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公開日:2026.05.25

これが新しいアルピナだ!「ビジョンBMWアルピナ」が初公開、市販モデルのデビューはどうなる?

ビジョンBMWアルピナ|Vision BMW Alpina

5月15〜17日に、イタリア・コモ湖畔のチェルノッビオで開催された世界最高峰のクラシックカーおよびコンセプトカーの祭典「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」において、BMWグループはBMWアルピナの新章を告げるデザインスタディ「ビジョンBMWアルピナ」を世界初公開した。

ビジョンBMWアルピナ|Vision BMW Alpina

文=細田

写真=BMW

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アルピナの新章を告げるデザインスタディ

2025年をもって、BMWアルピナブランドがそれまでのアルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン社からBMWグループに移管されたのはご存知のとおり。2026年からはBMWグループ内のエクスクルーシブブランドとして新たなスタートを切った。BMWグループはアルピナを愛する人々にとっての意味を深く理解し、アルピナの本質をこれからの製品へと誠実に受け継いでいくという明確な責務を負う。

このたび初公開された「ビジョンBMWアルピナ」は、極めて高い能力と洗練さ、そしてパフォーマンスと快適性の両立を極めてきたブランドの新章を告げるデザインスタディ。ブランドのヘリテージを敬意をもって受け継ぎながら、最先端の創造性で形作られている。

BMWグループのデザイン責任者であるエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏はこのように語っている。

「アルピナは常に、“性能と洗練さ”という非常に明確な考え方を体現してきました。そこでは、スピードと快適性は相反するものではなく、互いを高め合う志です。私たちがこのブランドの新たな担い手として果たす役割は、その独自性を守りつつ、現代の文脈にふさわしい形へと磨き上げていくことです。ビジョンBMWアルピナは、これらの資質を節度とモダニティをもって表現できることを示し、ブランドを未来へと導く私たちの方向性を示唆しています」

全長5200mmの堂々たる体躯はワイドで低く、そして自信に満ちた佇まい。クーペのルーフラインは長く、なだらかに傾斜し、そのシルエットはスピードと4名の大人が快適さを充分に享受できる包容力を同時に示す。V8パワートレインはアルピナらしいエキゾーストサウンドを奏でるように調律され、低回転速では豊かで深く、高回転域では伸びやかに響く。

BMWデザインにおいてミドルサイズ&ラグジュアリークラス、そしてBMWアルピナを統括するマキシミリアン・ミッソーニ氏は次のように語る。

「ビジョンBMWアルピナでは、ブランドを構成するすべての要素を本質まで凝縮し、極めてモダンで洗練された形に適用しました。あらゆるディテールが“確かさ”を物語ります。エンジニアリング、素材、そして語りかけるストーリーにおいて、主張は控えめで、近づいて初めて見えてきます。その“純度”と“豊かさ”の相互利用こそが、私たちのBMWアルピナデザインのアプローチを定義しています」

ビジョンBMWアルピナ|Vision BMW Alpina

ビジョンBMWアルピナ|Vision BMW Alpina

フロントは力強いボリュームと前掲したスタンスによって定義され、過度に誇張することなくスピードを予感させる。「アルピナB7」に遡るシグネチャーである“シャークノーズ”は、BMWのキドニーグリルを3次元的な彫刻として再解釈し、車体の造形を先導するとともに、静かな自信をもってブランドエンブレムを包み込む。

このシャークノーズを起点に、エクステリアは単一の視覚的な軸である“スピードフィーチャーライン”を中心に構成。フロント下部コーナーから6度の角度で立ち上がり、ボディサイドに沿って伸び、リヤへと回り込むこのラインは、動きを想起させるだけの主張を備えつつ洗練さを損なわない統制が保たれている。

控え目なディテールは、強く訴えかけることなく注意深く注がれた視線にだけ報いる——この「Second Read」の原則が、ビジョンBMWアルピナ全体に貫かれている。

デコラインは1974年以来、アルピナの意匠言語の一部である。ビジョンBMWアルピナでは、このデコラインを現代的に再構築し、本質へと削ぎ落としてクリアコートの下にペイント。ブランドを象徴するディテールが、次の時代に向けてどのように適応し得るかを示す、静かなジェスチャーとなっている。

