第84回ル・マン24時間レース予選で、トヨタ3・4番手
TS050 HYBRIDの6号車。予選3回目はヘビーウェットな状況で、雨が上がっても所々霧も発生していた
現地時間の6月18日土曜日15時(日本時間同日22時)に決勝がスタートする第84回ル・マン24時間レース(FIA世界耐久選手権WECシリーズ第3戦)。同レースに初優勝を目指して乗り込んだのが、トヨタ自動車のワークスチーム「TOYOTA GAZOO Racing」だ(同チームの参戦体制などの詳細はこちら)。2016年型マシン「TS050 HYBRID」の2台が、予選で3・4番手を獲得した。
フランス・ル・マン市近郊のサルト・サーキットにて、現地時間の15日(水)22時に公式予選1回目がスタート。日が変わって、16日(木)の19時から2回目、同日22時から3回目というスケジュールでそれぞれ2時間ずつ行われたが、2回目と3回目はあいにくのレインコンディションに。
当たり前の話だが、2回目、3回目と進むごとにセッティングが決まっていき、またドライバーの順応などもあって普通はタイムが上がっていくわけだが、16日は朝から不順な天候。断続的に強い雨が降り注ぐというヘビーウェットな状況下でのタイムアタックとなった。
予選2・3回目はレインコンディション
2回目が1時間を経過した頃には、ル・マンで3度のポール獲得経験を持つステファン・サラザンがドライブする6号車がスピン。接触はなかったために事なきを得たが、ポールを狙うのが難しい状況。さらに、3回目のアタックの15分が経過した頃にはあまりにも雨脚が強いために1時間ほどセッションを中断する事態となってしまった。
天候が回復してセッションが再開されたものの、路面は当然濡れており、さらには複数のコーナーで霧による視界不良という具合。全チームともタイムアタックをあきらめ、決勝に備えての確認作業に終始せざるを得ず、1回目の記録を上回れるチームがほとんど出ないという状況となったのである。
予選3回目は、あまりにも雨が強くて一時セッションが中断となった。写真は5号車。
虹の見える中を攻める5号車。
トヨタvsポルシェのがっぷり四つのバトルに!
その1回目のタイムアタックでは、5号車が2014年WEC王者のアンソニー・デービッドソンのドライブにより3分21秒903を記録。そして6号車はサラザンが3分20秒737をマーク。しかし、ライバルチームのポルシェの2号車(ポルシェ 919 HYBRID)が3分19秒733と、さらに1秒以上速いタイムをたたき出し、3番手・4番手となった(2番手は3分20秒203でポルシェの1号車)。
なお3回目の予選中には、ヘビーウェットコンディションの中で6号車の小林可夢偉が3分50秒934で1番時計をマーク。決勝がウェットだった場合でも期待される結果を出している(6号車は2回目の時は3分25秒899で4番手タイム)。
中嶋一貴らが乗る一方の5号車は2回目に2番手タイムの3分24秒399を出し、よりヘビーウェットな状況となった3回目でも3分51秒693で3番手。今年参戦しているワークスチームではアウディが少し遅れた感じで、決勝はトヨタvsポルシェのがっぷり四つといった様相が見えてきた。
決勝も一時的ながら雨が予想される空模様
この後は現地時間で18日(土)9時(日本時間16時)から始まる45分間のウォームアップランが最終調整となる。そして同日15時(同22時)に決勝スタートを迎えるわけだが、18~19日はサルト県ル・マン市は通り雨や場合によっては強い雨が予想されており、もしかしたらドライとウェットが入れ替わるような、複雑なコースコンディションも考えられる。
ちなみにウェットコンディションに対する各ドライバーの反応は、TS050 HYBRIDを完全なレインコンディションでドライブするのは初めてだったことから、予選3・4番手を上出来だとし、また貴重なレインセッティング用のデータを収集できたことを喜んでいた。
WECシリーズの第2戦終了時点で、2位のTOYOTA GAZOO Racingはトップのポルシェに13点ビハインドとなっており、年間王座を狙う点からも2台そろってポルシェチームの前でフィニッシュしたいところ。ポルシェの速さと不安定な天候という、予断の許さない状況が想定されるが、それでも結果は出してくれるはず。TOYOTA GAZOO Racingの1-2フィニッシュを期待しよう。
本格的なウェットコンディションは初めてながら、TS050 HYBRIDは安定していたという。写真は5号車。
2016年6月17日(JAF MATE社 IT Media部 日高 保)
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