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ライフスタイル最終更新日:2017.04.10 公開日:2017.04.10

レシピ01:「この辺りで、お昼ごはん♥」の作り方

いよいよ始まりました! ミニチュア写真家である、私、田中達也の新連載「MINIATURE”CAR”LIFE」。われわれが普段遣いしている日用品とフィギュア、そしてミニカーを組み合わせて創るファンタジックなジオラマは、どのようにして作っているのか……その舞台裏をここでは紹介しましょう!

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記念すべき第1回は、「この辺りで、お昼ごはん♥」

もうすぐゴールデンウィーク。会社や学校で新しい出会いがあって、最初の大型連休! 恋をしたばかりの2人が、ドライブに出かけるなんてこともあるはず。

そこで、サンドウィッチを山脈、パセリを森に見立てた情景の中、2人を乗せたスポーツカーが駆け抜ける様をジオラマにしました。

真っ赤なオープンカーで見栄を張る彼。
手作りのサンドウィッチをバッグに忍ばせている彼女。
2人が走るのは新緑もゆるパセリの森。
その向こうに見えるのは、サンドウィッチの山脈。
パセリの森から2人を見つめるシカの夫婦のように、
私たちも2人の恋がうまくいきますように……と温かく見守りたくなります。

そんな作品の作り方は……。

→次ページ:「この辺りで、お昼ごはん♥」を表現した材料

「この辺りで、お昼ごはん♥」を表現した材料

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サンドウィッチとパセリの食品サンプル

一見、本物のように見えますが、ともに展示用の食品サンプル。本物は乾いてしまったり、しなびてしまったりしてしまいますが、食品サンプルならそんなことにはなりません。本物を使う場合は、早めにセッティングして、きちんと食べましょう!

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タカラトミーNo.26 マツダロードスター(486円)

4代目ロードスターのモデルで、ルーフ部は着脱式だから、オープンカー仕様にもなるんです。赤いクルマやオープンカーって、女性の気を惹きたい男性が持っていそうなイメージがあるんですよ。若いカップルがドライブに使うクルマの象徴として、これを選びました。

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イスに座った男女のフィギュア/ シカのフィギュア

ドイツのフィギュアメーカー、プライザー社のフィギュアです。人形は、男性は運転しているように、女性ははしゃいでいるように見えるモデルをセレクト。シカは夫婦に見えるものを選んでいます。数あるフィギュアの中から、ストーリーにあったポーズを探すのが楽しいですよ。

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青空とランチョンマット柄のプリント

サンドウィッチ山脈の奥に広がる空、草原をイメージしたギンガムチェック柄のランチョンマットは、ともにプリンターで印刷したものです。草原の表現に芝生柄を選ぶとリアルすぎる。あえて緑色のギンガムチェックにすることでメルヘンな世界観にしたんです。

→次ページ:いよいよ撮影!

いよいよ撮影!

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(1)遠近法を使って、奥行きを出せ!

青空とランチョンマット柄のプリントを組み合わせたら、そのつなぎ目が見えなくなるようにサンドウィッチの食品サンプルを配置しましょう。

その際、整然と並べるのではなく、本物の山脈のように、少しまばらに置くとリアリティがアップしますよ。

その手前にパセリの食品サンプルを配置する際にも注意が必要。絵画などで用いられる”遠近法”を使い、手前に小ぶり、奥に大きく切り分けたものを置くことで、奥行きを感じさせる作品になります。

(2)イスを外して、クルマにフィギュアを配置

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ミニカーはルーフ部を取り外してオープンカー仕様にした後、運転席と助手席に男女のフィギュアを配置しました。もちろん、フィギュアについているイスは使いませんでした。

(3)構図を決め込んだら、いざ撮影!

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デジカメのライブビュー機能などを使い、フィギュアやミニカーなどの位置を微妙に調整しつつ、構図を決め込みましょう。

撮影する際に注意したのは奥行き! ジオラマはフラットに撮影するとリアリティに欠けてしまいます。

今回はピントをスポーツカーに合わせ、サンドウィッチの山脈を少しボカして奥行き=雄大な自然の風景のように感じさせる演出をしました。

一見、難しそうな「MINIATURE”CAR”LIFE」の世界ですが、肝心なのは想像力! 毎月、新しい作品とその作り方を紹介しますので、皆さんも参考にしてみてください。次回もお楽しみに!

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ミニチュア写真家:田中達也(たなか たつや)

1981年、熊本県生まれ。 鹿児島に移り、広告関連のアートディレクションに携わって いたがInstagramにアップしていた作品の人気を受け「ミニチュア写真家」へと転身!ハリウッド映画『アントマン』に作品を提供するなど、世界的にも活躍する。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』のタイトルバックも担当。

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写真集『MINIATURE LIFE』『MINIATURE LIFE2』(水曜社)を上梓。
彼の作品は、http://miniature-calendar.comをチェック!

企画構成・文/寺田剛治

「MINIATURE “CAR” LIFE」の最新号やバックナンバーを読みたい方はこちら

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