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最終更新日:2019.04.03 公開日:2019.04.03

ジウジアーロがデザインしたクルマ、どれが好き?【クルマ好き4択・アンケート結果】

メイトパークの公式Twitterで実施中の「クルマ好き4択・アンケート」。今回のテーマは、『インダストリアルデザイナーの巨匠ジョルジェット・ジウジアーロがデザインしたクルマ』です。独断と偏見で選んだ4車種、どれが好きかというアンケートを採ってみました。一番人気はどれだったでしょうか?

 ジウジアーロが手がけたクルマはとても数が多く、今回は知名度の高い車種を選んでみました。国産車はいすゞ「117クーペ」とスバル「アルシオーネSVX」、輸入車はデロリアン「DMC-12」とロータス「エスプリ」の4車種です。さて、どのクルマが最も人気があったでしょうか?

 今回は87票の投票をいただきました。そして、いすゞ「117クーペ」が頭ひとつ抜け出した形で1位を獲得! そして、18~23%の得票をした2~4位は接戦でした。

第1位は、国産車指折りの美しさを持つ、いすゞ「117クーペ」(得票39%)

E-PA96型「117クーペ」1979年式。全長4320×全幅1600×全高1325mm、ホイールベース2500mm、トレッド前1350/後11315mm。車重1150kg。排気量1949cc・直列4気筒DOHCエンジン「G180」、最高出力110ps/5600rpm、最大トルク15.5kg-m/4000rpm。サスペンション前後共にダブルウィッシュボーン。ブレーキ前後共に真空倍力装置付き油圧式ディスク。最高速度時速175km。「JCCA New Year Meeting Final 2019」にて撮影。

 ジウジアーロは1960年代前半にベルトーネで、1960年代後半にギアでデザイナー部門のチーフを務め、1969年からは自らが率いるイタルデザインを設立して今に至ります。いすゞ「117クーペ」を手がけたのはギアに籍を置いていた時期で、同車は最初は1966年3月のジュネーブショーでコンセプトカー「ギア/いすゞ117スポルト」として発表。その2年後の7月に発売されました。「117」とは開発コードネームで、車名にそのまま用いられました。

 「117クーペ」最大の見所は、やはり今でも通じる美しいエクステリアでしょう。国内の評価にとどまらず、「ギア/いすゞ117スポルト」はジュネーブショーのコンクール・ド・エレガンスで優勝しており、世界的な評価も得ています。

 今回、得票39%と、2位以下から頭ひとつ抜け出した状態で1位を獲得しました。1981年4月に生産終了してから38年が経ちますが、今もってその美しさに魅力を感じている人が多いことがわかる結果となりました。

【「117」クーペの関連記事はこちら】
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第2位は、潜水艦に変形させたい! ロータスで1、2を争う人気の「エスプリ」(得票23%)

C-907H型「エスプリシリーズ2」(年式不明)。全長4220×全幅1860×全高1110mm、ホイールベース2440mm、トレッド前1510/後1510mm。車重1070kg。排気量1970cc・直列4気筒DOHCエンジン「907」、最高出力140ps/6500rpm、最大トルク18.0kg-m/5000rpm。サスペンション前後共にダブルウィッシュボーン。ブレーキ前後共にベンチレーテッド・ディスク。最高速度・時速222km。「JCCA New Year Meeting Final 2019」にて撮影。

 シリーズ第10作として1977年に公開された映画『007 私を愛したスパイ』において、ジェームズ・ボンドが操る”ボンドカー”として登場したことで有名なロータス「エスプリ」。海中に飛び込むと、変形して潜水艦として航行するという、絶大なインパクトを観客に与えました。『007』シリーズでは、作品ごとにさまざまなギミックを搭載したボンドカーが活躍してきましたが、最も知名度があるのが同車でしょう。上写真は、1978年登場のフロントスポイラーを大型化した「シリーズ2」です。

 そんな「エスプリ」は、ヨーロッパ(※1)の後継モデルとして、1975年にロータスがパリ・サロンでデビューさせたスーパーカー。そのエクステリアデザインを、イタルデザイン時代のジウジアーロが手がけました。ジウジアーロは、曲面をあまり取り入れず、さまざまな形の平面を組み合わせることでクルマをデザインすることを得意としており、彼らしいデザインの1台といわれています。

 ちなみに、「エスプリ」にはデザインのベースとなったクルマがありました。マセラティのコンセプトカーとして、ジウジアーロが1971年に発表したブーメランのことで、「エスプリ」はそれを手直ししたデザインといわれています。ブーメランは「エスプリ」をさらに先鋭的にしたようなデザインなのですが、当時、両車を見た人からすれば、マセラティのコンセプトカーがロータスで市販車となったように見えたのではないでしょうか。

