VWよりお買い得!? スペインの自動車メーカー「セアト」で最も売れている「イビサ」は、スタイリッシュなコンパクトハッチバック!【日本未発売のクルマたち#️19】
日本ではほぼ見かけない(正規販売されていない)クルマを取り上げる連載企画「日本未発売のクルマたち」。今回はスペインの自動車メーカー「セアト」のコンパクトハッチバックモデル「イビサ」をご紹介。
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「セアト」はフォルクスワーゲン傘下のスペイン大衆車メーカー
SEAT(セアト)というスペインの大衆車メーカーをご存知だろうか。
創業は1950年。当時のフランコ政権のもと、国営の金融&産業持株会社が株式の過半数を所有し、残りを同国の民間銀行とフィアットが出資した合弁会社として、カタルーニャ州バルセロナに設立された。
社名は「Sociedad Española de Automóviles de Turismo(ソシエダ・エスパニョーラ・デ・オートモビレス・デ・ツーリスモ=スペイン乗用自動車会社)」でスタートしたが、1990年に「SEAT,S.A.(※)」が正式社名になった。
※S.A.はソシエダ・アノニマの略で「株式会社」を意味する
初めての生産車は1953年誕生の「セアト1400」。1.4リッターエンジンを積むFRのミドルセダンで、「フィアット1400」の姉妹車だった。その後、1957年に「セアト600(フィアット600の姉妹車)」を、1963年には600をベースにした独自の派生4ドアモデル「セアト800」を生産。1975年には同社で初めて自社開発した2ドアクーペ「セアト1200スポルト」を生み出した。
それまでのフィアットとの提携を解消したのち、1982年にフォルクスワーゲン(VW)とタッグを組む。1986年にはVWが筆頭株主になり、1990年にはVWの完全子会社となって現在に至る。2006年にはバルセロナ郊外のマルトレル工場に本社機能が集約された。
セアト車は現在、欧州を中心に、中南米やアフリカ、中東、オセアニアなど、世界70カ国以上で販売されている。なお、日本に正規輸入された記録はない。
現行型イビサは2017年登場の5代目。VWポロなどと基本を共有
セアト・イビサ|SEAT Ibiza
ここでご紹介する「Ibiza(イビサ)」は、1984年に初代が誕生したロングセラー。2017年登場の現行5代目で世界累計600万台を超える販売台数を記録する、最も売れているセアト車だ。車名は地中海に浮かぶバレアレス諸島のひとつ、イビサ島に由来している。
「MQB A0」プラットフォームをはじめとする基本構造をVWポロやアウディA1などと共有するボディサイズは、全長4070×全幅1780×全高1447mmで、ホイールベースは2564mm。この寸法はVWポロに近い(ポロ欧州仕様は全長4074×全幅1751×全高1451mm、ホイールベース2552mm)。
現在販売されているのは、2025年10月に発表されたマイナーチェンジ版だ。六角形の新しいフロントグリルと、象徴的なダイヤモンド型のメッシュをマット/ポリッシュ仕上げで組み合わせることで、スポーティなキャラクターを際立たせ、ワイドなプロポーションを強調。加えて、スリムになったフルLEDヘッドライトもボディのワイド感強調にひと役。フロントエンドの印象が一新した。洗練されたライトシグネチャーはよりテクニカルな印象を与え、力強い存在感を放つ。
リヤでは、スポーティで若々しい印象を強調する新デザインのバンパーを採用。上部の水平方向のハイライトが延長され、よりワイドな印象に。また、ナンバープレート部分がダークカラーになっていることで、スポーティさとアイコニックさが増し、リアの視覚的な重厚感を軽減。遠くからでも際立つデザインとなっている。
セアト・イビサ|SEAT Ibiza
