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最終更新日:2025.02.25 公開日:2025.02.27

幻の「首都高速2号目黒線延伸計画」とは? 第三京浜との接続は実現するのか。【いま気になる道路計画】

地域高規格道路の候補路線である「2号延伸」。この道路計画は首都高速2号目黒線を延伸して第三京浜と接続するというもの。都心と横浜を結ぶ新たなルートになるこの計画が実現すれば、非常に便利な路線となりそうだ。はたして、事業はどこまで進んでいるのだろうか。

文=KURU KURA編集部

資料=首都高速、東京都

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目黒線が中央環状線で途切れている謎。

首都高の目黒線と第三京浜を接続する「高速2号目黒線延伸計画」とは? 画像:(c) WAWA/Caito – stock.adobe.com

首都高速2号目黒線は、都心環状線(C1)の「一ノ橋JCT」から分岐し、国道1号(第二京浜)の「戸越出入口」までの区間を結ぶ、東京オリンピック直後の1967年に開通した路線だ。当時の日本は高速道路の建設ラッシュ時で、1971年に3号渋谷線と東名高速が接続したことを皮切りに、1976年に4号新宿線と中央道が、1985年に6号三郷線と常磐道が、そして1987年に川口線と東北道が接続した。

ここで「2号目黒線はどの高速道路と接続していたっけ?」という声も聞こえてきそうだが、実は都心環状線(C1)と接続するだけで、途中、五反田付近の山手通りで交差する中央環状線(C2)とも連絡していない。そのため、3号渋谷線や4号新宿線より比較的空いている場合が多いものの、どこか存在感が薄いのも事実だ。

高速目黒線の位置。画像は編集部が資料を元に作成。

では、なぜ2号目黒線は都心環状線(C1)意外と接続していないのだろうか? 3号渋谷線は東名高速と、4号新宿線は中央道と、6号三郷線は常磐道と直結……。となれば、2号目黒線は第三京浜と接続してもよかったはずだ。

ちなみに第三京浜は、国道15号(第一京浜)、国道1号(第二京浜)に続く、東京と横浜を結ぶ京浜道路として誕生。昭和30年代以降は京浜間の交通量がひっ迫し、殺人的なラッシュと称されるほどの大渋滞がたびたび発生していたが、1965年に有料の自動車専用道として、玉川(世田谷区)ICから保土ヶ谷IC(横浜市)の区間で全線開通している。

目黒線延伸計画は幻か。

実は、2号目黒線には、第三京浜を接続する「2号延伸計画」が存在している。

首都高速2号目黒線を延伸し第三京浜と接続する構想は、国土交通省が管理する地域高規格道路の候補路線に「2号延伸」として取り上げられており、少なくとも整備できれば整備したい立ち位置であるとみられる。計画上では、目黒線の延伸部は戸越出入口付近から目黒区を横断し、環八通りとつながる第三京浜の玉川IC付近に接続する経路を想定している。

この計画が実現すれば、都心と横浜を結ぶ新たな迂回ルートになるだけではなく、外環道と第三京浜が接続した暁には首都圏の高速道路網が劇的に改善し、大幅な渋滞緩和に繋がることが考えられる。都心から東名高速に向かう車両の集中する3号渋谷線の混雑緩和につながるとみられる。

目黒線延伸計画の想定ルート。画像は編集部が資料を元に作成。

しかし、この計画は調査もはじまっておらず、事業化の見通しはいっさい立っていない。ちなみに、1号上野線を中央環状線まで延伸する計画と、中央環状線と関越道をつなぐ「10号線」の計画も存在するものの、事業化には至らず。いずれも、実現は遠い未来の話となりそうだ。

1号上野線の延伸(青)と10号練馬線(緑)の想定ルート。画像は編集部が資料を元に作成。

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