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最終更新日:2018.08.15 公開日:2018.08.15

【オートモビルカウンシル2018】マツダ、スバル、アストン、アルピーヌ

8月3日から5日にかけて開催された、国産の旧車や往年のスーパーカーなどのヒストリックカーを扱う展示会オートモビルカウンシル2018。それらを手がける販売店が32社集まり、約100台が展示された。

 国内メーカーとしては、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバルが出展(トヨタ、日産、ホンダに関しての記事はこちら)。また海外メーカーとしてはアストンマーティンジャパンが出展し、アルピーヌジャポンも特別展示を行った。

 ここでは、マツダ、スバル、アストンマーティン、アルピーヌを取り上げる。

コンパクト・ハッチバックの歴史を展示したマツダ

1980(昭和55)年登場のマツダの5代目「ファミリア 1500XG」は、量産開始から27か月で100万台の生産台数を達成した。それは当時の世界最短記録であり、この大ヒットによって「ファミリア」の名は世間に一気に浸透した。車両型式:BD1051型。全長×全幅×全高:3955×1630×1375mm、ホイールベース:2365mm。トレッド(前/後):1390/1395mm。車重:820kg。エンジン型式:E5型、エンジン種類:水冷直列4気筒OHC、排気量1490cc、最高出力:85ps/5500rpm、最大トルク:12.3kg・m/3500rpm。サスペンション:前後共にストラット。

 マツダが選んだ今年のテーマは「MAZDA COMPACT HATCHBACK STORY」。マツダが初めて小型ハッチバックを発売したのは1977(昭和52)年のことで、3代目から大きくイメージを変えた4代目「ファミリア」からだった。それ以降、マツダは常にハッチバックを販売し続け、現行車種としては2013年から発売している「アクセラスポーツ」がある。

 そうした中から今回は、1980(昭和55)年登場の5代目「ファミリア」や2006(平成18)年登場の「マツダスピードアクセラ」など、4車種を展示。そして、その連綿と受け継がれてきたマツダの思想を受け継ぐ最新のコンセプトモデルとして、2017年に発表された「魅(カイ) CONCEPT」も展示した。

国産初のフルタイム4WDシステムを搭載した、1985(昭和60)年発売の6代目「ファミリア フルタイム4WD」の欧州仕様「323 4WD 1600」をベースにしたラリーカー。WRC世界ラリー選手権で活躍した。展示車両は1989(平成元)年式。車両型式:BFMR。全長×全幅×全高:3990×1645×1355mm、ホイールベース:2400mm、トレッド(前/後):1400(1405)/1425mm。車重:1070~1110kg。エンジン型式:B6型、エンジン種類:水冷直列4気筒DOHCターボ、排気量:2759cc、最高出力:250ps/6000rpm、最大トルク:30.0kg・m/5000rpm。排気量、最高出力、最大トルクはラリーカーのもの。サスペンション:前後共にストラット。

「ランティス タイプR」1993(平成5)年式。一見すると4ドアクーペだが、マツダとしてはハッチバックの位置付けとしている。この「タイプR」は走りを追求したグレードで、2000ccのV6エンジンが搭載され、ボディ剛性も高められたことが特徴だった。車両型式:CBAEP。全長×全幅×全高4245×1695×1355mm、ホイールベース:2605mm、トレッド:前後共に1465mm。車重:1200~1260kg。エンジン型式:KF-ZE型、エンジン種類:水冷V型6気筒DOHC、排気量1995cc、最高出力:170ps/7000rpm、最大トルク:18.3kg・m/5500rpm。サスペンション:前後共にストラット。

9代目で終了となった「ファミリア」の後継モデルとして、2003(平成15)年に登場したのが、初代「アクセラ」だ。それをベースに、現在は存在しないマツダのモータースポーツ部門マツダスピードで手がけたのが、2006(平成18)年式に登場した「マツダスピードアクセラ」だ。ハッチバックの中でも走りを追求した「ホットハッチ」を目指して開発され、エンジンは排気量が2260ccで264馬力を絞り出した。車両型式:BK-3P全長×全幅×全高:4435×1765×1465mm、ホイールベース:2640mm、トレッド(前/後):1535/1525mm。車重:1665kg。エンジン型式:L3-VDT型、エンジン種類:水冷直列4気筒DOHC、排気量2260cc、最高出力:264ps/5500rpm、最大トルク:38.7kg・m/3000rpm。サスペンション(前/後):マクファーソンストラット/マルチリンク。

「魅CONCEPT」2017年第45回東京モーターショーにて発表。次の「アクセラスポーツ」のコンセプトカーといわれている。パワートレインには、ディーゼルエンジンの長所も取り込んだ次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」を搭載し、次世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」を採用する予定。このコンセプトデザインのままでは安全性の面で法規的にクリアできないことから、市販化の際にはもっと滑らかで突起物のないデザインになるそうである。詳細なスペックは未公表。

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スバルのAWDはこのクルマから始まった!

