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最終更新日:2023.12.20 公開日:2023.12.20

暴風雪の立ち往生で一酸化炭素中毒に!? クルマが雪に埋まったときの危険性と対処法を解説

雪国で起こり得る暴風雪での立ち往生。天候の急変でホワイトアウトに巻き込まれ、気が付いたときにはクルマが雪に埋まって立ち往生してしまう。そんなとき命の危険となるのが一酸化炭素中毒だ。本格的な雪のシーズンを前に、クルマが雪に埋まったときの危険性と、もしもの時の対処法を解説しよう。

文=KURU KURA編集部

暴風雪で立ち往生したときの危険性は?

(c) scharfsinn86 - stock.adobe.com

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本格的な降雪・積雪期となる1~3月には「暴風雪で立ち往生した車両が、何時間も救助を待っている」というニュースが増えてくる。クルマが雪に閉じ込められた際の危険は、まずは寒さへの対処であり、長時間になると飲み物等も問題になってくる。そしてもう一つ、命に直接関わる危険がある。一酸化炭素中毒だ。

暴風雪で立ち往生したときは、寒さ対策からエンジンをかけっぱなしにするしかないことが多い。その際に、降り積もった雪で排気管の出口(排気口)がふさがれると、車内に排気ガスが流れ込み、一酸化炭素中毒を引き起こす原因になる。

クルマの排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)を吸い込むと、体内の酸素が欠乏して中毒症状を引き起こす。症状の程度は、一酸化炭素の濃度と吸引量によるが、軽度では軽い頭痛や疲労感、中等症では激しい頭痛やめまい、耳鳴り、吐き気、重症になると意識障害や痙攣が発生し、最悪の場合は心肺停止で死に至る。気がついたときには重症になっていることもあるのが一酸化炭素中毒の怖さで、まだ大丈夫と思っていると非常に危険だ。

どうすれば車内の一酸化炭素中毒を防げるのか?

命を落としかねない車内の一酸化炭素中毒について、まずは、JAFのユーザーテスト(2015年2月に実施)で、どのような状況で危険になるのかをみてみたい。

同テストでは、同車種の車両Aと車両Bにボンネットの高さまで雪を被せ、エンジンをかけて車内の一酸化炭素濃度をガス検知器で計測。車両Aは「対策なし」で何もしないが、車両Bは「排気口周辺を除雪」した。どちらもエアコンは外気導入、温度と風量も同じに設定している。

(画像:JAFのユーザーテスト結果)

その結果、車両A(対策なし)は、直後に一酸化炭素の濃度が上がり、16分で短時間暴露限度の400ppmにまで上昇、さらに22分で測定上限値である1000ppmに達した。この1000ppmという数値は身体への影響が「3時間ほどで致死」という非常に危険なものだ。

窓を5cmほど開けてみても、開始5分で100ppm台に上昇、しばらく増減を繰り返したのち、約40分後に短時間暴露限度の400ppmに達し、すぐに800ppm台となった。

一方、車両B(排気管周辺を除雪)は、一酸化炭素はほとんど検知されていないことから、一酸化炭素中毒を防ぐには、排気口周辺の雪を取り除き、常に排気口を露出させておくことが重要だとわかった。

対処法は排気口周辺を除雪すること!

(画像:(c) hoshi - stock.adobe.comをもとに作成)

降雪地の道路を走るドライバーの皆さんには、どんなに晴れている日でも天気予報を確認して、大雪警報が出ていたら外出は控えるとともに、立ち往生したときのため、車内にスコップや手袋などの除雪アイテムと人数分の毛布を積んでおいてほしい。

もし、暴風雪で立ち往生したときは、排気口周辺をこまめに除雪して、排気口が雪で覆われないよう気を付けること。救助や雪がおさまるのを待つ間も、こまめに車外へ出て排気口周辺をチェックし、周辺の雪を取り除こう。もちろん、毛布などの防寒用品があり、ヒーターなしでも寒さ対策ができるなら、エンジンを切った状態で待つのが安心である。

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