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クルマ最終更新日:2016.06.14 公開日:2016.06.14

トヨタ、ついにル・マン24時間レースの初制覇なるか!?

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トヨタのWEC用2016シーズンマシン「TS050 HYBRID」。

 今年もル・マン24時間レースの開催時期がやってきた。フランスのル・マン市にあるサルト・サーキットはレースウィークに突入しており、現地時間の6月18日土曜日15時に決勝スタートを迎える。

 現在ル・マンはFIA世界耐久選手権WECシリーズの一戦に組み込まれており、第84回となる2016シーズンはその第3戦として開催。日本からは、トヨタワークスである「TOYOTA GAZOO Racing」が同シリーズに参戦しており、中でもル・マン初制覇に向けて気勢を上げている。

新型マシンTS050 HYBRIDで挑む!

 同チームは、新型マシン「TS050 HYBRID」で2016シーズンのWEC・LMP1ハイブリッドクラスに参戦している。2.4リッターのV型6気筒直噴ツインターボガソリンエンジンと、8MJ(前年のTS040 HYBRIDから2MJアップ)のリチウムイオンバッテリー方式のハイブリッド・システムが特徴だ。

 ガソリンエンジンの出力が367kW/500PSで、前輪モーターと後輪モーターの出力が同じく367kW/500PSなので、合計出力は735kW/1000PSとなっている。

 今回、新型パワートレインとなったことで新たな冷却系が必要とされ、またターボエンジンによって大幅に向上したトルクを許容するトランスミッションも必要とされたことから、それらを含む新たなマシンが開発されたという具合だ。

 ボディーのカラーリングはTS040 HYBRIDの白と青の組み合わせから、F1でお馴染みとなった紅白のトヨタらしいイメージとなっている。

ドライバーラインナップは日本人2名を含む2台体制

 同チームはこのTS050 HYBRIDの5号車と6号車の2台体制でWECに挑んでおり、5号車のドライバーラインナップは、2014年のWEC王者コンビのアンソニー・デービッドソンとセバスチャン・ブエミに加え、2年前のル・マンでポールポジションを獲得した中嶋一貴(下の画像の左)。中嶋は日本人初の親子2代でF1フルタイムドライバーとなったことで知られている。

 もう1台の6号車は、ル・マンで3度のポールポジション獲得経験を持つステファン・サラザンに、マイク・コンウェイと、こちらもF1で活躍した小林可夢偉(下の画像の右)が組む。トヨタ系日本人ドライバーのツートップが参戦しているというわけだ。

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左が5号車に乗る一人、中嶋一貴。右は第1戦で2位に入った、6号車の一人、小林可夢偉。

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ル・マン前哨戦、WEC2016の第1戦・第2戦を振り返る!

2016シーズンの第1戦と第2戦をトヨタはどう戦ったか!

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第1戦シルバーストーンサーキットを疾走するTS050 HYBRID6号車。

 同チームのWEC2016シーズンでの成績だが、イギリスで開催された第1戦「シルバーストーン6時間レース」で小林らの6号車が2位を飾った。中嶋らの5号車は不運なパンクトラブルで16位に終わっている。

 ベルギーでの第2戦「スバ・フランコルシャン6時間レース」では5号車が4時間経過時点で首位を独走していたが、突然のエンジントラブルでリタイヤ。6号車も中盤にトラブルでリタイヤとなった。解析が行われたところ、原因はスパの名物コーナー「オー・ルージュ」での車体への路面の底付きに起因するものであることが判明し、対策は採られたという(オー・ルージュは下ってきてまた登る非常にアップダウンのきついコーナー)。

 これにより、第2戦終了時点でマニファクチャラーズポイントでは56点のポルシェに次いで、43点で2位につけている。ただしアウディが41点で3位につけており、予断を許さない状況だ。ドライバーズランキングでは、18点で小林ら6号車の3人が5位、0.5点で中嶋ら5号車の3人は15位となっている。

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スパ・フランコルシャンを攻める5号車。ドライバー人気も高い、世界でも屈指のテクニカルコース。

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ル・マンのレーススケジュールとTV&インターネット中継について

6月5日の公式デーから19日の決勝ゴールまで!

