインによって、ID.ポロやID.クロスを含む当社の新しい電気自動車ファミリーの一員として位置付けられています。ボディ形状は機能性を徹底的に追求し、空力特性を最大限に考慮した設計となっています。その結果、伝説的な『フォルクスワーゲンXL1』のDNAを色濃く受け継ぐ、最先端かつ効率的なスポーツカーが誕生しました」

プラグインハイブリッド車として2013年に発表された「XL1」は、1リッターの燃料で100km走行できるクルマを市場に導入にしようという「1リッターカー構想」によって生み出されたモデル。市販モデルは欧州複合モードで0.9L/100km(=111km/L)を実現し、当時世界で最も燃費効率の高い量産車となった。ちなみに「XL1」のボディサイズは全長3888×全幅1665×全高1153mmで、Cd値は0.189。

出力370Wの太陽光発電システムにより最大30kmを延長可能

フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)

フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)

フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)

フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)

室内には2+2シートと481Lの荷室が備わっている。後席下部とボディ側面には追加の収納スペースがあり、日常の小物や充電ケーブルが収納できる。前席は制限なく使用できるが、後席は身長約160cmまでの乗員を想定したものだ。

このプロトタイプは、理論的には4人家族が使用できるように設計されている。ボディはID.ポロのコンポーネントと、自立型アルミニウム構造、高強度炭素繊維強化ポリマー(CFRP)とアラミド複合材で作られたコンポーネントを組み合わせている。

ミッション エフィシェンシーには、フロントにID.ポロと同じマクファーソン式フロントサスペンションと油圧ブレーキを採用。リヤには初めて電気機械式ブレーキを搭載。これにより摩擦損失が低減され、ブレーキラインとブレーキフルードの消費量が削減されるとともに、可変制動力配分が可能となる。これにより回生性能がさらに向上するだけでなく、コーナリング時の安定性も向上する。この新しいブレーキは、フォルクスワーゲンがID.ポロにもブレーキシステムを供給している国際的なテクノロジー企業AUMOVIOと共同開発したものだ。プロトタイプはEUの道路走行承認を取得しており、関連する安全性、強度、衝突要件を満たしている。

転がり抵抗もまた、効率を左右する要素。ホイールとタイヤの統合方法も興味深い点で、ホイールが空気抵抗の25~30%を占めるからだ。そのため、新たな解決策の開発には多くの労力が必要だったという。

例えば前輪の場合、ホイールアーチはタイヤの半径に密着するように配置され、ホイールハウジング内の乱流を低減している。さらに、すべてのホイールの内側には、特許取得済みの新しいリムデフレクターが使用されている。これにより、空気がリムに入り込み、乱流が発生するのを防ぐ。ホイールの外側に見える部分では、フラットで流れを最適化したハブキャップのデザインが、優れた空力性能に貢献している。

最適なタイヤは燃費を向上させ、航続距離を伸ばすためのもうひとつの重要な要素。フォルクスワーゲンはコンチネンタルタイヤと緊密に連携し、「エココンタクト7」シリーズタイヤをベースにしたコンセプトタイヤを開発。このタイヤの転がり抵抗は1トンあたり4.9kgで、EUのタイヤラベリング制度における最高ランク「クラスA」の基準値を約25%下回る性能を実現している。サイドウォールとトレッドコンパウンドの最適化により、転がり時のエネルギー損失は最小限に抑えられた。

フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)

フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)

ガラスルーフとトランクリッドには出力370Wの太陽光発電システムが組み込まれ、車載電気システムに電力を供給する。季節、地域、天候にもよるが、これによって1日あたり最大30kmの航続距離を延ばすことができる。

室内では、軽量パネルのほか、従来のスピーカーシステムに代えてポータブルBluetoothスピーカーが用いられ、さらに「Bring your own device(自分のデバイスを持ち込む)」コンセプトによって軽量化が図られている。インフォテイメントシステムのディスプレイの代わりに、スマートフォンやタブレットを使用する仕組みだ。

1278.36kmにおよぶテスト走行で7.51kWh/100kmを達成

フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)

フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)

ミッション エフィシェンシーの高い効率性は公式に記録された「電費」テストで実証された。計測ルートはフォルクスワーゲンのドイツ開発センター(ヴォルフスブルク)から、ポズナン(ポーランド)とオルミュッツ(チェコ)を経由して、オーストリアの首都ウィーンに至る1278.36km。

結果、ミッション エフィシェンシーは充電損失を含めて7.51kWh/100km(=75.1Wh/km)で、充電損失を除くと6.89kWh/100km(=68.9Wh/km)の実電費を達成した。平均速度は67.72km/hで、最高速度は138km/hだった。正味54.9kWhのバッテリーの充電は途中わずか1回だけで、ウィーン到着時の航続可能距離は164.0kmを表示した。

SPECIFICATIONS
フォルクスワーゲン・ミッション エフィシェンシー(プロトタイプ)|Volkswagen Misson Efficiency (prototype)
ボディサイズ:全長4775×全幅1744×全高1392mm
ホイールベース:2700mm
乗車定員:4人
荷室容量:481L
モーター最高出力:99kW(135ps)
バッテリー容量(正味):54.9kWh
駆動方式:FWD

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