【東京キャンピングカーショー2017】バンコンが超充実! 前編
7月1日・2日の土日にわたって、東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2017」。軽自動車ベースの「軽キャンパー」に次いで日本での人気が高い、ミニバン・ワンボックスベースの「バンコンバージョン(バンコン)」の前編をお届けだ。
今回は、画像のフジカーズジャパンの「FOCS ESPACIO(エスパシオ) +UP」のように、ミニバン・ワゴンベースの「バンコンバージョン」が半数を占めた。
バンコンは装備の充実と取り回しのよさが特徴
バンコンはスペースに余裕があってエンジンのパワーもあることから、装備を充実させやすいというメリットがある。またスペース的な余裕から就寝定員を多くできるし、逆に就寝定員を少なめにして1人当たりのスペースを広く取るといったことも可能だ。
またバンコンは取り回しがいいために街乗りもしやすく、日常用にさらにもう1台クルマを所有する必要がない。バンコンはキャンピングカーでの利便性に加えて日常での街乗りにも利用しやすく、バランスの取れたカテゴリーなのである。
バンコンの車両価格は、今回出展されていた中では300万円台前半ぐらいからとなり、装備を充実させた高額なものになると600~800万円台という具合だ。海外からの輸入されたバンコンになるとさらに高額で、1000万円近いものもあった。
ベース車はハイエース系がシェアNo.1!
バンコンのベース車両として圧倒的なシェアを占めているのが、「レジアスエース」を含むトヨタ「ハイエース」系だ。今回、180台強あった出展車両の内で約半数を占めていたのがバンコンだが、ハイエースはその半数以上という圧倒的なシェアを占めていた。
今回の展示では数は少なかったが、ハイエース以外にも、トヨタ「ライトエース バン/タウンエース バン」、日産「NV350キャラバン」、日産「NV200バネット」などが選ばれている。
バンコンのベース車両として選ばれることの多い車種。(左上)トヨタ「ハイエース」。(右上)トヨタ「ライトエース バン/タウンエース バン」。(左下)日産「NV350キャラバン」。(右下)日産「NV200バネット」。
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まずはシェアNo.1の「ハイエース」系から紹介!
「ハイエース」ベースのバンコン
ハイエースがバンコンのベース車として選ばれる理由としては、エンジンの出力に余裕があること、車内が広いこと、乗り心地がいいこと、積載量が多いこと、耐久性の高さなどが挙げられる。ハイエースのサイズはグレードで異なるが、最大で全長5380×全幅1880×全高2285mmだ。まさに、ファミリーなど多人数向けキャンピングカーを製作するのに向いた1台なのである。ハイエース自体の車両価格は214万2327円(税込)からとなっている。
今回はハイエースベースのバンコンが非常に多かったことから、比較的低価格の1台と、最高級クラスの1台をピックアップして紹介する。
FOCS(フォックス) Dsコンパクト/フジカーズジャパン
フジカーズジャパンの「FOCS Dsコンパクト」は338万円(税別)から。今回のバンコンの中では最も低価格の1台。標準装備は、給排水タンク各10L、カセット式コンロ、冷蔵庫(49L)、高断熱処理など。乗車定員は8人、就寝定員は3人。
FOCS Dsコンパクトの車内。展示車両は、さらにオプションとしてエアコン(デュアル)、FFヒーター、サイドオーニング、ベンチレーター、ソーラーパネル(155W)などを装備し、384万3900円(税別)となっている。
SevenStar PRECIOUS/ホワイトハウス
ハイエースベースのキャンピングカーとしては最高級の部類になるホワイトハウスの「SevenStar PRECIOUS」。車両価格は698万円(税別)から。電子レンジ、冷蔵庫(40L)、スライドテーブル、100Ahサブバッテリー×2など、標準装備が充実。乗車定員も就寝定員も4人。
SevenStar PRECIOUSの車内。まさに走るリビングといった趣。なおこの展示車両は内装のオプション装備は追加されておらず、アルミホイールやLEDヘッドライトなどクルマ自体の外装や機能のみ。そのため、展示車両の価格は716万7000円(税別)。
「ライトエース バン」ベースのバンコン