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6月5日に開催されたル・マンの公式テストデーの様子。

 すでにル・マンではレースが始まっているといっても過言ではなく、現地時間6月5日(日)に開催された公式テストデーが開催された。TS050 HYBRIDはハイブリッド車であることからの規則で燃料消費量が約10%削減された中で、昨年のTS040 HYBRIDがマークしたベストタイムを2.124秒上回ることに成功。

 2台はトータルで179周2440km(サルト・サーキットは1周13km強の長大なコース)を走破している。ちなみに2015年の優勝チームであるポルシェ・チームの19号車は、レースで395周=5383.45kmでゴールという具合だ。

 レースウィークの走行セッションのスケジュールは、現地時間15日(水)16時(日本時間同日23時)から4時間の公式練習でスタート。

 同日22時(同翌16日5時)から公式予選1回目となる。16日(木)の19時(同翌17日2時)から公式予選2回目、同22時(同翌17日5時)から公式予選3回目。公式予選はそれぞれ2時間ずつ行われ、その中で記録された1周の最速タイムでポールポジションが決まるというわけだ。

 そして17日(金)はル・マン旧市街地で伝統のドライバーズパレードが行われる。そして、18日(土)の9時(同16時)から45分間のウォームアップ走行がスタートして、同日15時(同22時)にいよいよ24時間の戦いの幕が切って落とされる。ゴールはもちろん、19日(日)の15時(同22時)だ。

地上波はないがCS放送Jスポーツで中継

 なお、日本では地上波による中継は残念なことに行われないが、CS放送のJスポーツで中継が行われる(後日、Jスポーツ1~3でのリピート放送もあり)。日本時間18日21時30分~翌19日6時(スタート30分前から合計8時間30分)にJスポーツ3、19日12時~13時55分(現地の夜明けの時間帯に約2時間)にJスポーツ2、同日16時~23時(レースの終盤からゴールの1時間後まで合計7時間)にJスポーツ3という具合だ。

 さらに、24時間フルで中継を見たいという人には、同局の有料オンデマンド(インターネット)サービスによる24時間フル中継も用意されている。なお無料会員登録しておけば、同サービスによる予選の無料ライブ中継だけなら楽しむことが可能だ。

MEGA WEBでパブリックビューイングを開催!

 それと、トヨタのクルマ・テーマパーク「MEGA WEB」でのパブリックビューイングイベント「J SPORTS presents ル・マン 24 時間レース パブリックビューイング in MEGA WEB」が開催される予定。18日は17時から整理券の配布が開始され、20時30分開場、21時からイベント開始。スタート後序盤の23時までを放映。

 翌19日は17時から整理券の配布が行われ、19時30分開場。20時30分にイベント開始で、22時のゴール直後に抽選会が行われ、22時45分にイベント終了という具合だ。ちなみに、会場ではWECシリーズ第7戦で、富士スピードウェイで行われる「富士6時間耐久レース」の前売り観戦チケットも発売される予定となっている。

 日本ではモータースポーツというと、F1に代表される最高速の迫力が目立つスプリント系が好まれる傾向だが、ヨーロッパではどれだけサバイバルして最後に栄冠を勝ち取れるかという耐久レースの人気も昔から非常に高い。この週末は、24時間眠気と戦いながら、あなたもTS050 HYBRIDの勇姿を応援してみてはいかがだろうか。

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ル・マン24時間レースの舞台となるサルト・サーキット。トヨタ自動車プレスリリースより抜粋。

2016年6月14日(JAF MATE社 IT Media部 日高 保)

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外部リンク

ル・マン24時間レース公式サイト

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