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最終更新日:2019.06.17 公開日:2019.06.17

フォーミュラEやWECなど、2019-20シーズンの暫定カレンダー発表

パリに本部を置く、世界の自動車団体によって構成される非営利の国際機関・国際自動車連盟(FIA)。F1などの世界選手権などの統轄をしており、それらの開催日程やレギュレーションなどを決定する世界モータースポーツ評議会が6月19日に開催された。発表された世界耐久選手権(WEC)やフォーミュラEなどの2019-20シーズンなどを掲載する。WRC(世界ラリー選手権)の2020シーズンにおけるラリージャパン復活に関しても現状をお伝えする。

 今回、2019-20シーズンの暫定的な開催カレンダーが発表されたのはふたつのカテゴリー。ル・マン24時間レースを含むWECと、”EVのF1″ことフォーミュラEだ。WRCについては、当記事最後でお伝えする。

2019-20シーズンの国内開催はあるのか!? フォーミュラE

日産e.damsのマシン。フォーミュラEは、基本的に同一のマシンを用いるワンメイクレースだ。ただし、2018-19シーズンからはマシンが第2世代「Gen2」となり、一部の機器は各チーム独自のものが利用できるようになった。

 日産が参戦していることでも知られる、”EVのF1″ことフォーミュラE。F1などとは異なり世界選手権ではないが、アジア地域も含めて数多くの国で開催されている国際戦だ。サーキットで開催されるのではなく、各国の首都など大都市で市街地コースを設営して行われているのが特徴だ。

 一部開催地が未定だが、2019-20のカレンダーが発表された。今回は開幕戦が1か月ほど早くなって11月開催となり、第3戦までが年内の開催となる。ダブルヘッダー(2日連戦)も含め、全14戦が予定されている。

 第10戦のソウルは初開催だ。日本から近いのと、ちょうどゴールデンウィークと重なることもあり、新しいモータースポーツを一目見るために観戦に行く日本のファンが増えるかもしれない。

フォーミュラE2019-20カレンダー

第1戦 2019年11月22日 ディルディーヤ(サウジアラビア)
第2戦 11月23日 ディルディーヤ(サウジアラビア)
第3戦 12月14日 開催国・開催都市未決定
第4戦 2020年1月18日 サンティアゴ・デ・チリ(チリ)
第5戦 2月15日 メキシコシティ(メキシコ)
第6戦 3月1日 香港(中国)
第7戦 3月21日 開催都市未決定(中国)
第8戦 4月4日 ローマ(イタリア)
第9戦 4月18日 パリ(フランス)
第10戦 5月3日 ソウル(韓国)
第11戦 5月30日 ベルリン(ドイツ)
第12戦 6月20日 ニューヨーク(米国)
第13戦 7月25日 ロンドン(英国)
最終第14戦 7月26日 ロンドン(英国)

 ファンからは、日産のグローバル本社がある横浜などでの開催に向けて期待感が高まっているが、騒音規制や安全性の面から、国内での市街地特設コースでの開催は難しいともいわれる。いつか、日本でも見たいものだが。

今後は6月開催のル・マン24時間レースが最終戦となるWEC

6月16・17日にフランスのサルト・サーキットで決勝が開催されたばかりの第87回ル・マン24時間レース。小林可夢偉選手らが駆ったTOYOTA GAZOO Racingの「TS050 HYBRID」7号車。

 TOYOTA GAZOO Racingがハイブリッド車「TS050 HYBRID」で最上位クラスLMP1に参戦しているWEC。同カテゴリーでは、これまではシーズン序盤に開催されていたル・マン24時間レースを最終戦とすることとなり、その調整を図るために特別な2018-19スーパーシーズンが行われた。同シーズンでル・マン24時間レースは、2018年6月16・17日に第2戦として第86回が、そして2019年6月15・16日に最終第8戦として第87回が開催された。1シーズンに2回もル・マン24時間レースが開催されたのである。

 2019-20シーズン以降も、ル・マン24時間レースが最終戦となるスケジュールとなるため、今後は年をまたいでシーズンが開催される。ル・マン24時間レースを秋に開催することで最終戦にする方法もあるが、同レースは世界三大レースのひとつ。毎年夏至の時期の週末に決勝が開催される伝統があるため、ル・マン24時間レースの開催日は変えず、今後は秋から始まって翌年6月に最終戦というスケジュールとなったのである。ちなみに、2019-20シーズンもトヨタは参戦することを発表している。

WEC2019-20シーズンカレンダー

第1戦 2019年9月1日 シルバーストーン4時間(英国)
第2戦 10月6日 富士6時間(日本)
第3戦 11月10日 上海4時間(中国)
第4戦 12月14日 バーレーン8時間(バーレーン)
第5戦 2020年2月1日 サンパウロ6時間(ブラジル)
第6戦 3月20日 セブリング1000マイル(米国)
第7戦 5月2日 スパ・フランコルシャン6時間(ベルギー)
第8戦(最終戦) 6月13・14日 ル・マン24時間(フランス)

 また2019-20シーズンは現行のLMP1技術規定で競われる最後のシーズンとなり、2020-21シーズン以降は新たな技術規定が導入される。最高峰カテゴリーは「ハイパーカー」と呼ばれ、スーパーカーを超える超高性能市販車をベースとした車両での参戦が可能となる。ハイブリッド・システムの搭載はこれまで通り行える。同カテゴリーへの参戦は、アストンマーティンに続いてトヨタも表明した。

 ハイパーカーは年間20台以上を市販することも条件のひとつ。性能的には、ル・マン24時間レースの舞台であるサルト・サーキットを1周3分30秒ほどで周回できるものにするという。現行のLMP1HV規定の最速車両である「TS050 HYBRID」と比較すると15秒ほど遅く、安全性を高めるために最高速や加速性能を抑えこむのが狙いのようだ。それと同時に、より多くの自動車メーカーの参戦を促したいようである。

 トヨタは現在、「TS050 HYBRID」をベースにした市販スーパーカー「GRスーパースポーツ」(仮)を開発中だ。2020-21シーズンからは、これをベースにして参戦すると発表。世界中のハイパーカーによるレースが期待されている。

現在開発が進む、「GRスーパースポーツ コンセプト」。正式名称は未発表。撮影した2018年の東京オートサロンでは、パワートレーンは排気量2400ccのV型6気筒ツインターボチャージャーにトヨタのハイブリッドシステム「THS-R(トヨタハイブリッドシステム・レーシング)」を加え、最高出力はエンジン+モーターで735kW(1000ps)としている。そのほか発表されていたスペックはタイヤが前後とも330/710R18で、ホイールが18×13J。そのほかのスペック、また最高速度や0→400m加速性能なども現在は非公開。

2020シーズンのラリージャパンは? WRC

WRCの第7戦ラリー・ポルトガルのジャンピングスポットを駆け抜けていくTOYOTA GAZOO Racingの「ヤリスWRC」。日本では、2020年にラリージャパンを復活させるべく、招致活動が行われている。

 日本のラリーファン、モータースポーツファンにとっては、2020シーズンにラリージャパンが復活するのかどうかが気になるところ。今回、WRCの同シーズンの開催スケジュール発表が6月末まで延期となったが、2019シーズンは惜しくも逃しただけに、2020年はぜひとも復活してほしいところだ。

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