ハイエースベースのバンコンは取り回しがいいとはいっても、最大サイズのグレードともなると全長が5.4m、全幅も2m近くとなり、日常的な街乗りでは少々気を遣ってしまう。そこで、スペースを軽キャンパーより確保しつつも取り回しのよさでハイエースベース以上ということで、「ライトエース バン/タウンエース バン」が注目されつつある。ライトエース バンがベースだと、ハイエースベースと比べて車両価格を抑えられる点もメリットだ。
なお、ライトエース バンとタウンエース バンはデザインの一部とディーラーのチャネルが異なるだけの兄弟車で、サイズや性能は同一。サイズは全長4045×全幅1665×全高1900mmとなる。価格は180万8509円(税込)からだ。
カレントキャンパー ピコ/キャンピングカー広島
キャンピングカー広島の「カレントキャンパー ピコ」。車両価格は327万7000円(税別)。給排水タンク各10L、カセット式コンロ、シャワー(冷水)、冷蔵庫(14L)、遮光カーテン、サブバッテリー(105Ah)、ルーフテントメッシュ、2段式ルーフベッドなどを標準装備。乗車定員6人、就寝定員4人。
カレントキャンパー ピコの車内を後方から。オプション装備はポータブルトイレ、サイドオーニング(車体側面に展開できる巻き取り可能な日よけ)、ソーラーパネル(144W)など。展示車両の価格は331万8500円(税別)。
シュピーレン(1人掛けバタフライシート仕様)/フロット・モービル
フロット・モービルの「シュピーレン(1人掛けバタフライシート仕様)」。ライトエース バンベースのバンコンとしては低価格の部類となり、軽キャンパーの中にはもっと高額なものも複数ある。車両価格は267万4074円(税別)。標準装備を極力減らすことでこの価格を実現しているもよう。
シュピーレンの車内を側面から。比較的シンプルな作りとなっていることがわかる。展示車両のオプション装備はスライドドア網戸、遮光カーテン、後部中間棚、ルーフベンチレーターなど。展示車両の価格は297万9890円(税別)。
「NV350キャラバン」ベースのバンコン
日産「NV350キャラバン」も、ハイエース同様に車内スペースとエンジンの出力に余裕のある1台。サイズは最大で全長5230×全幅1880×全高2285mm。車両価格は213万7320円(税込)からで、ハイエースより安価だ。ただし、安価だからといってベース車両として選ばれるとは限らないようで、今回の展示車両に限った話をすれば、キャラバンベースのバンコンは数える程度だった。
クラフトキャンパー ジェニュイン/日産ピーズフィールドクラフト
日産ピーズフィールドクラフト「クラフトキャンパー ジェニュイン」。車両価格は422万4000円(税別)から。標準装備は給排水タンク各10L、カセットコンロ、冷蔵庫(40L)、着脱式テーブル、天井と側面の断熱処理、サブバッテリー(105Ah)など。乗車定員7人、就寝定員は大人2人、子ども2人。
クラフトキャンパー ジェニュインの車内を後方から。左側のスペースは、トイレや着替えスペース用の個室スペース。置いてある箱は、車載用ポータブルトイレ。展示車両の価格は455万4000円(税別)。
「NV200バネット」ベースのバンコン
日産のバン(ビジネスカー)タイプは車名が「NV+3桁数字」の組み合わせで始まり(EV車を除く)、3桁数字が車格を表す。NV200バネットはNV350キャラバンに次ぐサイズで、全長4400×全幅1695×全高1850mm。車両価格は173万4480円(税込)から。ハイエースやキャラバンよりも居住性を犠牲にしてでも、取り回しのよさを求める場合に、ライトエース バン/タウンエース バンなどとともに選択されるベース車だ。
NV JACK/タコス
タコスの新バンコン「NV JACK」。車両価格は347万円(税別)から。給排水タンク各10L、シャワー(冷水)、カセットコンロ、断熱効果があるアクリル製リアウィンドウなどを標準で備える。乗車定員5人、就寝定員は大人2人+子ども2人。
NV JACKの車内。展示車両はオプションとして、ポータブルトイレ、サイドオーニング、ポータブル発電機のほか、フロントシートが後方に180度向ける回転型シートに変更されている。展示車両は377万9000円(税別)。
バンコン編後編では、ベース車がレアなケースのバンコン、海外製バンコンなどを紹介する。
2017年7月20日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)
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