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最終更新日:2018.06.19 公開日:2018.06.19

【JNCAP2017】衝突安全・全15車種

衝突安全の評価試験は、実車を3台もクラッシュさせる、クルマが好きな人間からしたら目を覆いたくなるようなテストである。画像は、トヨタ「ルーミー」の側面衝突試験の様子。運転席に座らされているダミーに複数のセンサーが取り付けられており、衝突時にドライバーにかかる各部の加速度などを計測し、衝突安全性能を評価する。画像提供:NASVA

 国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が毎年2回、前期と後期に分けて発表している、「自動車アセスメント(JNCAP)」。2017(平成29)年の後期の評価結果の発表が5月31日に行われた。それによると、「予防安全性能評価試験」(予防安全)を受けた車種が全20車種、「衝突安全性能評価試験」(衝突安全)を受けた車種が全15車種となった。

 ここでは、実際に衝突してしまった際にどれだけ乗員や歩行者などを守れるかを扱う衝突安全について、15車種を得点順にランキングにして紹介する(予防安全に関するランキング記事はこちら)。

2017年の衝突安全の試験内容3項目について

 衝突安全で行われる評価試験は、「歩行者保護性能評価」(100点満点)、「乗員保護性能評価」(100点満点)、「シートベルトの着用警報装置」(8点満点)の大別して3種類があり、合計208点満点で評価される。

 歩行者保護性能評価は、人の頭部および脚部を模したダミーを車体のしかるべき部分にぶつけて衝撃度合いを計測して点数化。乗員保護性能評価は、ダミー人形を搭乗させたクルマを実際に衝突させ、乗員が受ける衝撃度合いを計測して点数化。シートベルトの着用警報装置は、運転席以外のシートベルトの着用を促すために行われているもので、警報の種類やタイミング、表示位置などを評価して点数化している。

衝突安全性能評価試験の様子を見られる映像。クルマはマツダの大型クロスオーバーSUV「CX-8」。乗員保護性能評価試験での衝突試験は、真正面から衝突する「フルラップ前面衝突試験」、衝突ポイントが運転席側に偏った状態の「オフセット前面衝突試験」、そして側面(運転席側)からの「側面衝突試験」の3種類。そのほか、後方から追突されたときにどれだけシートがドライバーの頚部(首)の保護をできるかを調べる「後面衝突頚部保護性能試験」もある。また、歩行者保護性能評価試験は、ボンネットやフロントウィンドウなどに頭部インパクタをぶつけて頭部の保護性能を調べる「頭部保護性能試験」と、脚部インパクタをバンパーにぶつけて脚部の保護性能を調べる「脚部保護性能試験」の2種類の映像を見られる。映像提供:NASVA

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まずは1位と2位から!

2017年衝突安全・まずは上位2台から!

 総合得点が208点満点であることから、感覚的にわかりやすくするために100点満点に換算した点数も併記した。3項目の合計が総合得点よりも少ないのは、歩行者保護の一部の試験が2016年度から変更になり、総合得点を計算する際に補正されている関係。

 また総合評価は5つ★が最高で、そのクルマは「ファイブスター賞」が授与される。

 そしてマークには、【SCAあり】、【感電なし】、【ASV++】、【ASV+】の4種類がある。それぞれ衝突試験とは別に行われた試験で評価されたものを表している。

 【SCAあり】は、乗員保護の側面衝突試験においてサイド・カーテン・エアバッグの評価を実施したことを表す。【感電なし】は、ハイブリッドカーやEVに行われる試験で、衝突後に感電保護性能評価試験を実施して評価基準に適合した車種。そして【ASV++】もしくは【ASV+】は、予防安全で好成績を収めたことを意味する。予防安全79点満点中の12点以上で【ASV+】、46点以上で【ASV++】だ。

 今回は対象車の画像は、すべてNASVAから提供を受けた実際の衝突試験のもの。激しい衝突シーンばかりなので、心してご覧いただきたい。

1位:CX-8(マツダ)New!
総合得点:193.9点(93.2点)

総合評価:★★★★★(ファイブスター)

