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最終更新日:2024.04.11 公開日:2024.04.11

なぜ今年のF1日本GPは世界から注目された? 満開の桜が鈴鹿にもたらした効果に注目!

F1はヨーロッパからは遠いアジアンラウンドをまとめるため、これまで毎年秋に行われていた日本グランプリ(GP)を今年から春開催に変更。満開の桜が咲く鈴鹿で、3日間で22万9000人の観客を魅了した。

文と写真=原アキラ

マックス・フェルスタッペンのレッドブル・ホンダRBPT

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満開の桜が春開催のF1日本GPを盛り上げる!

例年秋に行われていたF1日本GPが今年から春開催に変更されたことで、そのたった1週間前に開催されたフォーミュラe「東京E-Prix」とあわせて、世界の目が日本の鈴鹿と東京に向けられることになった。

今年のF1日本GP(4月5日〜7日)は、ヨーロッパから遠いアジアンラウンドをまとめるために季節が春に変更されたことで、例年とは異なった雰囲気のもとで行われた。その理由は、まずは満開となっていた桜のおかげ。サーキットに向かうアクセス道路は、詰めかける人とクルマの列で、いつになったら会場に到着できるのだろうかと毎年イライラさせられていたのだが、今年は美しい桜がその気分を少し和らげてくれていたのがとても良かった。

満開の桜の下で行われたレース。写真提供=Aston Martin

満開の桜は、もちろん選手やドライバーにも大好評。F1のセーフティドライバー歴24年というベルント・マイランダー氏は、昨年のF1で開催されたホットラップで筆者を乗せてサーキットを爆走してくれたのだが、今回お話を伺った際には「今年のスズカはフロントガラス越しにサクラが見えて、とてもファンタスティックなんだよ」と語ってくれた。

レース自体も、これまでの秋開催の日本GPではチャンピオン争いが佳境に入り、ちょっとギスギスした雰囲気になる(1990年代には、あのセナ・プロの確執が問題になっていた)ものだ。しかし、春開催となるとまだまだそんな雰囲気はなく、各チームと選手は純粋にレースに集中している様子が伝わってきて、見ている方も素直にレースを楽しむことができた。

また開会式には、三笠宮彬子女王殿下がご臨席されるとともに、室伏広治スポーツ庁長官らが顔を揃え、現在唯一の日本人F1ドライバーである角田裕穀選手を激励したり、詰めかけた観客ににこやかに手を振ったりと、大会をいっそう華やかなものにしてくれていた。

華やかな開会式と国歌斉唱。

角田裕穀選手が母国開催レースで初入賞!

決勝レースは、1週目のクラッシュで赤旗中断という波乱のスタートだったが、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)がポール・トゥ・フィニッシュを決めて今季早くも3勝目。ファン注目の角田裕穀(PBホンダRBPT)は、一時順位を落としたものの、ピットクルーの素早い作業と豪快な追い抜きをみせた甲斐があって、10位でフィニッシュ。念願の母国開催での初入賞を果たすことができた。

角田裕穀のPBホンダRBP。グランドスタンド前を通過するだけで、10万人の大観衆が沸く。

筆者はアストンマーティンのパドッククラブ(各チームのオーナーやディーラーが集うピット2階の専用空間)でレースを観戦。ここでは飲み物や食事を楽しみつつレースを見ることができ、さらにピットガレージの見学というスペシャルな体験もできた。

ピット内では6位入賞を果たしたフェルナンド・アロンソのマシン(AMR24)を作業する様子をじっくりと観察できた。目の前にはチームカラーの緑に塗られた「必勝ダルマ」があったり、葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」のイラストが描かれたアロンソのヘルメットがあったりと、普段はなかなか体験できない空間を満喫できた。観客数は、3日間で22万9000人という前年度を上回る数字になった。

アストンマーティンのピットガレージ内の様子。

今後もF1とフォーミュラEに注目!

また、F1の1週間前に行われたのが、フォーミュラe「東京E-Prix」(3月29~30日)。公道を使用したFIA規格のレースが開催されたのは日本初で、さらにその場所が日本の首都、東京であるという点はなかなかアピール度が高い。騒音を出さず電気を使ったクリーンなレースであるからこそ実現できたもので、これはF1とは180度異なるアプローチを踏んだ結果だ。

開会式には小池百合子東京都知事だけでなく、岸田文雄首相もサプライズで登場。2万人という数字はF1と比べるまでもないものだが、訪れた観客に話を聞くと、「近所の高層マンションに暮らしているので、こんなに近くで開催されるのだからちょっと行ってみようか」といったように、純粋なレースファンでない方も多かった。電動車のレースという新しいカテゴリーならではの集客方法は、さまざまなアイデアがこれからも出てくるであろうし、何よりアクセスに苦労せずに電車で見に行ける、というメリットは大きい。

F1とフォーミュラEというそれぞれの魅力を持つレースが同じ時期に開催されるというのは、世界的にも稀なこと。来年はさらに盛り上がるのだろうか。

東京で開催されたフォーミュラe「東京E-Prix」大会。

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