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最終更新日:2020.06.24 公開日:2020.06.24

大雨警報、大雨注意報のどちらで避難? 防災気象情報と避難勧告等の関係は?

水害や土砂災害の恐れのある天候では、大雨注意報、大雨警報などの「防災気象情報」が、まず気象庁から発表される。それを元に市町村が避難勧告に関する「警戒レベル」を発令する。そのため内閣府と気象庁は、先行情報である「防災気象情報」の意味を正しく理解し、それを元に早めに避難の準備や判断をすることを推奨している。

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防災気象情報と相当する警戒レベルを理解して、避難行動を判断

©akira1201- stock.adobe.com

 大雨や台風による水害や土砂災害が発生する恐れのある場合、2つの情報が地域住民へ発表されている。1つは国土交通省、気象庁、都道府県庁などが発表する「防災気象情報」。もう1つは市町村といった自治体から発令される「警戒レベル」だ。警戒レベル3以上が発令されれば、住民は避難の実行もしくは準備を行うことになる。

 気象庁と内閣府では、避難勧告や警戒レベルの発令後に避難の準備・情報収集を始めるのではなく、防災気象情報の段階から避難の準備・情報収集することを推奨している。そこで防災気象情報の種類と、相当する警戒レベル(避難情報)、住民が取るべき行動を紹介する。

防災気象情報を元に、取るべき行動、相当する警戒レベル

1:これまでに経験したことのないような降水量の大雨が見込まれる際の警報。
2:暴風警報が発表されている際の高潮注意報は、高潮警報へ切り替える可能性が高いため、注意報でも警戒レベル4に相当する。
3:夜間から翌日早朝に大雨警報(土砂災害)に切り替える可能性が高い注意報は、警戒レベル3に相当する。
4:「伊勢湾台風」級の台風等による大雨が見込まれる際には、警戒レベル3の大雨警報(土砂災害)でも、大雨特別警報(土砂災害)として発表される。
5:高潮警報に切り替える可能性について言及されていないもの。
註:内閣府資料と気象庁ホームページを元に編集部で作成。

 防災気象情報は、早期注意情報、注意報、警報(警戒情報)、特別警報(発生情報)というふうに発展していき、それに相当する警戒レベルがある。また警戒レベルに「5=黒」「4=紫」「3=赤」「2=黄色」「1=無色」と色分けがされている。この色は他の防災気象情報にも使われており、今いる場所がこれらの色で示されている時は災害のおそれありという認識を持とう。

 さてタイトルで問いかけた「大雨警報、大雨注意報のどちらで避難?」の答えは大雨警報。大雨警報は警戒レベル3に相当なので、高齢者や要介護者などは避難開始。一方の大雨注意報は警戒レベル2なので、ハザードマップなどで避難行動の確認をする段階である。

 なお雨に関する最大級の警報である「大雨特別警報」は2015年から運用を開始した気象情報で、近年は「平成279月関東・東北豪雨」「平成297月九州北部豪雨」「平成307月豪雨」「令和元年東日本台風」などが、その事例となる。特別警報が運用される以前は、「平成247月九州北部豪雨」「平成23年台風第12号」「昭和34年伊勢湾台風」「昭和9年室戸台風」などが大雨特別警報に相当する雨だった。

警戒レベル3以上が発令。まずは周囲の状況を確認。

 万が一、避難を開始すべき防災情報が発表されたり、警戒レベル3以上が発令されたら、何をすればよいのだろう。まずは地元自治体から配布されたハザードマップや、気象庁Webサイトの防災情報にある「危険度分布」(https://www.jma.go.jp/jp/doshamesh/)で、今いる場所の周辺や、避難所までの経路の状況を確認しよう。今いる場所に災害発生の危険がないのなら、その場にとどまることが安全の確保になる。避難は「危険な場所から」移動することが目的であり、災害発生のおそれがない安全な場所にいる人が避難する必要はない、と内閣府は説明している。また避難所までの経路に危険な地域があるなら、予定とは別の避難所を検討することも内閣府はすすめている。

 また避難勧告前に自らで避難を決断した場合は、地元自治体などに避難所の状況等を確認してから移動を始めよう。

ハザードマップの見方

 ハザードマップは地形や過去の観測データから危険な場所を記した地図である。つまり災害の「おそれあり」という情報を示している。

出典:内閣府資料

危険度分布の見方

 危険度分布は、土砂災害、浸水害、洪水、雨の様子といった近況の情報を提供してくれるWebサイトだ。つまり少し前の状況を知ることができるのだ。Webサイトの地図で危険な場所は、「紫」は極めて危険=警戒レベル4、「うす紫」は非常に危険=警戒レベル4、「赤」は警戒=警戒レベル3、「黄」は注意=警戒レベル2というように色分けされ、警戒レベルとひもづけられた防災気象情報となっている。

危険度分布の画面。出典:内閣府資料

 なお危険度分布では、警戒レベル4に相当する防災気象情報を、5つの事業者を通じてメールやスマホアプリのプッシュ通知などで登録者に知らせてくれるサービスも行っている。

気象庁「危険度分布」の通知サービス

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/ame_push.html

平時のうちに避難行動判定フローで確認

 防災気象情報の警報や警戒レベルが発令されてから、避難場所や経路を考えるのでは初動が遅れてしまう。そのため平時に避難行動を確認しておくことが大切だ。「避難行動判定フロー」を活用するのがいいだろう。大雨、台風などの季節が到来する前に、この避難行動判定フローとハザードマップを活用して自分の避難行動の確認を行ってこう。

出典:内閣府資料

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