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クルマ最終更新日:2018.03.24 公開日:2018.03.24

自動運転の車線変更時のハンドル操作に関する国際基準が成立

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自動運転のイメージ。現在、車線変更機能の搭載車は、メルセデス・ベンツなど、いくつかのメーカーから発売されているが、開発はメーカーごとの基準で行われてきた。今回、国際基準が成立したことから、今後は共通の基準が適用になりそうだ。

 国土交通省は3月20日、国連の欧州経済委員会(UN-ECE)傘下の「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」第174回会合において、自動運転において車線変更を自動で行うハンドル操作に関する国際基準が新たに成立したことを発表した。

 WP29傘下には自動運転に関する検討を行う専門分科会が7つあり、そのひとつである「ブレーキと走行装置(GRRF)」(イギリスが議長、日本は副議長)の中の「自動操舵専門家会議」(議長は日本とドイツ)において、今回の国際基準が成立した。

 これまではメーカーそれぞれが考えてきたわけだが、今後はこの国際基準に則って自動操舵技術が開発されていくものと思われる。

 同時に、WP29傘下の分科会「自動運転分科会」においては、自動運転車の自動化レベル「レベル4」の認証方法について検討を開始することで合意した。

 国土交通省などが考えているレベル4とは、「特定条件下における完全自動運転」を示し、特定条件下において自動運転システムがすべての運転タスクを実施するというものだ。

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国交省の「自動運転のレベル分けについて」。これらのレベルは、自動運転技術のレベルを分類しているもので、それを採用したクルマがすべて自動運転車というわけではない。よく勘違いされるので注意が必要な点である。自動ブレーキや、前走車について走る「ACC」、車線を維持しながら走る「LKAS」などは、現在多くのクルマが装備しており、これらはレベル1に含まれるが、もちろん自動運転車と言える内容のクルマではない。

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続いて、WP29による自動運転関連の今後の予定!

国連における自動運転関連の検討に関する今後の予定

 なお今後のWP29の予定も紹介しておく。まずは、今回の専門分科会のGRRFについて。その中の「自動ブレーキ専門家会議」(議長国は日本とEC)では、乗用車の自動ブレーキの基準を策定中だ。

 次は、自動運転分科会の予定について。その中の「自動運転認証タスクフォース」(議長国は未発表)は、この3月末に第1回会合を開催する予定だ。ここでは、物理的な試験、自動車メーカーによるシミュレーションなどの確認および走行試験についての詳細な検討が開始されるという。

 続いては、自動運転分科会傘下のもうひとつの分科会である「サイバーセキュリティタスクフォース」について(議長国は日本とイギリス)。17年3月に成立したサイバーセキュリティガイドラインを補足するため、具体的要件の検討を実施し、18年6月の成立を予定している。

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国交省が今回発表した資料のひとつの「国連における自動運転の車両に関する技術基準の検討体制」。下の一覧が、各分科会の最近の主な成果と今後の予定だ。自動運転の国際基準に関して、日本が中心国のひとつであることがわかる。

2018年3月24日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

 

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