歩行者保護:90.23 乗員保護:96.67 シートベルト着用:4.00
OKマーク:【SCAあり】【ASV++】

試験を受けたグレード:XD PROACTIVE ※後期

フルラップ前面衝突試験を受けるマツダ「CX-8」。「CX-8」は17年12月14日に発売された、マツダの最新のクロスオーバーSUVで、「CX」シリーズ中で最も大型である。後期初登場で、歩行者保護性能90点超えは全15車種中で「CX-8」だけ。それが成績全体にも貢献し、17年の衝突安全ランキングで第1位となった。現在、乗員保護性能で90点台の車種は増えているが、一方で歩行者保護性能が90点台の車種はまだまだ少ない。上位を狙うためには、歩行者保護にも力を入れてクルマを開発する必要がある。合計で190点を超え、2011年からの同一試験内容を受けた全96車種中で2位にランクインした。画像提供:NASVA

「CX-8」の頭部保護性能試験の様子。接触事故で車体にに乗り上げてしまった歩行者の頭部が、ボンネットやフロントウィンドウに打ちつけられることを想定した評価試験。試験では、車体前部上面の、頭部を打ち付ける可能性がある複数の部位に対して、頭部インパクタを時速40km(自動車の衝突速度だと時速50kmに相当)で発射。衝突時の衝撃を計測し、頭部に与える傷害値を算出。頭部の傷害の程度を5段階で評価するようになっている。「CX-8」はボンネット後端を持ち上げ、頭部が打ちつけられた時に変形して衝撃を緩和できるようにした「アクティブボンネット」を採用。また、フロントウィンドウへの衝突も考慮し、ガラスの支持部が潰れることで衝撃を吸収する構造となっている。「アクティブボンネット」はマツダだけではなく、トヨタやホンダでも同様の機構を採用した車種がある。画像提供:NASVA

 

2位:CX-5(マツダ)
総合得点:187.3点(90.0点)

総合評価:★★★★★

歩行者保護:81.12 乗員保護:95.45 シートベルト着用:4.0
OKマーク:【SCAあり】【ASV++】

試験を受けたグレード:XD PROACTIVE ※前期

第2位に入ったのもマツダのクロスオーバーSUVで、17年2月に発売されたミドルクラスの「CX-5」だ。前期の1位だった。画像は、「CX-5」がオフセット前面衝突試験を受けたところ。同試験は対向車との衝突を回避しようとしたが間に合わず、対向車に時速55kmで衝突したことを模擬している。衝突したポイントが運転席側に偏っているため、車体後部が大きく左側に振られるのがこの試験の特徴。「アクティブボンネット」は備えていないが、「CX-8」と同等の頭部保護および脚部保護機構を備える。画像提供:NASVA

「CX-5」の脚部保護性能試験の様子。脚部インパクタ(赤い縦長の物体)をバンパーに時速40kmで衝突させ、内部に搭載されたセンサーで衝撃を計測。ヒザやスネの傷害値を計測し、脚部の傷害の程度を5段階で評価する(2015年までは4段階評価だった)。「CX-5」も「CX-8」も、フロントバンパー内部にはヒザの高さの辺りに「EAフォーム」、スネ・ふくらはぎの高さの辺りに「ロアスティフナ」というフレームを備えており、歩行者のヒザが横方向に折れ曲がらないよう工夫されている。また「CX-5」も、歩行者の頭部保護のため、頭部をフロントウィンドウにぶつけた際に衝撃を逃がすため、ガラス下端の支持部が潰れる構造が採用されている。画像提供:NASVA

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続いて3~5位!

3位:C-HR(トヨタ)
総合得点:185.8点(89.3点)

総合評価:★★★★★

歩行者保護:82.71 乗員保護:91.36 シートベルト着用:5.67
OKマーク:【SCAあり】【感電なし】【ASV++】

試験を受けたグレード:G ※前期

フルラップ前面衝突試験を受けたトヨタ「C-HR」。同試験は、コンクリート製の固いリジッド・バリアに、真正面から時速55kmで衝突するという内容。この試験は、同じクルマ同士が正面衝突したことを模擬している。16年12月発売の「C-HR」は、トヨタの衝突安全ボディのコンセプトである「GOA(ゴア:Global Outstanding Assessment)」に、新たに提唱された「TNGA(Toyota New Global Architecture)」コンセプトが加えられた最新版となっている。ボンネットやフロントバンパーなどは、歩行者保護の衝撃緩和構造を採用。画像提供:NASVA