 今回、2位以下は接戦となりましたが、23%で「エスプリ」が2位を獲得しました^^。

【「エスプリ」の関連記事はこちら】
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※1 ロータス「ヨーロッパ」関連の記事はこちら
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元祖スーパーカーとして、70年代に人気を博した『狼』! ロータス「ヨーロッパ」を徹底紹介。

第3位は、GTカーの初心に立ち返ってスバルが作った「アルシオーネSVX」(得票20%)

E-CXD型「アルシオーネSVX Version L」1993年式。全長4625×全幅1770×全高1300mm、ホイールベース2610mm、トレッド前1500・1510/後1480・1490mm。車重1620kg。排気量3318/cc・水平対向6気筒DOHCエンジン「EG33」、最高出力240ps/6000rpm、最大トルク31.5kg-m/4800rpm。サスペンション前後共に独立懸架式ストラット。ブレーキ前後共にベンチレーテッド・ディスク。最高速度時速180km。「第11回ノスタルジック2デイズ2019」のK-STAFFブースにて撮影。

 1985年に登場した初代「アルシオーネ」(※2)は、1991年にフルモデルチェンジし、2代目「アルシオーネSVX」となりました。本来、”グランド・ツーリングカー(GTカー、グランドツアラーとも)”は、長距離移動をこなせる高い性能とラグジュアリー性を兼ね備えた高級車のことをいいました。それが日本では、若者など、走りを求めた層向けのイメージが定着してしまっており、スバルは同車の開発で基本に立ち返ることにしたのです。コンセプトは、”大人の豊かなパーソナルライフを演出する、本格グランドツアラー”でした。

 初代はウェッジシェイプが際立つ直線的なデザインでしたが、「アルシオーネSVX」はイメージを刷新。キャビンにジェット戦闘機のキャノピーをイメージさせるようなラウンドキャノピー・ルックを採用したり、全体的に角の取れたデザインにするなど、初代とは系譜として異なる雰囲気のイメージとなりました。

 ジウジアーロがデザインというと、2位のロータス・エスプリなどのように、多角形の平面を組み合わせたようなイメージが強くあります。しかし、「アルシオーネSVX」のように丸みを持った車種もありました。

 今回は20%を獲得して3位に。接戦でしたが、エスプリに3ポイント及びませんでした。

※2 初代「アルシオーネ」の画像はこちら
突き刺さりそうなウェッジシェイプはあのクルマ!?【クルマ好き4択・シルエットクイズ解答編】

第4位は、タイムマシンの劇中車として有名なデロリアン「DMC-12」(得票18%)

「DMC-12」1981年式。全長4267×全幅1990×全高1140mm、ホイールベース2408mm、トレッド前1590/後1588mm。車重1233kg。排気量2849cc・V型6気筒SOHCエンジン、最高出力135ps/5500rpm、最大トルク22.9kg-m/3000rpm。サスペンション前・ウィッシュボーン/後・トレーリングアーム。ブレーキ前後共にベンチレーテッド・ディスク。最高速度・時速209km。メガウェブにて撮影。

 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ3部作(1985~1990)でタイムマシンとして活躍したことから、今もって世界的な人気を博しているデロリアン「DMC-12」。GMの副社長であったジョン・ザッカリー・デロリアンが理想のクルマを作るために立ち上げたデロリアン・モーターカンパニーが、1981年に発売しました。

 メカニカル部分の設計をロータスが担当し、プジョー、ルノー、ボルボの3社が乗用車用に共同開発した排気量2849ccのV型6気筒エンジンを搭載。ガルウイング式のドアなどの特徴もありました。

 しかし最も目が奪われるのは、やはりその外観。ジウジアーロの真骨頂といわれるさまざまな形の平面を組み合わせたデザインを、ヘアライン処理の入った無塗装のステンレスで実現しました。40年近く前のクルマにもかかわらず、現在でも未来的な雰囲気を感じさせるのは驚異的。まさに、”永遠に追いつくことのない未来のクルマ”なのではないでしょうか。

 劇中車としては大変人気のあるクルマですが、今回は残念ながら票を獲得できず、18%で4位に終わりました。

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 カーデザイナーは数多くいますが、最も多くの人気車種を手がけた人物といえば、おそらくジウジアーロでしょう。「エスプリ」や「DMC-12」のように映画で活躍した車種もありますが、それだけスクリーンに映えるデザインだったからこそ選ばれているわけです。

 今回は、その2台に「アルシオーネSVX」と「117クーペ」を加えてみました。この4車種の中から「117クーペ」が頭ひとつ抜けて人気があったということは、同じジウジアーロのデザインであっても、同車は特に魅力のあるデザインだといえるのではないでしょうか。

 2019年4月現在、すでに80歳を超えているジウジアーロですが、クルマ以外の分野も含めてまだまだ精力的にインダストリアルデザインの仕事を続けています。これからもまだまだデザイナーとして活躍してもらい、すばらしい外観を持ったクルマたちを生み出し続けていってほしいものです^^。

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