クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

クルマ2018.08.23

スーパーフォーミュラの新型マシン「SF19」がカッコイイ!

この記事をシェア

np180822-01-01.jpg

スーパーフォーミュラの2019シーズンからレースに投入される新型マシン「SF19」。メーカーテスト車両で、ホンダエンジン搭載の11号車。

 ワンメイクのオープンホイール・シングルシーターの専用マシンに乗って、日本最速が誰かを決める国内最高峰のレースが、全日本スーパーフォーミュラ選手権だ。2019シーズンは、イタリアが誇る世界屈指のコンストラクターであるダラーラ・アウトモビリが開発した新型マシン「SF19(えすえふいちきゅう)」がデビューする年であり、大いに期待されている。

 ここでは、JAFスポーツ編集部の協力を得て「SF19」を紹介するとともに、8月18日に発表された2019シーズンの暫定カレンダーも掲載する。

「SF19」はどんなレーシングカー?

np180822-01-07.jpg

現行マシン「SF14」。8月18・19日にツインリンクもてぎで開催された2018シーズンの第5戦で、ポールトゥウィンを飾った、1号車の石浦宏明選手(ジェームス ピーエムユーセルモインギング)。17シーズン王者の今季初勝利。

 「SF19」は、「Quick&Light(クイック&ライト)」コンセプトを掲げた現行シャシーの「SF14(えすえふいちよん)」の発展型で、デザイン面では部分的に踏襲しているほか、コストマネジメントの高効率化ということで、SF14のパーツの多くを流用できるようにも設計された。

 大きく構造的に変化した点は、最新のFIA(国際自動車連盟)の安全基準2016年版を採用したこと。例えば、側突した際にノーズ先端が相手車両のコックピットに突き刺さらないよう、下げられたりした。

 また、F1で導入されている、むき出しのドライバーを障害物などとの衝突から保護するためのデバイス「ヘイロー(HALO)」も装着可能だ(装着しなくてもレース可能な認証を得ている)。そのため、今回掲載した画像はすべてヘイローを装着したものとなっている。

np180822-01-03.jpg

2台あるメーカーテスト車両のうちの、トヨタエンジン搭載車「00号車」。

→ 次ページ:
グリップ力を上げるためにフロントタイヤの幅を増加

フロントタイヤの幅20mmの増加は「SF19」をどう変える?

np180822-01-04.jpg

「SF19」の00号車。テストでの模様。並べて比較しないと見分けられないわずかな差だが、フロントタイヤの幅が20mm太くなった。

 「SF19」の開発には、タイヤサプライヤーである横浜ゴムのデータも大きな影響を与えた。「SF14」はフロントタイヤのグリップがリアに比べると若干低かったことから、シミュレーションからフロントタイヤを20mm拡幅することでさらにグリップ力を上げられ、タイム短縮につながるとした。そのため、250/620R13(タイヤ幅250mm/外径620mm、R=ラジアルタイヤ、ホイール径13インチ)から270/620R13に変更された。リアは引き続き360/620R13だ。

 しかし、オープンホイールのためにむき出しのフロントタイヤは空力を乱す大きな要素であり、横幅20mmの増加はさらなる乱れを生む。そこで、「SF19」では空力面で大きく進化させたとしている。フロア下面を流れる空気流による負圧を重視し、車体上面で発生させるダウンフォース量を減らしているといわれる。リアウイングが生み出す乱流を減らすと、後続車が前走車に接近しやすくなり、それだけ抜くチャンスが増える。抜きつ抜かれつのよりしやすいマシンとなったのである。

 さらにタイヤに関していえば、2019シーズンはサイズだけでなく構造も変更して性能を向上させると同時に、ルール的には2018シーズンで導入された2スペックタイヤの使用を継続するとした。