4位:N-BOX(ホンダ)/軽
総合得点:184.1点(88.5点)

総合評価:★★★★★

歩行者保護:83.67 乗員保護:88.80 シートベルト着用:6.00
OKマーク:【SCAあり】【ASV++】

試験を受けたグレード:G Honda SENSING ※前期

17年9月にフルモデルチェンジして2代目となったホンダ「N-BOX」。画像は、フルラップ前面衝突試験において、バリアに衝突した瞬間を助手席側から撮影したもの。助手席が見えないのは、前面のエアバッグに加えて、SCA(サイド・カーテン・エアバッグ)も展開しており、ちょうどふさいでいるため。ホンダの衝突安全ボディには、衝突時の衝撃(G)を制御する技術である「G-CON」が導入されている。2代目「N-BOX」のフレームは初代から大きく改良されており、80kgの軽量化を達成した。2代目のフレームについては、こちらの記事で詳しく特徴を解説した。画像提供:NASVA

 

5位:JPN TAXI(トヨタ)
総合得点:182.9点(87.9点)

総合評価:★★★★★

歩行者保護:78.59 乗員保護:90.53 シートベルト着用:6.0
OKマーク:【感電なし】【SCAあり】

試験を受けたグレード:匠 ※前期追加

17年10月に発売したトヨタ「JPN TAXI」。画像は、その側面衝突試験の様子だ。側突された衝撃でダミーの頭部がサイドガラスに打ち付けられるところだったが、SCA(サイド・カーテン・エアバッグ)が展開して保護されている。側突試験では、サイドガラスが割れて飛び散るクルマも少なくないが、「JPN TAXI」はそうはなっていない。SCAが展開した衝撃でサイドガラスは割れずに窓枠から外れているのがわかる。また、ボディは歩行者被害軽減ボディとなっている。画像提供:NASVA

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次は6~10位

6位:ステップ ワゴン(ホンダ)
総合得点:180.9点(87.0点)

総合評価:★★★★★

歩行者保護:77.21 乗員保護:91.33 シートベルト着用:4.0
OKマーク:【感電なし】【SCAあり】【ASV++】

試験を受けたグレード:SPADA HYBRID G Honda SENSING ※前期追加

15年4月にフルモデルチェンジして5代目となったホンダの大型ミニバン「ステップ ワゴン」。画像は、オフセット前面衝突試験でデフォーマブル・バリアに衝突した瞬間を撮影したものだ。「ステップ ワゴン」にも、ホンダが独自開発した衝突時の衝撃(G)を制御する技術「G-CON」が導入された衝突安全ボディが採用されている。この画像からは、衝突した部分のみが激しく壊れているように見えるが、衝撃が後方にも伝わっており、サイドシル部分にも歪みが見て取れる。画像提供:NASVA

7位:シビック(ホンダ)
総合得点:180.8点(86.9点)

総合評価:★★★★★

歩行者保護:69.49 乗員保護:93.82 シートベルト着用:5.00
OKマーク:【SCAあり】【ASV++】

試験を受けたグレード(ボディタイプ):SEDAN ※前期追加

17年9月にフルモデルチェンジして10代目となったホンダ「シビック」。「シビック」は、歩行者との接触事故の際に、歩行者の頭部がボンネットに叩きつけられる際の衝撃を和らげるため、ボンネット後端を持ち上げる「ポップアップフードシステム」を備える。ボンネットの位置が低い車種は、ボンネットのすぐ下にエンジンなどの強固なパーツがあることが多く、ボンネットが衝撃を受け止めるための歪んで変形できるスペースがあまりない。そこでスペースを稼ぐために考え出されたのが、同システムである。ホンダは2004年に開発し、現行モデルでは「シビック」のほかに「NSX」と「レジェンド」でも採用している。画像提供:NASVA

 

8位:トール(ダイハツ)※SCA付き
総合得点:180.3点(86.7点)