AWDの進化の系譜を披露したスバル

「レオーネ 4WDエステートバン」1972(昭和47)年式。当時の四輪駆動にはまだセンターデフが搭載されておらず、カーブで曲がるときに4輪とも同じ回転数で回ったため、ブレーキをかけながらのような引っ掛かる感じのコーナリングだったという(滑らかにカーブするには後輪よりも前輪の方が、また左右では内側よりも外側が多く回転する必要がある)。車両型式:A64。全長×全幅×全高:4040×1500×1450mm、ホイールベース:2440mm、トレッド(前/後):1240/1200mm。車重:905kg。エンジン型式:EA63型、エンジン種類:水冷水平対向4気筒、排気量1361cc、最高出力:77ps/6400rpm、最大トルク:10.5kg・m/3600rpm。サスペンション(前/後):マクファーソンストラット/セミトレーリングアーム。

 スバルのテーマは「SUBARU SUV STORY ~量産初の乗用AWDをつくった、SUBARU SUVの進化の系譜~」。1972年以前の四輪駆動車というと、いわゆる未舗装路・不整地向けの「ジープ」タイプだった。そのイメージを覆したのが、スバル「レオーネ 4WDエステートバン」で、舗装路での走行にも適した量産車初の乗用四輪駆動車だった。4WDとFFを切り替えられるパートタイム4WDを搭載していた。

 ちなみに現在のスバルでは、4WD(4 Wheel Drive)という単語を使わず、AWD(All Wheel Drive=全輪駆動)という単語を使う。意味としてはほぼ同じだが(4WDは4輪駆動車、AWDは全輪駆動車)、スバルとしては、未舗装路・不整地用の技術というだけでなく、舗装路を含めたあらゆるシーンで使えるというイメージを持たせる意味合いもあるそうである。

 このほか、ワゴンベースSUVの元祖としてスバルが1995年に発売した「レガシィ グランドワゴン」や、現在では世界で最も量産されているSUVとなった「フォレスター」の1997(平成9)年発売の初代および発売したばかりの5代目を並べて展示した。

「レガシィ グランドワゴン」1995(平成8)年式。一見するとステーションワゴン的な外見だが、最低地上高が200mmとほかの車両よりも高く設定されており、オフロードでの走破性能の向上が図られている。バンパーやサイドカバーなどもオフロード車風で、クロスオーバーSUVの先駆けともいえる1台。車両型式:BG9。全長×全幅×全高:4720×1715×1555mm、ホイールベース:2630mm、トレッド(前/後):1455/1450mm。車重:1420kg。エンジン型式:EJ25型、エンジン種類:水冷水平対向4気筒、排気量2457cc、最高出力:160ps/6000rpm、最大トルク:21.5kg・m/3800rpm。サスペンション:前後共にマクファーソンストラット。

初代「フォレスター」1997(平成9)年式。「インプレッサ」をベースに、ステーションワゴンの利便性と、最低地上高200mmのオフロード走破性の両方を持たせたクロスオーバーSUVとして誕生した。車両型式:SF5。全長×全幅×全高:4450×1735×1580mm。車重:1330kg、ホイールベース:2525mm、トレッド(前/後):1475/1455mm。エンジン型式:EJ20型、エンジン種類:水平対向4気筒ターボ、排気量1994cc、最高出力:250ps/6250rpm、最大トルク:31.2kg・m/4000rpm。サスペンション:前後共にマクファーソンストラット。

現行モデルで5代目となる「フォレスター」2018年式。初代と比較すると、ボディが大型化しているが、居住性を高めたり、衝突安全性能を向上させたりしていることが主な理由だという。車両型式:5BA-SK9L3-VDT(ガソリン車)/5AA-SKE(ハイブリッド車)。全長×全幅×全高:4625×1815×1715/1730mm、ホイールベース:2670mm、トレッド(前/後):1565/1570mm。車重:1520/1530/1640kg。エンジン型式:FB20/FB25型、エンジン種類:水冷水平対向4気筒DOHC、排気量1995/2498cc、最高出力:107kW(145ps)/6000rpmもしくは136kW(184ps)/5800rpm、最大トルク:188N・m(19.2kg・m)/4000rpmもしくは239N・m(24.4kg・m)/4400rpm、サスペンション(前/後):ストラット/ダブルウィッシュボーン。

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最後はアストンマーティンとアルピーヌ!

