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クルマ最終更新日:2016.11.05 公開日:2016.11.05

メディア対抗「オートテスト」にJAF Mate編集部が参戦!

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出走前、上位入賞を確信(妄想?)し、俄然盛り上がる3人。

(撮影=奥隅圭之)

 9月2日、「第1回メディア対抗ロードスター・オートテスト」が筑波サーキットのジムカーナ場で開催された!

 筑波サーキット(茨城県下妻市)では、初代ロードスターが発売された1989年から、毎年「メディア対抗ロードスター耐久レース」が開催されており、今年は耐久レースに出場するチームから「オートテスト」への参加者を募り、レースの前日に開催された。

 我が『JAF Mate』チームは耐久レースには参加しないものの、特別枠で出場権利を得ることができたのだ。自動車専門誌のツワモノどもが集まるこの競技に殴り込みをかけた、『JAF Mate』精鋭チーム。どんな戦いを見せたのか?

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当日は16チーム、38名が参加。『CAR GRAPHIC』や『CARトップ』『ホリデーオート』など、老舗自動車雑誌が多数参戦。

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「オートテスト」とはどんなモータースポーツ?

“Bライ”や”ヘルメット”がなくても気軽に参加可能!

 そもそも「オートテスト」とは、どんな競技なのか? モータースポーツの規則がみっちり書かれた『JAFモータースポーツイヤーブック』によると、最大200m×200mの区画の中にパイロンでコースをつくり、走行タイムや運転の正確さを競うものだ。競技的にはジムカーナに似ているが、Bライセンスなどのモータースポーツライセンスがなくても出場できるところが大きな違い。モータースポーツの未経験者でも、日頃乗り慣れたマイカーで気軽に挑戦できる、誰でも楽しめる入門競技なのである。

 JAFスピード行事部会の田畑氏も「運転免許があれば、モータースポーツライセンスやヘルメット、グローブは必要なく、車種も問わない」と気軽に参加できる点を強調した。

 モータースポーツの中では比較的経費がかからず参加しやすい「ジムカーナ」ですら、ヘルメットやグローブは最低限必要だし、さすがに普通のファミリーカーでは参加しづらいが、「オートテスト」なら、いつも使っている車、普段着でもそのままで出場できる。

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(左)審査委員の橋本弘氏(ブレインズモータースポーツクラブ)。「オートテストは費用がかからず、家族で楽しめます」と魅力を語った。
(右)日本自動車連盟(JAF)スピード行事部会・田畑邦博氏は「英国から昨年春に導入して日本流にアレンジし、全国各地で開催されています」と話した。「運転免許があれば、モータースポーツライセンスやヘルメットは必要なく、車種も問わない」と気軽に参加できる点を強調した。

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今回のオートテストはどんなルール?

盛り上がる3人! 上位入賞は確実だ!?

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競技参加前の受付。免許を提示し、参加者の名前を確認。

 今回はメディア対抗耐久レースと同じで、車両はマツダがロードスターを用意してくれた。ミッションはマニュアルだけでなくオートマもあったが、基本同じ車種、つまりイコールコンディションである。

 相手は自動車専門誌の編集部員やモータージャーナリストではあるものの、車は同じだし、コースは狭いので速度も乗らない。バックもあって、速さだけでなく、運転の正確さを競う競技である。

 「自分たちでもけっこう行けるよ」「優勝は無理でも上位入賞はできるかもよ」と、俄然盛り上がる3人なのだった。

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マツダが用意してくれたロードスターで勝負。MTとATと両方ともあるが、基本的にはワンメイクだ。

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オートテストで最初にすることは?

まず”慣熟歩行”でコースを覚える

 今回のオートテストのコースは下図のとおり。一辺が100mほどのスペースに17本のパイロンを立ててコースが設定された。

 ジムカーナと同じで、まずはコースを覚えるため、”慣熟歩行”を行う。慣熟歩行とは、簡単に言うと「コースの下見」。実際のコースを歩いて回り、コースの回り方やパイロンの間隔などを確かめるもので、ジムカーナでは基本中の基本である。

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コース図。スタート後に大きく左カーブし、7番パイロンを外側から回り込み、スラローム後に11・12番パイロンで停止。90度バックしてからコースを戻るように右に大きくカーブしながらSTOPラインでゴール。

 我々3人も他の参加者とともにコースを歩いて、「ここは2速だな」とか「このパイロン辺りでブレーキングかな?」と、コースを覚えながら作戦を立てていった。

 実は、その様子を私はビデオカメラで撮影していたのだが、それがいけなかった。慣熟歩行の大切さを、競技中に嫌と言うほど味わうことになろうとは、そのときは露とも思わなかったのである…!

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コースを覚えるための「慣熟歩行」。コースを実際に歩き、パイロンの位置やカーブの曲がり具合を確認する。

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遂に熱戦がスタート! はたしてJAF Mateチームは!?

いよいよ競技がスタート! 迫り来る順番!!

 10分間の慣熟歩行が終了し、いよいよ競技が開始。各チームの第1ドライバーから出走し、第1ドライバーすべてが走り終えてから、第2ドライバー、第3ドライバーが出走する。

 我々は16チーム中の出走順が最後のほうだったため、他のチームの走りを見ながら出番を待った。他の参加者の速度やライン取り、ミスしやすい箇所などを見ることができるのはよかったが、競技が始まると実況や歓声で盛り上がり、プレッシャーも高まってくる。

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黄旗は「パイロン移動、転倒、脱輪」を、黒旗は「ミスコース」を、赤旗は「危険あり。直ちに停止せよ」を意味する。

第1副編S・第2Tと順調な滑り出し!