総合評価:★★★★

歩行者保護:78.70 乗員保護:87.90 シートベルト着用:6.00
OKマーク:【SCAあり】【ASV+】

評価試験を受けたグレード:OEM車「ルーミー カスタムG」(トヨタ) ※前期

ダイハツが軽自動車の技術を導入して開発した、トールワゴン型コンパクトカー「トール」(実際に試験を受けた車種は、OEM車のトヨタ「ルーミー」)。16年11月に発売された。画像は、SCA搭載グレードの側面衝突試験の様子。「トール」はSCA(サイド・カーテン・エアバッグ)があるグレードとないグレードそれぞれ別個の車種として試験を受けており、乗員保護性能評価で10.67点の差が出た。SCAなしは次ページで紹介している。画像提供:NASVA

 

9位:リーフ(日産)
総合得点:179.4点(86.3点)
総合評価:★★★★★

歩行者保護:67.82 乗員保護:94.78 シートベルト着用:4.0
OKマーク:【感電なし】【SCAあり】【ASV++】 ※ASV++は2016年の評価 ※前期追加

2017年10月にフルモデルチェンジして2代目となった、日産のEV「リーフ」。画像は、オフセット前面衝突試験の様子。EVやハイブリッド車の事故で心配なのが高電圧部品。「リーフ」では衝突事故が発生した際に、まず衝突検知システムで高電圧を遮断してしまう。またフレームでメインバッテリーを確実に保護するなど、複数の仕組みで感電から搭乗者を守っている。そのほかの高電圧部品も、レイアウトや車体構造の工夫によって堅固に保護されており、感電事故は起こさないよう設計されている。ちなみに「リーフ」は累計で約30万台が世界で販売されているが、感電事故は一度も起こしていないそうである。画像提供:NASVA

 

10位:スイフト(スズキ)New!
総合得点:178.3点(85.7点)

総合評価:★★★★★

歩行者保護:78.87 乗員保護:87.80 シートベルト着用:4.00
OKマーク:【SCAあり】【ASV++】

評価試験を受けたグレード:HYBRID RS ※後期

16年12月にフルモデルチェンジした、後期初登場のスズキのスポーツタイプ・コンパクトカー「スイフト」。スズキのクルマは、同社が開発した高強度かつ軽量な衝撃吸収ボディ「TECT(テクト:Total Effective Control Technology)」を採用しており、「スイフト」もその1車種。画像は、フルラップ前面衝突試験の様子で、一度バリアに衝突した後に反動で少し下がった瞬間だ。フロント部分の壊れ方で衝突エネルギーの大きさがわかる。しかし、フロント部分がクラッシャブルゾーンとして壊れることで、その衝突エネルギーが確実に吸収されており、ダミーの乗るキャビンがほぼ変形がないことも見て取れる。画像提供:NASVA

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最後は11~15位!

11位:トール(ダイハツ)※SCAなし
総合得点:169.6点(81.5点)

総合評価:★★★★

歩行者保護:78.70 乗員保護:77.23 シートベルト着用:6.00
OKマーク:【ASV+】

評価試験を受けたグレード:OEM車「ルーミー カスタムG」(トヨタ) ※前期
OEM車:ルーミー/タンク(トヨタ)、ジャスティ(スバル)

ダイハツ「トール」SCAなし(試験を受けたのは、OEM車のトヨタ「ルーミー」)。SCA付きと比較できるよう、側面衝突試験を正面からとらえた画像を掲載した。サイドガラスが割れているが、今回はダミーの頭部が当たって砕けたわけではない。ただし、クルマによっては頭部を打ち付けてしまう危険性が大いにあり、SCAは重要だ。ダイハツの衝突安全ボディ「TAF(タフ:Total Advanced Function)」は、フロントサイドメンバー(両サイドにあり、車両前端からタイヤハウス内側を通って前席下まで続く前後方向のフレーム)を高効率のエネルギー吸収構造にしてあり、さらに衝撃分散型ボディ構造や、引っ張り強度の高い高張力鋼板、板厚の異なる差厚鋼板などを採用して安全性を高めている。画像提供:NASVA

 

12位:ミラ イース(ダイハツ)/軽New!
総合得点:165.7点(79.7点)

