廃線となった東京高速道路KK線を空冷ポルシェが占拠!「LUFT TOKYO」(ルフト東京)が見せた奇跡の一日——ハッサンの週末カーミーティング通信 #2
世界中の空冷ポルシェ・ファン注目の祭典が、ついに日本上陸。今回の「週末カーミーティング通信」は、1日限りのポルシェ・ミュージアムとして3月14日(土)に開催された「LUFT TOKYO」(ルフト東京)の模様をお届けします。
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220台以上の空冷ポルシェが東京に集結
空冷ポルシェの祭典として、去る3月14日(土)に開催された「LUFT TOKYO」(ルフト東京)。1日限りとなるポルシェ・ミュージアムの会場となったのは、2025年4月5日をもって自動車専用道路としての役割を終えた東京高速道路KK線。銀座と有楽町という東京の中心部を跨ぐ高架上の特別な空間が、220台以上の空冷ポルシェおよび約1万1600人の来場者で埋め尽くされた。
LUFT TOKYOのルーツとなったのは、ロサンゼルスで2014年にスタートした「LUFTGEKÜHLT(ルフトゲクールト)」。ドイツ語でLUFTは空気、GEKÜHLTは冷やされたという意味なので、文字通り、LUFTGEKÜHLTは1998年まで生産された空冷ポルシェのためのカーイベントということになる。今回、世界中の空冷ポルシェ・ファンが毎年注目している祝典が、ついに日本上陸を果たしたのだ。
かつて東京高速道路KK線として使用されていた道路上で開催された「LUFT TOKYO」(ルフト東京)。220台以上の空冷ポルシェおよび約1万1600人の来場者で埋め尽くされた。
日本のレースシーンを彩った珠玉のモデルがズラリ。会場を歩くと、思った以上に角度がついていることに驚かされる。
LUFTGEKÜHLTの創設者は、アメリカのレーシングドライバーで、ル・マン24時間耐久レースにて2度のクラス優勝を経験したレーサーのパトリック・ロングと、クリエイティブディレクターとして活躍しているハウイー・イデスという2名。毎回、会場のロケーションにこだわっている点が特徴で、初開催となる日本においては都心の空や夜景を望むことができる高架施設を舞台となった。
1966年に新京橋で首都高速道路と接続し、全線の供用を開始した東京高速道路KK線は約2kmの自動車専用道路で、今回も会場の端から端までの距離が相当なものとなった。LUFT TOKYOでは東京高速道路KK線がA、B、Cという3つのエリアに分けられ、踏破することで日本ならではの新旧ポルシェ・カルチャーを存分に知ることができた。
Aエリアはチューニングカー、Bエリアはメインテーマとなった日本のポルシェ+356+スペシャルモデル、Cエリアが歴代911(901~993)+914という構成で、220台以上の空冷ポルシェが一堂に会したので、総額が天文学的数字になったはずだ。
来場者を熱くさせた珠玉の空冷ポルシェたち
では、会場に集った多様な空冷ポルシェたちを車種毎に見ていこう。
ポルシェの原点だといえる356は30台以上が集結し、プリAから最終進化版のSCまでが揃った。その中には日本を代表する俳優のひとりである高倉 健さんが新車で購入した356 A 1600Sカブリオレや、悪役として知られた俳優の八名信夫さんが新車から20年以上にわたって愛用した356 SCもあり、いずれも当時のナンバーのまま展示された。
生前、俳優の高倉 健さんが所有してた356 A 1600Sカブリオレ
珠玉の356、30台以上が銀座に馳せ参じた。
356シリーズの後継車として1963年のフランクフルト・モーターショーで発表された911は、歴代のナロー、生沢 徹さんの911タルガ、ル・マン24時間耐久レースに参戦したエンジンが載るスペシャルマシンの911RSR、1968年に神奈川県警に寄贈されて活躍した912パトカーなどがギャラリーを楽しませた。
日本人初のポルシェ・ワークスドライバーであり、世界有数のポルシェコレクターとしても知られる生沢徹氏。
かつて神奈川県警で活躍した912パトカーの姿も!
911は17年間にわたって生産された大成功モデルなので、1974年モデルから登場したビッグバンパー仕様の911シリーズ、スーパーカーブーム時に少年たちのアイドルだったポルシェ930ターボの日本輸入第1号車、RUFがBTRを開発する際にプロトタイプとして製作したRUF BTR NATO、964型911RS N/GT Macau、空冷911シリーズのラストモデルとなった993型911の各車もLUFT TOKYOの主役となった。
ポルシェ930ターボの日本輸入第1号車。
RUF BTR NATO
964型911RS N/GT Macau
また、ヨーロッパ最大のカスタムカーショーとして知られるULTRACEで2025年のチャンピオンに輝いた日本発のカスタム・ポルシェ「MADLANE 935ML」、ポルシェがフォルクスワーゲンと共同開発したエントリーモデルの914、量産車メーカー出荷状態車として事実上世界で初めて最高速度300km/h以上をマークした959(292台のみ限定生産)、空冷ポルシェ911のレストアで世界的に知られるSinger Vehicle Design(シンガー・ヴィークル・デザイン)が再構築した「ポルシェ911リイマジンド・バイ・シンガー」、993型911カブリオレのレストモッドである「993スピードスター リマスタード」なども来場者を熱くさせた。
MADLANE 935ML
959
空冷ポルシェ911のレストアで知られるSinger Vehicle Designの車両も複数台展示されていた。
レーシングカーは、1964年の第2回日本GPで優勝した904、1968年の第5回日本GPで2位になった910、1984年の全日本耐久選手権で活躍したTRUST ISEKIポルシェ956、高橋国光選手が1985~1987年および1989年に全日本チャンピオンに輝いた2台のアドバン・アルファ962C、1998年の全日本GT選手権に出場し、近年レストアされたナインテン・ポルシェ993RSRといった日本のレースシーンを彩った珠玉のモデルがズラリと並んだ。
904
1968年の第5回日本グランプリに出場した「ポルシェ910(ポルシェ・カレラ10)」
TRUST ISEKIポルシェ956
アドバン・アルファ962C
Rothmans PORSCHE 962C(左)
LUFTGEKÜHLTの世界観で実施されたLUFT TOKYOはオフィシャルグッズの販売も大盛況で、ワンデイであることが残念でならない歴史的なイベントであった。
廃止された東京高速道路KK線は今後、歩行者中心の公共的空間に再生する「Roof Park Project」として事業が進められている。そのため、今回が最初で最後の開催になるかもしれない。次回があるのか分からないが、再びLUFT TOKYOで歴代の空冷ポルシェを鑑賞できたら幸いだ。
廃線となった東京高速道路KK線を空冷ポルシェが占拠!「LUFT TOKYO」(ルフト東京)が見せた奇跡の一日——ハッサンの週末カーミーティング通信 #2