日本一般初公開のスーパーカーを持ち込んだアストンマーティン

アストンマーティン「DBSレッジェーラ」。一般公開はこのオートモビルカウンシルが初となった。全長×全幅×全高:4712×2146(ドアミラー含む)×1280mm、ホイールベース:2805mm、トレッド(前/後):1665/1645mm。車重:1845kg(EU装備重量)。エンジン種類:水冷V型12気筒DOHC、排気量2500cc、最高出力:533.2kW(725ps)/6500rpm、最大トルク:900N・m(91.8kg・m)/1800-5000rpm、フロントミッドシップレイアウト、後輪駆動。時速0→100km:3.4秒、最高速度:時速340km。サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/マルチリンク。

 英国の高級スポーツカーメーカーのアストンマーティンは、日本での一般初公開となるフラッグシップ・スーパーカー「DBSスーパーレッジェーラ」と、往年の名車「DB6 Mk2 ヴォランテ」1970(昭和45)年式を展示した。

 「DBSスーパーレッジェーラ」のDBSとは、アストンマーティンの中で代々1車種にしか与えられない”称号”といえ、「量産モデルとして最上級」を意味する。時速0→100kmまでの加速が3.4秒、最高速度が時速340kmという性能は限定生産のスーパーカーに匹敵するトップクラスだ。またスーパーレッジェーラとは、プラットフォームシャシー上にスペースフレームを組み、アルミボディーを被せる方式のことをいい、もう1台の展示車両の「DB6 Mk2 ヴォランテ」や、その後継モデルの「DBS 」に用いられた。

 「DB6 Mk2 ヴォランテ」は1960年代半ばから1970年まで生産されたGTカー「DB6」シリーズの1台で、「DB6(Mk1)」の改良強化型だ。そして「ヴォランテ」とは「DB6」シリーズのグレード名で、上位モデルとして「ヴァンテージ」、最上位の「ヴァンテージ・ヴォランテ」があった。

アストンマーティン「DB6 Mk2 ヴォランテ」1970(昭和45)年式。1965年に誕生した「DB6(Mk1)」の改良強化型が「DB6 Mk2」。全長×全幅×全高:4620×1680×1360mm、ホイールベース:2580mm、トレッド:前後共に1385mm。車重:1490kg。エンジン種類:水冷直列6気筒、排気量3995cc、最高出力:286ps/5500rpm、最大トルク:39.8kg・m/3850rpm、時速0→60マイル(時速約96km):6.3秒、最高速度:時速230km。サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/パラレル・トレーリングアーム。

新旧の「A110」を特別出展したアルピーヌ

アルピーヌ「A110 プルミエール・エディション」2018年式。アルピーヌが創設された年にちなんで1955台限定生産モデルとなっており、日本には50台が輸入される予定だが、すでに完売。車両型式:ABA-DFM5P。全長×全幅×全高:4205×1800×1250mm、ホイールベース:2420mm、トレッド(前/後):1555/1550mm。車重:1110kg。エンジン型式:M5P型、エンジン種類:水冷直列4気筒DOHCターボ、排気量1798cc、最高出力:185kW(252ps)/6000rpm、最大トルク:320N・m(32.6kg・m)/2000rpm、時速0→100km:4.5秒、最高速度:時速250km。サスペンション:前後共ダブルウィッシュボーン。

 アルピーヌは、ルノーのコンポーネントを利用してクルマを製造してきたフランスの自動車メーカーで、WRC世界ラリー選手権と、ル・マン24時間レースなどのレースの両方で活躍したことで知られる。1973年からは長らくルノーの傘下にあったことから、アルピーヌ・ルノーとして記憶している人も多いはずだ。

 今回、特別出展として展示ホール入口近くに展示されたのが、1973(昭和48)年からスタートしたWRC世界ラリー選手権の初代マニファクチャラーズ王者に輝いた「A110 1600SC」1974(昭和49)年式と、40年以上の時を超えて2017年に復活した最新の限定モデル「A110 プルミエール・エディション」2018年式だ。本来、プルミエール(première)はフランス語で「最初の」といった意味だが、そこからトップを意味する場合に使われている。

「A110 1600SC」1974(昭和49)年式。旧「A110」シリーズは、60~70年代にロータス「エラン」と共にライトウェイトスポーツの双璧といわれた名車。1973年から始まったWRC世界ラリー選手権で、記念すべき初代マニファクチャラーズ王者となったマシンが「A110 1600S」で、1974年になるとインジェクター(燃料噴射装置)を搭載したタイプ「1600SI」も誕生したため、キャブレタータイプは「1600SC」と2種類になった。全長×全幅×全高:3850×1520×1130mm、ホイールベース:2100mm、トレッド(前/後):1295/1275mm。車重:635kg。エンジン種類水冷直列4気筒OHV、排気量1605cc、最高出力:138ps/6000rpm、最大トルク:14.7kg・m/5000rpm、サスペンション:前後共ダブルウィッシュボーン、トレーリングリンク。スペックは「1600S」のもの。

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