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最終更新日:2023.06.19 公開日:2021.02.04

自動運転の用語を正しく!レベルの呼称を国交省が発表。関連用語の概説も。

最近、車の安全機能や自動運転に関わる言葉をよく聞くようになったが、ユーザーには理解が難しく、よく分からないという人も多いのではないだろうか。国土交通省が取り組むASV推進計画では、自動運転車両のレベルに応じた呼称や、先進安全自動車(以下ASV)の基本用語の概説、ASV技術の共通名称と各メーカーの商品名の関係を取りまとめた表などを作成し、公表しているので紹介しよう。

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レベル3の呼称は「条件付自動運転車(限定領域)」

自動運転車両の呼称 出典:国土交通省資料

 国土交通省が取り組んでいる「ASV推進計画」では、2020年12月11日、今後の普及が見込まれる自動運転車に関して、ユーザーが自動運転車の機能を過信することがないよう、自動運転レベル3以降の車両の呼称を策定し公表した。自動運転車は、その機能によってレベル3~5として呼ばれることが多いが、それぞれのレベルがどのような機能を持った自動運転車なのかが分かりづらいため、ユーザーのミスリードを招く心配があった。また、メディアによって呼び方にばらつきがあるため、ユーザーの混乱を招く恐れもあった。今回策定された呼称は、レベル3は「条件付自動運転車(限定領域)」、レベル4は「自動運転車(限定領域)」、レベル5は「完全自動運転車」というもの。ちなみにレベル1とレベル2の呼称は、2018年に、自動運転車ではなく「運転支援車」と決めている。

今回の資料には、それぞれの自動運転レベルの概要や運転操作の主体についても説明がある。注目したいのは、レベル3の概要だ。「自動運転装置の作動中に、(中略)装置が正常に作動しない恐れがある場合、運転操作を促す警報が発せられる(後略)」とある。つまりハンドルから手を放してOKであるとするレベル3の作動中でも、自動運転が困難となった場合には、ドライバーへ運転するように促す警報が鳴り、運転を交代する必要があるということだ。

「限定領域」「条件付」って、どういう意味?

レベル3以上の自動運転のイメージ © metamorworks- stock.adobe.com

 そもそもレベル3の呼称にある「限定領域」と「条件付」とは、どのようなことなのだろうか? まず限定領域とは、レベル4以下の場合、自動運転装置を作動できるのは、たとえば高速道路とか、時速50キロ以下といった、自動運転装置を作動できる領域が限定されているということ。この領域がないのがレベル5になる。

一方の「条件付」というのは、前述した運転交代を要求されることを指している。つまり、レベル3は自動運転できる領域が限られていて、さらに領域内であっても「自動運転はムリです」と、運転交代を要求されることがある。レベル4なら、領域内であれば運転交代を要求されることはない。

同時に発表されたASV技術用語解説

この「限定領域」「条件付」だけでなく、各自動運転レベルの呼称に添えられている「運転支援車」「自動運転車」「完全」という用語もある。この呼称発表と同時に、先進安全自動車(以下ASV)技術に関する用語の概説というものも発表している。

このなかでも基本用語にある「自動運転車」と「運転支援車」の違い、各「自動運転レベル」の解説欄を確認してほしいが、特に「サポカー 安全運転サポート車」が自動運転車でないという解説に注目しほしい。衝突被害軽減ブレーキが広く「自動ブレーキ」と呼ばれるようになったこともあり、自動運転の一種と思っている方もいるかもしれないが、サポカーを始めとしたレベル2の車は、運転の主体が常にドライバーにある運転支援車であって、自動運転車ではない。

ASV技術に関する「基本用語」概説の抜粋

※概説は2020年2月1日時点の内容であり、今後の動向や国際的な議論なども踏まえて適宜更新していく。 出典:国土交通省資料

 運転支援車の技術も急速に進化しており、自動運転車の登場も近そうだ。ただし、それぞれの車で、できることとできないことがある。これらの概説や資料で全体像が分かると思うので、ぜひ参考にしてほしい。また、より分かりやすい資料の提供を期待するとともに、自動運転車の呼称についても、省庁間でさえ異なっているのが現状。ユーザーが正しく理解できるよう、ぜひこれを機会に統一をはかってほしいものである。


なおASV技術関連用語の概説は上記の基本用語に加えて、2019年3月末時点で「実用化ASV技術の一覧」という資料も発表している。これは同じ機能でもメーカーごとで名称がバラバラであることを踏まえて、共通名称を定めたものである。この資料を「この記事の写真を見る」に掲載してあるので、自分の車に装備されているASV機能の共通名称を確認しておくと、他メーカーの同じ機能を理解するのに役立つだろう。

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