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最終更新日:2018.12.18 公開日:2018.12.18

戦闘機型バイク「パルス」に軽「カウンタック」!?【お台場旧車天国2018(5)】

日本中から2輪・4輪の旧車約700台が集合した、国内最大級の旧車イベント「お台場旧車天国」。 リポート第5弾として、思わず目が点、絶句ものの強烈なインパクトを持ったバイクとクルマを紹介する。

 11月18日に開催された国内最大級の旧車イベント「お台場旧車天国」。懐かしの大衆車に始まり、スーパーカー、クラシックカー、幻の名車、改造車、さらには珍車に迷車(?)まで、日本中から2輪・4輪の旧車約700台が集合した。

 そのリポート第5弾は、思わず目が点になるような強烈なバイク&クルマを紹介する。

【お台場旧車天国2018レポート一覧】

第1弾:これらを見たら運気が上がる!? バブルカーや黎明期の軽4輪など、マニアも驚くクルマをピックアップ!
第2弾:「ミゼット」や「ホープスター」など、3輪車を集めてみた!
第3弾:ウルトラ警備隊の「ポインター」に、公道走行可能な機関車「K-100」など!! あのドラマのクルマを集めてみた
第4弾:第2次大戦やベトナム戦争時代の軍用車両のゴツさと、日米警察車両のレプリカ車の熱いこだわり!

乗るのはライダーじゃなくてパイロット!? 「パルス(PULSE)」

まるで空に飛び立ちそうな外見をした「パルス」1988年式。大排気量の1522ccエンジンに換装したことから、最高速度は時速225km以上を出せる。現在日本では展示車両のほか、九州自動車博物館に1台、名古屋や沖縄に1台ずつ、計4台が現存しているという。本国米国ではクラブが結成されており、数10台がまだ走っているという。

 初期の約40台は「ライトスター」の名称で呼ばれた、戦闘機風の外装をまとった米ミシガン州のOMCC社が開発したバイク。1985~90年に製造され、「パルス」としては350台ほどが製造された。 あまりにもロングホイールベースのため、操縦席を挟んで主翼の下には補助輪が用意されている。ステアリングはバー型ではなく、旅客機などでお馴染みのツインスティック型でまさに操縦桿。バイク型のシートにまたがるのではなくてクルマ型のシートに座るので、キャノピーを閉じると航空機に乗っているのではないかと錯覚するほどだったという。

 250ccタイプ(当時5395ドル)と400ccタイプ(当時6995ドル)が販売されていたが、この「パルス」はさまざまな改造がなされており、まずエンジンそのものがホンダ「ゴールドウイングGL1500(SC22型)」の1522ccのものに換装されている。また後進も可能にしてあり、さらにスズキ「アルト」用のユニットを流用してクーラーも備えている。

「パルス」を後方から。キッズが大喜びしそうな、完全に戦闘機スタイルのデザイン。ナンバーがあることからわかるように、公道を自走可能。

思わずバイクであることを忘れてしまうコックピット。ステアリングは、さすがに戦闘機のようなジョイスティック型ではないが、ジェット旅客機や小型民間機などでお馴染みのツインスティック型。

大型車に牽引車を取り付けて4人乗りに!「ハーレー自動三輪車風」

 貨客兼用の牽引車を取り付けて、なんと4人乗りにしてしまったという世界に1台しかない(であろう)強烈なインパクトのカスタムバイク「ハーレー自動三輪車風」。ベースは、ハーレーダビッドソン「ツーリング FLHTC エレクトラグライド ウルトラ クラシック」だ。ポイントはオーナーが自動三輪車の思い出を投影した点で、まずエンジンが空冷。そしてウインカーも注目。街中ではもはや見かけることのない「方向指示器」があえて使われている。

「ハーレー自動三輪車風」。サイドミラーの下にあるのが方向指示器。そこから真横に棒が出て、右左折する際の合図をする。

「ハーレー自動三輪車風」を別角度から。荷台には電動ウインチが備えられており、重量物も搭載可能。牽引車前部に向き合う形でふたり分のシートが備えられている。進行方向に対して横向きだから、乗るのに少し慣れが必要だろう。

360ccの「カウンタック」!? いや、「サンバルギーニ・コ・カウンタック LP360」!