キャビンはドライバー中心の設計を貫いている。人間工学に基づいて設計されたマルチファンクションステアリングホイールは、車内機能を完全にコントロールできる。標準装備の8インチデジタルメーターはあらゆる情報を鮮明に表示し、オプションの10.25インチデジタルコックピットは機能性を拡張し、さらに鮮明な表示を実現する。
水平基調のインパネには、高く配置されたフローティング式のインフォテインメントディスプレイ(標準は8.25インチ/オプションで9.2インチを設定)を含め、人間工学に基づいた快適性と使いやすさが追求されている。
荷室容量は355Lとクラストップレベルを誇る(VWポロは351L)。積載スペースはダブルフロア構造により汎用性に配慮されており、4つの金属製フックによるカーゴネットで走行中も荷物をしっかりと保持できる。後席の6:4分割可倒式シートバックを倒すと、荷室容量は最大1165Lに拡がる(VWポロは1125L)。
自然吸気式1.0L直3から1.5L直4ターボまでガソリン4機種を設定
セアト・イビサ|SEAT Ibiza
パワーユニットは自然吸気式の1.0リッター直列3気筒、1.0リッター直列3気筒ターボ(スペックの異なる2機種)、1.5リッター直列4気筒ターボが設定されている。エンジンスペック+組み合わせるトランスミッション/0-100km/h加速タイム/最高速度/WLTPモード最高燃費は以下のとおり。
●1.0MPI 59kW
1.0リッター直列3気筒エンジン(80ps/93Nm)+5速MT/15.3秒/175km/h/19.2km/L
●1.0TSI 70kW
1.0リッター直列3気筒ターボエンジン(95ps/175Nm)+5速MT/11.0秒/190km/h/20.0km/L
●1.0TSI 85kW
1.0リッター直列3気筒ターボエンジン(115ps/200Nm)+6速MTまたは7速DCT(DSG)/9.9秒/200km/h/MT20.0/DCT19.2km/L
●1.5TSI 110kW
1.5リッター直列4気筒ターボエンジン(150ps/250Nm)+7速DCT(DSG)/8.1秒/220km/h/18.2km/L
駆動方式はいずれもFFで、サスペンンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リヤがトーションビーム式だ。走行モードは「エコ」「ノーマル」「スポーツ」「インディビジュアル」の4つから選べる。
運転支援機能は、ACC(アダプティブクルーズコントロール)をはじめ、レーンアシストや緊急自動ブレーキ、交通標識認識機能、車線変更時の安全をサポートするサイドアシスト機能、ハイビームアシストなど、積極的に採用されている。
トリムグレードは「イビサ」「スタイル」「FR」の3つが基本で、スタイルやFRには装備をさらに充実させた「+」「+サウンド」も設定されている(スペイン仕様)。最上級の「FR」には18インチアルミホイールのほか、ダークテールパイプ、パーフォレテッドレザー巻きステアリングホイール、バケットタイプフロントシートを標準装備するほか、前後パーキングセンサーやバックカメラも搭載。
スペイン仕様の車両価格は1万6520〜2万4375ユーロ(邦貨換算約307〜453万円)。姉妹車VWポロの同国仕様は1万9910〜3万2590ユーロ(同約370〜605万円)だから、イビサの方が少し手の届きやすい価格帯となっている。
SPECIFICATIONS
セアト・イビサ1.5TSI 110kW|SEAT Ibiza 1.5TSI 110kW
ボディサイズ:全長4070×全幅1780×全高1447mm
ホイールベース:2564mm
最低地上高:138mm
乗車定員:5人
荷室容量:355〜1165L
車両重量:1231kg
総排気量:1498cc
エンジン:直列4気筒ターボ
最高出力:110kW(150ps)/5000-6000rpm
最大トルク:250Nm(25.5kgf-m)/1500-3500rpm
トランスミッション:7速DCT(DSG)
駆動方式:FF
0-100km/h加速:8.1秒
最高速度:220km/h
WLTPモード燃費:最高18.2km/L
※諸元は欧州仕様




