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公開日:2026.05.22

大混雑する千葉の「国道296号」で新拡幅事業が開始!「2本のバイパス道路」も整備中。船橋~佐倉ルートはどう変わる?【いま気になる道路計画】

イオンタウンユーカリが丘周辺の八千代バイパス。

千葉県北部の船橋市~佐倉市を結ぶ国道296号で、2026年度の新規事業化工区が発表された。慢性的な渋滞が課題となっている同路線では、沿線自治体によってバイパスとなる都市計画道路も整備中だ。計画の詳細と現況を見ていこう。

イオンタウンユーカリが丘周辺の八千代バイパス。

文=鳥羽しめじ

資料=千葉県、八千代市、佐倉市

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船橋の「国道296号」で新たな拡幅事業

千葉県内の東西軸「国道296号」の路線図。

千葉県内の東西軸「国道296号」の路線図。

「国道296号」は、千葉県の船橋市~八千代市~佐倉市方面を結ぶ主要道路だ。

地域の重要な幹線ルートでありながら、現道の多くは旧来型の狭い2車線道路となっており、信号交差点も連続。交通需要に対して道路容量が不足しており、慢性的な渋滞が発生している。ドライバーからは「カーナビに表示すべきではない道路」「常に渋滞している」といった声も上がるほど、千葉県北西部の厳しい道路事情を象徴する路線のひとつとなっている。

そんな国道296号で、2026年4月、新たな道路改良事業として「前原西工区」が事業化された。場所は船橋市中心部に近いエリアで、交通円滑化に向けた整備が進められる。

新たな道路改良事業として、事業化された「前原西工区」の位置図。

新たな道路改良事業として、事業化された「前原西工区」の位置図。

「前原西工区」は、「船取線」と「成田街道」が交わる「中野木交差点」の東側だ。国道296号は、中野木交差点から東へ約500m進んだ地点で、北側へ分岐する線形となっている。

国道14号方面からは、船取線を北上したのち、中野木交差点で東へ折れ、さらに「成田街道入口」で北東方向へ進路を変える線形となっている。現在の交通需要に対して非効率なルート構造となっており、1日約1万5000台の交通が集中するなかで、慢性的な渋滞が発生している。

船橋市街地では、沿道環境や市街化状況から大規模バイパスの整備が難しいとされる。そうしたなか、今回事業化された「前原西工区」では、この約500m区間を対象に車線拡幅を実施する。

具体的には、西行き車線を2車線化するほか、中野木交差点に左折専用車線を追加。交差点の処理能力向上を図る。現地では、左折待ち車両による交通阻害や、歩行者確認のため停止した車両への追突事故も課題となっており、左折車線の分離によって安全性向上も期待されている。

延長は約500mと短いものの、整備後は最大4分程度の時間短縮効果が見込まれている。あわせて、渋滞回避のため生活道路へ流入している通過交通の抑制にもつながる可能性がある。

今後は測量・設計を進めたうえで、用地取得完了後に工事へ着手する予定だ。

八千代市~佐倉市の生命線で進行中のバイパス計画

混雑する「国道296号」の様子。

混雑する「国道296号」の様子。

このほか、慢性的な混雑が続く国道296号を補完するルートとして、2つの都市計画道路の整備も進められている。

●水道道路(八千代市~佐倉市)
京成線の南側を並行する都市計画道路。現在は、勝田台の国道16号から志津・臼井を経て、JR佐倉駅付近までがつながっている。

全線2車線ながら、国道296号と比べて線形は良好で、ニュータウン地域の生活道路として機能しているほか、佐倉市方面への比較的スムーズな移動ルートとしても重要な存在となっている。

この道路は、2022年に志津~国道16号間が開通したことで、ようやく現在のネットワーク形状となった。一方、その西側では、八千代市内の「八千代台南勝田台線」第1工区として整備が進行中だ。区間は京成大和田駅~八千代台駅付近に相当する約525mで、2025年11月時点の用地取得率は約94%となっている。

ただし、国道16号から八千代市街方面へ向かう途中には、約500mにわたって千葉市花見川区が挟まっている。この区間はいまだ事業化されておらず、ネットワーク形成上の課題となっている。八千代市~佐倉市を連続的に結ぶうえでは、この短区間の整備動向が今後の大きな焦点となりそうだ。

さらに西側では、道路自体は花見川団地方面まで延びているものの、船橋方面へ直結するような高規格な幹線道路は依然として不足している。中長距離移動では、引き続き国道296号への依存度が高い状況だ。

もうひとつの「国道296号バイパス」計画とは

国道296号の北側と南側でそれぞれバイパス整備が進む。

国道296号の北側と南側でそれぞれバイパス整備が進む。

●八千代中央~ユーカリが丘(八千代市~佐倉市)
一方、京成線の北側では、八千代市側の「新木戸上高野原線」と、佐倉市側の「井野酒々井線」の整備が進められている。

このルートは、八千代緑が丘東側からユーカリが丘付近にかけて大きく南へ迂回する国道296号に対し、その内側を東西方向へほぼ直線的に結ぶバイパス機能を担う道路だ。

沿線では、東葉高速鉄道「村上駅」周辺や、イオンタウンユーカリが丘周辺など、京成線沿線とは異なる生活拠点を相互に接続。さらに、船橋~佐倉を支える新たな東西軸としての役割も期待されている。

現在、西側が村上駅付近を越えた地点までの約4km、東側がユーカリが丘周辺の約1.5kmで、それぞれ開通済みとなっている。さらに2023年には、志津中学校前まで延伸開通し、全線開通までの未整備区間は約1.5kmとなった。

整備状況を見ると、八千代市側では第1工区の用地取得率が約83%(2025年3月時点)。第2工区は2025年度に事業認可を受けたばかりで、今後本格的な整備が進められる見通しだ。

一方、佐倉市側の「井野酒々井線」についても、2025年11月時点で用地取得率は約85%となっており、こちらも事業進展が続いている。

果たして、残る未整備区間が着工・開通までこぎ着け、勝田台周辺の道路事情が改善されるのは、いつになるのだろうか。事業の今後を引き続き注視していきたい。

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