内側へと折り返す面はとりわけ丁寧に扱われ、近づくほどに魅力が増すファークメタリックのトーンで仕上げられている。この考え方は、キドニーグリルの内側にのみクロームを用いた「BMW 507」から着想を得たものだ。

シャークノーズにも同じ「Second Read」の洗練さが宿る。内側の面には綿密にスケールされたシグネチャーのデコライングラフィックを配し、外周のやわらかなバックライトは作動時にのみ浮かび上がる。

デイタイムランニングライトは温かみのあるホワイトの光色で、キドニー周囲の輪郭をなぞる。これはバイエルン・アルプスに差し込む最初の光に着想を得たもの。細身のランプ内部には、シャープなアクセントとして、精緻にカットされたイルミネーテッドクリスタルが配されている。

楕円形の4本出しエキゾーストエンドは健在で、「ALPINA」のレタリングは下部フロントエプロンに機械加工とポリッシュを施したメタルエレメントとして再解釈されている。フロント22インチ/リヤ23インチのホイールは、1971年以来アルピナの定番である20スポークデザインだ。

ビジョンBMWアルピナ|Vision BMW Alpina

ビジョンBMWアルピナ|Vision BMW Alpina

キャビンは、空間、素材の質、そしてテクノロジー統合の丁寧さというあらゆる面で豊かさを備えている。レイアウトは建築的なボリュームで構成され、各要素は均質な内装に溶け込ませるのではなく、独立した造形として設計。6度のスピードフィーチャーラインはインテリアにも連続し、ダークトーンの上部セグメントと、明るい下部セグメントを分けている。アルプス地域の生産者から調達したフルフレインレザーには、デコラインに着想を得たステッチが組み合わされている。

クラフトのディテールは、抑制的でありながら緻密に吟味されている。ヘリテージのブルーとグリーンを用いたブリッジステッチは、歴史的なステアリングホイールの手縫いから着想を得て控え目に配され、金属部品には時計製造を思わせる面取り技法を採用し、サテンとポリッシュの仕上げを組み合わせた。精緻にカットされたクリスタルは、クルマの走りを形作る操作系にのみ用いられ、BMWアルピナが運転体験そのものを重視していることを際立たせている。

リヤコンソールの背後にはガラス製のウォーターボトルが備わり、BMWアルピナのクリスタルグラスが自動で展開する仕組みとなっている。それぞれのグラスには20本のデコラインが刻まれ、リムには6度のプロファイルが与えられている。グラスは隠しマグネットで保持され、オープンポアのセンターコンソールに柔らかく照らし出される。

 

BMWアルピナ最初の市販モデルは2027年に発表

ビジョンBMWアルピナ|Vision BMW Alpina

ビジョンBMWアルピナ|Vision BMW Alpina

アルピナの創業者ブルカルト・ボーフェンジーペンは、多くの自動車業界が忘れかけていたことを理解していた。それは、快適なドライバーは、より速いドライバーであるということである。この信念はビジョンBMWアルピナの中核に今も息づいている。アルピナは標準のBMWコンフォート設定を超える「Comfort+」を用意し、よりしなやかで洗練されたキャラクターを実現する。そしてその考えはこのモデルにも継承されている。

新しい助手席用スクリーンを含む「BMWパノラミックiDrive」は、ダッシュボード全体に広がり、BMWアルピナのために特別に仕立てたデジタルUI(ユーザーインターフェース)言語で構成。ヘリテージのブルーとグリーンは、節度を持って導入され、「BMWパノラミックビジョン」のヘッドアップディスプレイ内で、「Comfort+」から「Speed」モードへ移行するにつれて強度が増している。背景イメージも同様に入念だ。描かれるアルプスの風景は、従来アルピナが拠点としていたドイツ・バイエルン州ブッフローエから南を望んだ際に見える山並みを精密に再現している。

BMWアルピナの責任者であるオリバー・フィーレヒナ氏は、今後についてこのように述べた。

「BMWアルピナは、BMWとロールス・ロイスの間に位置するポートフォリオの空白を埋め、高級セグメントにおけるさらなる可能性をひらきます。アルピナには、強固なレガシーと世界的なコミュニティがあり、私たちはそれを礎にブランドが体現する本質、つまりスピードや快適性、そして洗練さを守りながら発展させていきます」

2027年には、BMW 7シリーズに着想を得ながらも、紛れもなくBMWアルピナである最初の市販モデルが発表される見通しだ。

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