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最終更新日:2016.06.14 公開日:2016.06.14

新型NSX、第100回パイクスピークに参戦

画像1。パイクスピーク2016年大会に参戦する、2台の新型NSX。

 モンスター田嶋などの日本人選手や日本車の活躍、そして大型で迫力のあるエアロパーツ装着車などで、近年は国内のモータースポーツファンの間でも注目度が増している、米国のヒルクライム競技「パイクスピーク」。

 世界で最も有名なヒルクライム競技会といわれる同大会は2016年で100周年を迎え(米国ではインディ500に次ぐ歴史を有する)、その記念すべき大会に2台の新型NSX(米国では「2017 ACURA NSX」と呼ばれる)が参戦することが、米国ホンダから6月9日に発表された。

 米国ホンダの技術部門による「ノース・アメリカン・レーシング」からの参戦となり、クラスはクラスは2輪・4輪ともにさまざまなものがあるが、その中の「Electric Modified」だ(今回の参戦はテスト・データ収集の意味合いもある)。NSX開発に携わるジェームズとニックのロビンソン兄弟がドライブする。

全長約20km・ゴール地点は標高4302m!

 大会のスケジュールは現地時間の6月18日土曜日からスタートし、1週間強かけて行われる。週中の22~24日が予選日で、25日土曜日はセットアップデイ、そして26日日曜日が決勝、レースデイだ。

 競技内容を簡単に説明すると、156のコーナーがある全長12.42マイル(約20km)のコースを駆け上がり、クラス別にそのタイムを競うというもの(画像2)。世界でも屈指の高地で行われるモータースポーツであり、スタート地点からして9390フィート(約2862m)もあり、なんとゴール地点は1万4115フィート(約4302m)に達する。

 最大の登り勾配は10.5%、下り勾配も10%で、平均勾配は登り7%という具合。コースレイアウトのPDFは同競技会オフィシャルサイトからダウンロード可能だ。

画像2。パイクスピークのコース図。下にスタート地点が、上にゴール地点がある。

 コースの約4分の3の時点ですでに富士山の山頂よりも高いため、非常に空気が薄い中を攻めることになる。内燃機関にとって必須の酸素が薄いため、パワーを出しにくい苛酷な環境というわけだ。またスタート地点とゴール地点での高低差も1440mと激しいため、マシンセッティングもこれまた非常に難しい。

 コースの特徴として低速コーナーからの脱出でトルクが求められることから、実は酸素の薄さに影響を受けない上にトルクのあるモーターを搭載したEV車や、影響が少なくなるハイブリッド車が有利だ。今回の新型NSXもハイブリッド車であることから、好成績が期待される。

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参戦する新型NSXのポイントを紹介!

新型NSXの実力は!?

1号車「Time Attack 1」。Time Attack 1クラスに参戦。

 その新型NSXだが、アルミニウムや超高強度鋼板、カーボンファイバーなどを結合させた複合素材製の軽量ボディーに、直噴V型6気筒ツインターボエンジンをミッドシップで配置。

 その上に、高効率・高出力を兼ね備えた3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD(Super Handling-All Wheel Drive)」を9速デュアル・クラッチ・トランスミッションと共に搭載したパワートレインとなっている。最高速度は米国仕様で時速307kmだという。

 さらに、エンジンによる後輪駆動に加えて、二つの独立したツインモーターユニットによる前2輪の左右独立した駆動を行え、要は4輪の駆動力を電動で制御するシステムとなっている。しかも、プラスだけでなくマイナスの駆動力も制御する高度なトルクペダリングを実現しており、ライントレース能力が 高い点が特徴だ。

NSX1号車が軽量化などが行われて2号車はノーマル

 なお今回参戦するNSXは、ジェームズが「Time Attack 1(TA1)」と命名された1号車を、ニックが「Time Attack 2(TA2)」の2号車(下の画像)をドライブする予定だ。TA1は車体の軽量化とハイフローのレーシング用エキゾースト(同エキゾーストはTA2にも装備)に変更されており、TA2は基本市販車で、モータースポーツ用の安全基準を満たしたプロダクションカー仕様だ。

 その名称のとおり、TA1はTime Attack 1クラスに、TA2はプロダクションカー用のTime Attack 2クラスに参戦する。なお、ジェームズは2012年から2015年まで、初代NSXでパイクスピークに参戦している。またロビンソンは2015年のバイク部門のPP250クラスの優勝者だ。

2号車「Time Attack 2」。プロダクションカー用のTime Attack 2クラスに参戦。

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新型NSX市販車の現状は?

新型NSXの市販車は米国で1号車を納車

NSX1号車の納車の様子。

 その新型NSXだが、米国では量産がすでに始まっており、第1号車(車台番号1番)は米アリゾナ州に本拠地を置くカー・コレクター向けのオークションのBarrett-Jacksonにおいて、120万米ドルでリック・ヘンドリック氏が落札(落札額は2つのチャリティー団体に寄付された)。すでに納車されている。

 日本国内では2016年中の発売といわれており、正確な発売時期や車両価格、日本国内でのモータースポーツへの参戦などはまだ正式に発表されていない。参考までに米国でのメーカー希望小売価格はどれぐらいかというと、工場装着オプションを含めて15万6000~20万5700米ドルとなっている。

 新型NSXのパイクスピークでの活躍を期待したい。

2016年6月14日(JAF MATE社 IT Media部 日高 保)

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外部リンク

パイクスピーク公式サイト
パイクスピークコースレイアウト(PDF)

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