 ランボルギーニ「カウンタック」かと思いきや、どうも小さい。軽自動車「サンバルギーニ・コ・カウンタック LP360」は、スバルの軽トラック3代目「サンバー トラック(K71型)」1974年式をベースに、原型をとどめないほどの大改造を施した1台だ。注目度バツグンで、一般展示エリアでの出展だったが、来場者たちに常に囲まれて撮影されていた。

「サンバルギーニ・コ・カウンタック LP360」。ランプも本家「カウンタック」の通りにリトラクタブル方式が採用されている。どこからどう見ても、スバル「サンバー」がベースとは思えない。

スバルが公式出展し、多数のオーナーも参加した「スバル天国」エリアに展示されていた初代「サンバー トラック」1965年式。「サンバルギーニ・コ・カウンタック LP360」のベースとなった1974年式「K71」型は1973年に登場した3代目で、キャッチコピーは「剛力サンバー」だった。

「サンバルギーニ・コ・カウンタック LP360」のコックピット。シングルシーターである。サイドブレーキやシフトレバーは右ドア側に取り付けられているため、乗り降りは左側からしかできないと思われる。

「サンバルギーニ・コ・カウンタック LP360」は、ベースとなった「サンバー」の360ccエンジンを搭載。3代目K71型に搭載されていたのは、2サイクル直列2気筒水冷エンジン「EK34型」。

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未来派にデコトラに○○○○○まで!

イタルデザインが手がけた未来派すぎる1台!アウディ「アズテック」

アウディ「アズテック」。今回の出展では運転席がオープン仕様で、一方の助手席はガルウイングのクローズド仕様。どちらもオープンにもクローズドにもできる仕組みを搭載している。

 アウディ「アズテック」は、世界的な知名度を持つイタリア人インダストリアルデザイナーのジョルジェット・ジウジアーロと、彼が創設したイタルデザインが手がけた。1989年のトリノ・ショーでコンセプトカーとして発表された後、実際に市販化。ただし、車両価格が当時としては桁違いの約1億円だったことなどもあり、生産台数は30台弱にとどまった。

 「アズテック」は駆動方式として4WDを採用しており、エンジンはアウディ「クワトロ」に搭載されていた直列5気筒エンジンをミッドシップに搭載している。最大の特徴は、運転席と助手席が独立しているダブルキャノピー型を採用したことだろう。なんと、乗員同士は付属のマイク付きヘッドフォンで会話を行う仕組みとなっている。

「アズテック」を後方から。リアウイングはカーボン製。「AZTEC(アズテック)」とは、英語で”アステカ”のこと。

運転席。オープンモードはウインドシールドがついており、1960年代のシングルシーター・レーシングカーのコックピットのようなデザイン。ただし、それが横にふたつ並ぶので少し窮屈な感じも。

助手席にも一見するとステアリングがあるように見えるが、そういうデザインのコンソール。

映画「トラック野郎」シリーズに出演した「一番星号」

 「一番星号」は、星桃次郎(演:菅原文太)が活躍する東映の映画「トラック野郎」シリーズのため、三菱ふそう「FU113S」1975年式をベース製作された実車。シリーズ全10作中の2作目以降の作品で撮影で使われ、実際に菅原文太がステアリングを握ったという。シリーズが終了した後は個人のトラッカーに引き取られて実際に業務で使用されたが、後に一度廃車となった。その後、現在同車を所有する全国哥麿会がレストア中で現在に至る。

実際に運転席に座ることができることから、長蛇の列をなしていた「一番星号」。デコトラは日本独特の文化だろう。

「一番越し号」の隣に展示されていたのは、日野「ZM」1977年式をベースに長い時間をかけてデコトラとしてアートアップした「第三夜桜丸」だ。

みんなの食卓を支えてきたヰセキのトラクター!「TB-17」

 最後は、一般展示エリア中で異色の1台として目を引いていた、ヰセキのトラクター「TB-17」1965年式。詳しいスペックなどは不明だが、映画「フラガール」に出演した1台だという。ちなみに実際に走行可能で、会場をゆっくりと走行する様子も見かけた。

どこかのヒーローの顔のようなフロントフェイスが特徴的なヰセキ「TB-17」。

2018年12月14日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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