「SF19」はテスト→フィードバックの真っ最中

np180822-01-02.jpg

「SF19」ホンダエンジン搭載11号車。

 エンジンに関しては、2019シーズンもトヨタとホンダが供給する予定だ。ただし、年間使用基数を2基から1基に減らすことが発表されている。そして現在は、トヨタエンジンを搭載した00号車と、ホンダエンジンを搭載した11号車の2台のテストカーにより、メーカーテストが行われている最中だ。

 すでにシェイクダウンテストは済んでおり、今後は8月30日(木)・31日(金)にツインリンクもてぎで、9月20日(木)・21(金)にスポーツランドSUGOで、10月29日(月)・30日(火)に鈴鹿サーキットでテストが行われる予定だ。

 スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーションの広報によると、現在はこの2台のテストカーを用いてデータ収集を行っているところ。テストで得られたデータを反映し、ブラッシュアップして完成した「SF19」が全11チーム(全19台)に2019年1月に同時に納車されるスケジュールだという。

 現在のテストでは、トヨタ・ホンダ両陣営のドライバーが交代でテストに参加して「SF19」の感触を確かめているところだ。そしてチームに納車された後の2019年2月と3月に合同テストが実施され、そこで本格的なセッティング出しが行われ、4月20日・21日にいよいよ開幕戦を迎えることになる。そのため、スペック的に「SF14」より速いのは明らかだが、明白に何秒上回るといったタイムが出ていない状況だ。

 近年のマシンは非常に細かいセッティングができ、わずか0.25mmの最低地上高の違いなどが1000分の1秒の争いの中では違いが出てくるという。こうしたほんのわずかなセッティングを変更できる箇所がいくつもあるため、実は現在のドライバーは以前よりもよりシビアなセッティング能力を求められるそうだ。

 2019シーズンは「SF19」の初年のため、どのチームのスタッフもドライバーも特に序盤は手探り状態になると思われる。「SF19」もこうした細かいセッティングが可能なマシンのため、なおさらだ。しかし、そうした中でも実績を有するチームや、セットアップ能力の高いドライバーは一気に特性をつかみ、抜け出す可能性がある。気は早いが、「SF19」の最高の性能を引き出せるのは誰か、という視点から2019年のスーパーフォーミュラを見てほしい。

→ 次ページ:
「SF19」のスペックおよび2019シーズン暫定カレンダー

「SF19」のスペック

np180822-01-05.jpg

テストでの11号車の様子。

【サイズ・重量】
全長×全幅×全高:5233×1900×960mm
ホイールベース:3115mm
車体重量:660kg以上

【各種搭載装置・機器】
ギアボックス:リカルド製6速パドルシフトシステム
ブレーキ:ブレンボ製キャリパー・カーボンディスク
ステアリング:KYB製パワーステアリングシステム
サスペンション
 前:プッシュロッド/トーションバースプリング
 後:プッシュロッド

【エンジン】
排気量:2000cc
エンジン種類:直列4気筒ターボ
メーカー:トヨタおよびホンダ

スーパーフォーミュラ2019暫定カレンダー

 まだF1やWEC世界耐久選手権などの世界戦のスケジュールが暫定的なため、今回発表された2019シーズンのカレンダーもまだ確定していない。

 また、鈴鹿サーキットで開催されるスーパーフォーミュラの最終戦は、近年は伝統のJAFグランプリの名を冠したレースとなり、2019シーズンも第18回として開催されることが決定している。

第1戦:4月20日・21日 鈴鹿サーキット(三重)
第2戦:5月18日・19日 オートポリス(大分)
第3戦:6月22日・23日 スポーツランドSUGO(宮城)
第4戦:7月13日・14日 富士スピードウェイ(静岡)
第5戦:8月17日・18日 ツインリンクもてぎ(栃木)
第6戦:9月28日・29日 岡山国際サーキット(岡山)
第7戦:10月26日・27日 鈴鹿サーキット(第18回JAFグランプリ)

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(2月29日まで)
応募はこちら!(2月29日まで)