総合評価:★★★★

歩行者保護:85.97 乗員保護:70.92 シートベルト着用:4.00
OKマーク:【ASV+】

評価試験を受けたグレード:X”SaⅢ”
OEM車:ピクシス エポック(トヨタ)、プレオ プラス(マツダ)

後期初登場のダイハツの軽自動車「ミラ イース」は、17年5月にフルモデルチェンジして2代目となった。ほかのダイハツ車と同様に、衝突安全ボディ「TAF」を採用している。「ミラ イース」の特徴的なところは、歩行者保護が乗員保護を15点以上も上回っていること。歩行者保護85.97点は、今回の軽自動車5車種の中でトップの得点だ。その高得点を実現したのが、歩行者傷害軽減ボディ。歩行者との接触事故を想定し、ボンネット、フェンダー、ワイパーピポットなどの各所に衝撃緩和装置や吸収スペースを設定し、より歩行者保護が高められた。画像提供:NASVA

 

13位:ワゴンR/同スティングレー(スズキ)/軽
総合得点:163.0点(78.4点)

総合評価:★★★★

歩行者保護:73.42 乗員保護:75.76 シートベルト着用:4.00
OKマーク:【SCAあり】【ASV++】

評価試験を受けたグレード:HYBRID FX ※前期
OEM:フレア(マツダ)

17年2月にフルモデルチェンジしたスズキの軽自動車「ワゴンR」とその上級モデル「ワゴンR スティングレー」。画像は、オフセット前面衝突試験の様子。フルラップ前面衝突試験とは異なり、衝突で回転モーメントが発生するため、多くのクルマが後輪を浮かせつつ向きを変えてしまう。「ワゴンR」シリーズもスズキの衝突安全ボディ「TECT」を採用しており、コンパクトなボディながらキャビンが守られているのがわかる。ただしSCA(サイド・カーテン・エアバッグ)を装備していないため、運転席のダミーはサイドガラスにぶつかっている。オフセット前面衝突試験では後席にもダミーが乗せられ、後席でも衝撃の度合いが測定される。画像提供:NASVA

 

14位:ムーヴ キャンバス(ダイハツ)/軽New!
総合得点:160.5点(77.2点)

総合評価:★★★★

歩行者保護:73.56 乗員保護:73.11 シートベルト着用:4.00
OKマーク:【ASV+】

評価試験を受けたグレード:G”メイクアップSaⅢ”

ダイハツの軽自動車「ムーヴ」シリーズの1車種である「ムーヴ キャンバス」は後期登場の1台。女性をターゲットとしており、16年9月に発売された。画像は側面衝突試験の様子。側面衝突では、950kgの台車を時速55kmで運転席側の側面に垂直に衝突させる。衝突エネルギーが大きいため、ひっくり返ってしまうクルマも多い。「ムーヴ キャンバス」もダイハツの衝突安全ボディ「TAF」を採用しており、同車の場合は前後のドア下部にフレームとしてインパクトビームが埋め込まれており、側面衝突対策が施されている。またフロント部分は、歩行者障害軽減ボディとなっており、複数箇所に衝撃緩和装置や吸収スペースがある。画像提供:NASVA

 

15位:スペーシア/スペーシア カスタム(スズキ)/軽New!
総合得点:157.6点(75.8点)

総合評価:★★★★

歩行者保護:73.56 乗員保護:73.11 シートベルト着用:4.00
OKマーク:【ASV+】

評価試験を受けたグレード:HYBRID X

スズキの軽自動車「スペーシア」およびその上級モデル「スペーシア カスタム」は、17年12月にフルモデルチェンジした。画像は側面衝突試験を斜め後方から撮影したもの。運転席側のドアが前後共に下側部分が大きく内側に凹んでいたり、車体の右側が大きく持ち上がってしまっていることから、これもまた衝突エネルギーの激しさを見て取れる。スズキの衝突安全ボディ「TECT」はもちろん車種ごとに異なり、ドア下部にインパクトビームを設けていない車種もあるが、「スペーシア」および「スペーシア カスタム」には何本ものインパクトビームが設けて安全性を高めている。それでもこれだけドアが大きく凹むことに、側面衝突の怖さがある。画像提供:NASVA

2018年6月19日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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