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我がチームのトップバッターは副編S! 若干ばたついたが、54秒で走った。

 そして、遂に我がチームの第1ドライバーの出走順番が来た!

 第1ドライバーの副編Sは、初めて乗る新型ロードスターのクラッチのミートを確かめながらスタート地点に進み、旗が振られるのと同時にアクセルを踏み込む。初めて走るコースでかなりバタバタだったものの、大きなミスもなく無事に完走。タイムは54秒だった。

第1ドライバー副編Sのアタックの模様。動画の再生時間は1分16秒。

 次の第2ドライバーのTは、仕事中には見たことがない(笑)真剣な顔でコースを攻め、副編Sのタイムを若干上回る51秒台を叩き出した!

第2ドライバーTの走り。こんな真剣な顔付きは、仕事中には滅多に見られない? 動画の再生時間は1分2秒。

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そしていよいよ第3ドライバーの筆者Mの出番!

スタートしたとたん、頭の中は真っ白に!

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第3ドライバーMのスタート直後。1速から2速にシフトし、スムーズに加速。

 そして、遂に出番。第3ドライバーのM(筆者)の登場である。

 速い人だと40秒を切る人もいたため、「ここで目にもの見せてやる!」と意気込んでスタートしたものの、気持ちばかりが先走り、アクセルを踏み込み過ぎてしまった。

 結果、オーバースピードになり、すっかり舞い上がり、頭の中は真っ白。最初のパイロンは外側から回るところを勘違いし、思いっきり減速して内側から回ってしまった。「何とか曲がり切れた」とホッとした私に、助手席のTから「Mさん、ミスコース! 黒旗出てます」の声が。

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ミスコースを取り戻そうとして頑張り過ぎ、ラインが膨らむ。

ミスコースしても戻って走り直せばOK!

 ミスコースと聞いてさらに動揺したが、今回のルールではミスコースをしても、ミスコースしたところまで戻って走り直せば、時間はかかっても、ペナルティはかからないルールだった。

 そこで気を取り直して、戻って再度コースを回り始めたが、今度はバックの際にギヤがなかなか入らず、さらにタイムロス。

 ダメ押しで最後にまたミスコースをして、爆笑と失笑の入り混じる中、ようやくゴールしたのであった。

 ペナルティこそ取られなかったものの、2回のミスコースがたたり、なんと72秒もかかってしまったのである!

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ゴール前でまたミスコースをやらかしてしまう。

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はたして結果は!? 第2回にも参戦予定?

16チーム中、14位! 雪辱を誓った3人

 結局、筆者が2人の足を引っ張ってしまい、参加16チーム中、14位に終わった。

今回の敗因を冷静に考えると、本番に強くないうえ、失敗した際に慌ててしまったのが大きな敗因だったが、慣熟歩行をしっかり行わなかった点も大きかった。コースをしっかり頭に叩き込んでイメージトレーニングを行っていれば、もっと冷静にコースを走れたと、反省することしきりである。

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「女性ジャーナリスト連盟」の藤島知子さんの走り。”藤とも”の愛称で人気の女性モータージャーナリスト。元レースクィーン、元レーシングドライバーの肩書きも。

難しそうに見えたかも知れないが簡単!

 結果だけ見ると、「オートテストはけっこう難しいのでは?」と思われそうだが、競技自体は特に難しくなく、誰でも気軽に参加できるものだ。

 今回、すべてのコーナーをドリフトしながら走り抜ける、腕利きの参加者やサーキットインプレッションなどで有名なモータージャーナリストもいたが、必ずしもそんなテクニシャンばかりが上位を占めたわけではない。ちょっとタイヤが鳴るくらいの地味な走り方がミスやムダのないスムーズな走りにつながり、結果的に上位に入っていたのである。

 しかもオートテストは比較的狭いスペースで行うため、必ずしもパワーのある車が有利とも言えず、扱いやすい小型車が大排気量のスポーツカーを食ってしまう可能性は大いにあるのも面白い点だ。

 競技の終了後、「コツがつかめた」「もう1回やりたい」「車に慣れていれば、もっと違ったはず」と、我々3人は口々に話したが、これは決して負け惜しみではなく、本当にそう感じたからである。

 今回は自動車専門誌のツワモノたちに歯が立たなかったが、上位入賞は決して不可能ではない感触をつかみ、雪辱を誓う3人だった。

 そして最後に、女性ジャーナリスト連盟として参加したお2人にも感想を聞いてみた。

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(左)「女性ジャーナリスト連盟」の藤島知子さん
自分の車で長袖・長ズボンならOKという、気軽に参加できる点がいいですね。モータースポーツの楽しさって、車と一体感をもって手足のようにコントロールするところにありますが、これくらいの広場でも十分その楽しさが感じられましたね。また、安全運転にもつながると思います。
(右)「女性ジャーナリスト連盟」の竹岡圭さん
意外とパイロンが見えなかったりして焦りましたが、ジムカーナよりコースは複雑ではないので手軽にできます。バックギヤが入りづらそうだったから、私はオートマを選んで正解でした。レーシングドライバーの中にはバックが苦手な人が多いから、腕の立つ人とも同じ土俵で戦えそうなところも面白いですね。

2016年11月5日(JAFメディアワークス IT Media部 松井 竜太)
撮影=奥隅圭之

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外部リンク

オートテスト開催予定(JAF モータースポーツ内)

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