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最終更新日:2019.10.03 公開日:2019.10.03

2018年 全国危ない交差点ワースト10。多発事故の特徴と予防策を詳解。

日本損害保険協会は、都道府県ごとに人身事故の多い交差点をまとめた「2018年版 全国交通事故多発交差点マップ」を発表した。昨年1年間で人身事故件数が最も多かったのは、大阪府・上本町6丁目交差点と福岡県・湯川交差点だった。

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渋谷スクランブル交差点。「世界一混み合う交差点」と呼ばれる交差点だが、2018年全国危ない交差点ワースト10にはランクインしていない。© vacant – stock.adobe.com

 「全国交通事故多発交差点マップ」は、日本損害保険協会が全国地方新聞社連合会および警察庁の協力のもとに毎年発表しているデータ。都道府県ごとに人身事故の多発する交差点をまとめ、交差点ごとの特徴や事故状況、事故要因、予防策を掲載している。本記事では、全国の危ない交差点ワースト10と同マップ常連になっている都道府県ごとの事故多発交差点を詳解しよう。

2018年 全国危ない交差点ワースト10

 2018年に人身事故が多発した「危ない交差点ワースト10」を見てみよう。

2018年 全国危ない交差点ワースト10のうち5か所が大阪府である。出典:日本損害保険協会「全国交通事故多発交差点マップ」

 最も人身事故が多かった交差点は、大阪府・上本町6丁目交差点と福岡県・湯川交差点であった。ワースト3までの交差点それぞれの特徴と発生した事故の種類を詳解しよう。

ワースト1 大阪府・上本町6丁目交差点の特徴と事故予防策
 大阪府・上本町6丁目交差点は、東西に千日前通り、南北に上町筋が交差する四差路交差点。近鉄・上本町駅が近くにあることから、歩行者の通行も多い。ここでは右折車と直進車の衝突事故、左折車と自転車の衝突事故が多数発生しているという。

 右直事故の発生状況は不明だが、千日通りは、片側5車線ある大きな通りで、右折専用車線と右直兼用車線の2車線から右折できる。対向直進車が右折車の陰に隠れてしまい、見落としやすい道路構造であることに注意が必要だ。

 また、交差点の四隅にある街路樹の茂み、地下鉄の入り口が死角となり、左折時に歩道を進行してくる自転車が自転車横断帯に出てくるのを見落とす事故もあり得そうだ。


ワースト1 福岡県・湯川交差点の特徴と事故予防策
 福岡県・湯川交差点は、国道10号と県道湯川赤坂線が交わる四差路交差点。交差点の前後が坂道になっているうえ、交差点が大きく屈曲している。ここでは、わき見や漫然運転による前方車両への追突事故、対向車両の動静確認不十分による右折車と直進車の衝突事故、赤信号の見落としや見過ごしによる出合い頭の事故などが発生している。

 国道10号の上り方向から県道湯川赤坂線への右折専用車線が2車線ある。右折車両が列になっていると、対向直進車が確認しづらいため注意が必要だろう。また、この交差点の前後に、細街路の接続もあり、見るからに複雑な構造である。

 さらには、夕方にバス優先が指定されている車線もあることから、走行する際に気を配らねばならないポイントが多く、難易度の高い交差点であると言えるだろう。


ワースト3 大阪府・梅新東交差点の特徴と事故予防策
 大阪府・梅新東交差点は東西に国道1号と南北に国道423号が交差する四差路交差点。歩道橋が架かっているので、歩行者の横断は東西横断歩道のみとなっている。ここでは、左折時の安全不確認による衝突事故、前方安全不確認による前方車両への追突事故などが発生している。

 国道1号東方面は片側5車線のうち2車線が左折専用車線で常時左折可となっている。しかし、歩道橋にスロープが無いので、歩行者は分離されていても、自転車は分離されていない。左後方からに直進してくる自転車に注意が必要だ。

 また、左折した先にタクシー乗り場があり、停車しているタクシーによって一番左の車線が混雑している可能性がある。

 今回、ワースト10にランクインした8か所の交差点のうち、5か所が大阪府の交差点であった。その5か所の交差点では、年間81件の事故が発生。そのうち左折事故が26件と多かった。

全国交通事故多発交差点「常連交差点」リスト

 同協会はさらに、全国交通事故多発交差点マップに直近10年間で5回以上掲載された交差点を「常連交差点」として公表している。人身事故の起こりやすい常連交差点のリストは以下の通り。

岩手県、茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、富山県、山口県、長崎県の8県は常連交差点がなかったので非掲載。出典:日本損害保険協会「全国交通事故多発交差点マップ」

 上表において、赤色の枠で囲ったのは「十字路の交差点」。Googleマップで確認してみると、十字路の多くは片側2車線以上ある幹線道路が交差している場合が多い。または、近くに高速道路のICがある場合が多いようだ。複数車線があり、見通しが良い道路ではスピードが速くなりがち。交差点への進入速度が高くなりがちであることが人身事故が起こる原因の1つだと考えられる。

 次に、青色の枠で囲ったのは「鋭角な交差点」である。鋭角な交差点では一般的に、自動車が交差点を曲がる際に死角が多くなるため、横断歩道の歩行者や後方から来る自転車などを見落としやすいと言われている。右左折時の周囲状況の確認と横断歩道を進む歩行者や自転車への注意が必要だ。

 どちらの場合も交差点への進入速度を十分に落とし、異変に気づいた時に停車できるようにすること必須だろう。


 交通事故が多発する交差点は、交通量が多く構造が複雑であるなど、同マップの常連となる理由が必ず存在している。身近な常連交差点をチェックし、運転前に交差点の構造を確認しておくだけでも戸惑わなくて済むだろう。特に初めて運転する交差点では、周囲の状況に気を配り、安全な運転を心がけたい。

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