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最終更新日:2024.08.08 公開日:2024.08.08

曇っていても危険! JAFが真夏の車内温度を検証。約1時間で40℃超えに。

毎年のように繰り返されている、真夏の車内に残された子どもが熱中症で死亡してしまう事故。JAFが行った「車内温度の変化」と「熱中症の危険性」に関するユーザーテストの検証結果をもとに、真夏の車内の危険性を改めて考えたい。

文=KURU KURA編集部

資料=JAF

車両のサイズの違いによる車内温度の変化を検証

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毎年のように繰り返されている、真夏の車内に残された子どもが熱中症で死亡してしまう事故。キーの閉じ込みといったアクシデントのほか、「ほんの数分の用事なら」「冷房の効いた車内なら」と分かっていながら置いていくケースなど、原因はさまざまだろう。JAFが行った「車内温度の変化」と「熱中症の危険性」に関するユーザーテストの検証結果をもとに、真夏の車内に子どもだけ置き去りになった場合の危険性を改めて考えたい。

今回のテストでは、幼稚園の送迎用バスとミニバンを使用。各車両のエアコンを切った後、車内温度の変化と熱中症の危険度を示す暑さ指数(WGBT)の変化を検証した。

※「暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)」とは
熱中症の予防を目的として1954年にアメリカで提案された。人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目し、人体の熱収支に与える影響の大きい(1)湿度、(2)日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、(3)気温の3つを取り入れた指標となっている。温度と同じ(℃)で表記される。

車内温度の変化について検証

車内(空間)やダッシュボード、座席の背もたれ、手すりの4か所にセンサーを設置し、エアコン停止時からの温度を測定した。車内温度の変化については赤外線サーモグラフィを用いて測定。当日の条件は、以下の通り。

実施日:2023年8月28日正午より実施
テスト場所:東京都認可さかえ幼稚園(東京都練馬区)
気温:31.4度(曇り)→2時間後に34度(晴れ)
テスト車両:送迎用バスとミニバン
テスト内容:
(1)車内温度の変化について検証

車内(空間)やダッシュボード、座席の背もたれ、手すりの4か所にセンサーを設置し、エアコン停止時からの温度を測定した。車内温度の変化については赤外線サーモグラフィを用いて測定。
(2)熱中症の危険性について検証
熱中症指標(暑さ指数)を測定。送迎用バスの車内後方に設置し、エアコン停止時から暑さ指数を測定した。開始時の暑さ指数は送迎バス:17.8℃、ミニバン:18.5℃で開始。

■車内温度の変化
車内温度25℃
↓3分後
車内温度27.5℃(注意レベル)
↓10分後
車内温度31.3℃(警戒レベル)
↓21分後
車内温度34.7℃(厳重警戒レベル)
↓41分後
車内温度38.6℃(危険レベル)

車内温度の変化では、車両の大きさによる大きな差は見られなかった。送迎用バス・ミニバンともに、曇りの条件下でも1時間後には車内温度が40℃を超えた。途中から日差しも出て、最終的に車内温度は48℃まで上昇した。特にダッシュボードは57.8℃まで上がった。曇りの状態でも一定の温度までは上昇したが、日が出た時間はさらに温度が上昇した。

ミニバンは送迎用バスに比べて、ダッシュボードの温度上昇が大きかった。これは、ミニバンの方がフロントガラスの角度が浅く、より直射日光が当たっていたため、さらに温度が高くなったと考えられる。

熱中症の危険度について検証

テスト開始時の熱中症の危険度を示す暑さ指数は送迎バスで17.8℃、ミニバンで18.5℃だった。実験開始後、わずか3分で暑さ指数は注意レベルに上昇。10分後に警戒レベル、21分後には厳重警戒レベル。そして41分後、危険レベルに達した。

真夏の車内温度の変化について、テストを受けてのまとめ

車両の大きさによる車内温度の変化に大きな差はなく、曇りであっても1時間で危険なレベルにまで達することがわかった。また、帝京大学医学部付属病院の三宅教授によれば、「体が小さく、体温を調節する機能が未熟な子どもは大人と比べて暑さに対する抵抗力は弱く、多くの水分が必要になる。短時間でも車内に放置することは危険なため、絶対にやめてほしい」とのこと。

この結果を受けJAFは、天候や気温に関わらず、子どもを絶対に車内に置いていかないようにするとともに、ドライバーも長時間の運転は避け、水分やタオルなどを準備の上で小まめな休憩を取るように呼びかけている。

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