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最終更新日:2021.10.25 公開日:2021.10.25

電動キックボードのルールを解説。ヘルメットは必要なの?

街中の新たな移動手段として注目を集めている電動キックボード。シェアリングサービスも始まった気軽な電動モビリティだが、現状、2種類のルールが存在していることもあり、ユーザーには利用法が分かりづらい状況となっている。そもそもヘルメットは必要なのか?を始め、2種類のルールの違いと守るべきことを分かりやすく紹介。

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自転車の仲間ではない。公道走行にはナンバープレートが必須

©kegfire – stock.adobe.com

 手軽でスタイリッシュな移動手段として注目を集めている電動キックボードは、都市部の公道で見かけることも増えてきた。しかし、一方で、クルマや歩行者と衝突、接触する事故なども報じられるなど、社会問題にもなっている。見た目は、動力のないキックボードと似ているので、自転車や遊具の延長で考えている人も多いかもしれないが、”電動”になると利用上のルールも大きく変わってくる。ここで、しっかりとおさらいをしておこう。

 まず最初に知っておいてほしいのは、電動キックボードには原則ルールが適用されるものと、大幅に緩和したルールが適用される「特例電動キックボード」があり、同じ形をした電動キックボードでも守らなければならないルールが異なることだ。ユーザーにとっては勘違いの原因にもなり、早期の改善を望みたいところだが、現状、2つのルールがあることを頭に入れた上で、まずは原則のルールを見ていこう。

 電動キックボードは、法律上どのような区分になるのだろうか。警視庁のWebサイトには、「キックボードに取り付けられた電動式のモーター(原動機・定格0.60kw以下)により走行する電動キックボードは、道路交通法並びに道路運送車両法上の原動機自転車に該当する」と書いてある。つまり、原付バイクと同じ扱いということで、50cc以下の原付を運転する場合と同じ免許が必要だ。無免許の場合は、道交法違反となり3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。

 道路においても原付同様、通行できるのは車道のみである。当然、逆走や歩道の通行は認められていない。そして、制限速度は時速30キロとなっている。ヘルメット着用も必要だ。また、電動キックボードは車両扱いなので、以下のような保安装置を備え、ナンバー登録を行うことも必要になる。当然、地方税法で定められている軽自動車税(市区町村税)を納付する義務があることも忘れてはならない。

出典=国土交通省

【電動キックボード等に必要な保安装置】
・前照灯
・警音器
・後写鏡(サイドミラー)
・制動装置(独立に作用する2系統以上の制動装置)
・方向指示器、速度計(※)
・尾灯、制動灯、番号灯(※)
・後部反射器(リフレクター)

※最高速度時速20キロ未満は不要

 これらの整備がひとつでも欠けていると整備不良車両と見なされ、そのまま運転した場合には、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる。ちなみに、サイドミラーについては、法律上時速50km以下の車両は、左右のどちらかに装着していればよいというが、走行中の安全性を高めるためにも左右どちらにもサイドミラーが付いている方が好ましいといえよう。走行する上で、安全性を確保するために必要となる装置のため、電動キックボードを購入、使用する際にはこれらの装置が装備されているか確認するようにしたい。

 さらに、電動キックボードは自賠責保険(あるいは同共済)の契約をすることも必須なのだ。これは、自動車損害賠償保障法に基づくものである。電動キックボードを運転する際に、これらの保険の契約が締結されていなければ、無保険運行となり1年以下の懲役または50万円以下の罰金となる。

特例措置で、ヘルメット着用が任意の特例電動キックボード

電動キックボードシェアリングサービスのポートイメージ ©Meiji – stock.adobe.com

 一方、最初に説明した特例電動キックボードとは何なのか。

 そもそも電動キックボードは、欧州を中心にシェアリングサービスによって広く普及した乗り物だ。この新しい乗り物サービスの日本での試行のために、政府の「新事業特例制度」により、期間を限定した特例措置が定められたのである。

 これにより、道交法上、特例電動キックボードの走行区分が原付ではなく特殊小型自動車として位置づけられ、制限速度が時速15キロに下がる一方、ヘルメットの着用が任意となり、車道のほかに普通自転車専用通行帯(自転車レーン)や自転車道が通行できるようになった。自転車を除く一方通行の標識がある道路では、一方通行が解除され、電源を切って押し歩きをすれば歩行者とみなされる。

 電動キックボードの特徴に合わせて使い勝手はよくなったが、自転車感覚で使ってしまうと危険を招く可能性もある。利用者が、安全な乗り方をしっかり認識をして使う必要がありそうだ。また、ヘルメットは任意だが、自分を守るためにも着用した方がよいのは言うまでもない。

 なお、これらの特例措置は「新事業特例制度」が適用された事業者の特例電動キックボードに限られる。個人等で購入した電動キックボードは、ヘルメット着用が必須など、原則通りの原付扱いとなるので注意してほしい。

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