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最終更新日:2020.11.19 公開日:2020.11.19

トヨタとLIXILが移動型バリアフリートイレ「モバイルトイレ」を開発

トヨタとLIXILは、車いす使用者等が利用できる移動型バリアフリートイレ「モバイルトイレ」を共同開発した。モバイルトイレは他車でけん引することによって移動できるため、さまざまな場所への設置が可能だ。また開発では福祉工学の専門家などへヒアリングを行い、設備は衛生面と快適性を追求したものとなっている。

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衛生的で快適なバリアフリートイレをクルマでけん引

トヨタとLIXILが共同開発した移動型バリアフリートイレ「モバイルトイレ」写真:トヨタ

 トヨタと、トイレや浴室などといった住設機器メーカーであるLIXILは、車いす使用者を含めたさまざまな身体状況の人が利用するバリアフリー(多機能)トイレを、他車でけん引することで移動型にした「モバイルトイレ」を共同開発した。同車はバリアフリートイレの数が少ない場所や施設などに設置することで、車いす使用者等の外出範囲を広げることを目的としている。

 その開発では利用者やパラアスリート、福祉工学の専門家などといった人たちからのヒアリングを実施。それにより「介助者の手を借りずに一人で乗り込みたい」「上半身が元気そうでも、オムツ替えが必要な場合がある」「気分が悪いときに、横になれるとありがたい」などの声を集めることができた。

被災経験者にもヒアリング

 このような声を反映して、車体は超低床にすることで出入口への動線がなだらかなスロープとなるように設計。車内も車いすが回転しやすい空間の確保。個室には大便器そばの手すりや、オストメイト対応流しなどを備えている。また自分で衣服を整えたり介助者が待機できる前室には、多目的に使えるユニバーサルシート(大型ベッド)を用意した。そしてモバイルトイレの前後には遠くからでも認識できるように大きなバリアフリートイレのマークを配置。

 また同車の開発では被災経験のある自治体関係者にもヒアリングを行っており、被災地での設置を想定し、ランドクルーザープラドでけん引する予定となっている。

大便器、手洗い、オストメイト対応流しや姿見鏡のあるトイレは2000×1980mmという広さ。写真:トヨタ

前室は1650×1980mmの広さに、W1500×D696×H480mmのユニバーサルシートを備えている。写真:トヨタ

今後は実際の使用者からの声で改善も

 モバイルトイレは今後さまざまなイベントの場などへ設置する予定で、そのなかで使用者や介護者等から得られた声は、今後の改善への参考として生かしたいとトヨタとLIXILは述べている。

 現在の設置予定は、20201121日(土)、22日(日)に神奈川県横浜市の北仲地区で行われる「横浜北仲フェスト」だ。設置場所は横浜市役所敷地内となっており、もちろん使用することが可能である。

 将来モバイルトイレの設置回数や稼働台数が増えれば、バリアフリートイレが未設置やその数が少ないといった理由から、車いす使用者等が外出をあきらめるケースも少なくなるだろう。

移動型バリアフリートイレ「モバイルトイレ」諸元

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