クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

Cars

最終更新日:2022.01.07 公開日:2022.01.07

日産はサファリラリーで強かった! 240Z、バイオレットPA10を激写。トヨタ博物館「激走!!2.5次元 ヴゥオオーン!! WRC」

愛知県長久手市のトヨタ博物館で、2022年4月17日まで開催中の企画展「激走!!2.5次元 ヴゥオオーン!! - WRC 日本車挑戦の軌跡」に展示されている日産車の240ZとバイオレットPA10を激写。日産の1970~80年代のラリー活動も紹介。

記事の画像ギャラリーを見る

満身創痍でのゴール。その姿がそのまま保存されていた

左フロントフェンダーは跡形もなく、ヘッドライトはワイヤーで括りつけられた状態の240Z

左フロントフェンダーは跡形もなく、ヘッドライトはワイヤーで括りつけられた状態の240Z 写真=小林祐史

 愛知県長久手市にあるトヨタ博物館は、20211030日から2022417日まで、企画展「激走!!2.5次元 ヴゥオオーン!! – WRC 日本車挑戦の軌跡」を開催している。同展は、公道で競技が行われるFIA世界ラリー選手権(WRC)で活躍した、日本のラリーカーを展示するものだ。同展で展示中の日産車を紹介する。

 日産は1962年から海外ラリーに参戦しており、1960年代後半にはフォードやランチア、ポルシェ、オペル、アルピーヌ、サーブなどの欧州メーカーと肩を並べる強豪までに成長していた。そして1973年から始まったWRCで初めて優勝した日本車は240Zだった。日産はWRC制定以前の19711972年の東アフリカ・サファリラリーで連勝していたが、欧州車との攻防は年々と増していた。

 特に1972年はフォードが、3機のプロペラ機でラリーコースを監視し、100名以上のスタッフで数十台のサービスカーを運用するという大攻勢に出た。それにより例年以上にハイスピード化が進み、フォードが日産から優勝を奪い取った。

 そしてWRCが制定された1973年のサファリラリーでは、再び日産とフォードが死闘を繰り広げた。その時の優勝車がこの240Zで、当時ゴールした時の姿のままで現在まで保存されている。その姿は前後フェンダー、ドアなどの外装パネルが激しく損傷し、まさに満身創痍の状態。1973年のサファリラリーが、いかに険しかったかを物語っている。

当時の東アフリカ・サファリラリーでの240Z。左フェンダーや一部の補助ライトなどが失われている状態だ

当時の東アフリカ・サファリラリーでの240Z。左フェンダーや、補助ライトの一部などが失われている状態だ 写真=日産

ダットサン240Z
1973年東アフリカ・サファリラリー総合優勝車 諸元
年式:1973
型式:HLS30
全長:4115mm
全幅:1630mm
全高:1305mm
ホイールベース:2305mm
トレッド(前/)1355/1345mm
車両重量:1100kg
エンジン:LR24 (6OHC) 2497cc
最高出力:162kW(220ps)/6800rpm
最大トルク:250Nm(25.5kgm)/5200rpm
サスペンション(前/):ストラット/ストラット(独立)
ブレーキ(前/):ベンチレーテッドディスク/ドラム(アルミフィン付)
タイヤ:FR70-14 PW81
ドライバー/コドライバー:S.メタ/L.ドリューズ


次ページは
1982
年サファリラリー優勝車
バイオレットPA10を紹介

サファリラリー4連覇の偉業を達成したバイオレット

サファリラリー4連覇を記録したバイオレットPA10

サファリラリー4連覇を記録したバイオレットPA10 写真=小林祐史

 240ZでWRCにおける地位を確立した日産だが、排ガス対策のため1972年から海外ラリーでのワークス活動が控えられた。日産は表立ったワークス活動を1979年まで休止していたが、その間も現地法人や輸入代理店などを通じてラリーカーの開発を続けていた。

 そして排ガス対策に目途がつくと、1979年サファリラリーから本格的なワークス活動をバイオレットPA10で再開した。このバイオレットPA10は、ワークス活動が休止中だった1978年シーズンから開発をしていた車両で、1979年のサファリラリーでの戦闘力は、すでに高いレベルで仕上がっていた。さらにドライバーは1972年東アフリカ・サファリラリーで優勝したS・メタという布陣。これで1979年サファリラリーを優勝した。以後のバイオレットとメタのコンビネーションは、サファリラリーで絶対的な力を発揮し1982年までの4連覇を果たす。

 バイオレットPA10は多くの好成績を残したが、1982年からWRCの車両レギュレーションが従来のグループ4から、プロタイプ車両のようなマシンでも参戦できるグループBへと移行したため、日産は車両を240RS(シルビア)へ変更してWRCへの参戦を継続した。

当時のサファリラリーを走るバイオレットPA10

当時のサファリラリーを走るバイオレットPA10 写真=日産

バイオレットPA10
1982年サファリラリー総合優勝車 諸元

年式:1982
型式:PA10
全長:4080mm
全幅:1600mm
全高:1390mm
ホイールベース:2400mm
トレッド(前/)1335/1330mm
車両重量:1080kg
エンジン:LZ20B (44バルブ DOHC) 1975cc
最高出力:169kW(230ps)/7200rpm
最大トルク:245Nm(25.0kgm)/5200rpm
サスペンション(前/):ストラット/5リンクコイル
ブレーキ(前/):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ:185/70SR14 / 195/70SR14( SP52R)
ドライバー/コドライバー:S.メタ/M.ダゥディ


240Z、バイオレットPA10の詳細な写真は
下記の「この記事の写真を見る」をクリック

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(10月31日まで)
応募はこちら!(10月31日まで)