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最終更新日:2018.04.27 公開日:2018.04.27

【自動車カメラマンの、旅のしおり】スーパーカーブームを牽引した、2台のランボルギーニ

「ランボルギーニ ミウラ(写真上)」と「ランボルギーニ カウンタック」。この2台のイタリアンスーパーカーの名を聞いて、そのフォルムがすぐに頭に浮かぶ40~50代の男性はとても多いのではないでしょうか。

 1970年代後半に巻き起こったスーパーカーブーム。そのブームをフェラーリとともに牽引した2台のランボルギーニが、3月30日~4月2日にかけて京都・二条城で行われた「コンコルソ デレガンツァ 京都2018」に揃って展示されました。”コンコルソ デレガンツァ”とはイタリア語で「エレガントさを競うコンクール」を意味し、自動車のエンジニアリングやデザインに対し、そのクラフトマンシップを競い、より優れたものを讃える欧米の文化から生まれたものです。

 デザインと技術力の粋を極めた自動車が集結する「コンコルソ デレガンツァ 京都2018」に展示された名だたるヴィンテージカーは、戦前から現代のモデルに到るまで幅広いラインナップで来場者を楽しませてくれました。中でも今回ご紹介する2台のランボルギーニは、ミウラが1971年モデル、カウンタックが1977年モデルと、このコンクールへのエントリー車両としては「とても」新しいものです。

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かっこよすぎるミウラ

 ランボルギーニミウラは、巨大なV型12気筒エンジンを搭載したミッドシップレイアウトの二人乗りクーペで、1966年のジュネーブショーで発表されました。登壇時には市販する予定はなかったという、生粋のショーモデルだったそうです。

 ところが、この巨大でパワフルな心臓を持つ流麗なクーペは、ランボルギーニの予想を上回る人気を博し、オーダーが殺到したため翌年には市販化に至ります。そんな成り立ちのためか、初期ロットの完成度は決して高いものではなかったようです。

 しかし、生産を重ねるたびに完成度が高まり、今回京都で展示されたモデルは進化し続けたミウラの完成形ともいえる”SV”という最終モデルです。約150台生産されたというミウラSVは、コンコルソ デレガンツァにおいてはまだまだ若いモデルですが、50年以上の時を経ても、なお古さを感じさせないそのデザインは、後世に語り継がれ、多くの人に讃えられているのも納得です。

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今見ても斬新。カウンタック

 ミウラの後継モデルとして1971年のジュネーブモーターショーに登場したのがランボルギーニカウンタック(写真上)です。

 デザインは、ミウラ同様イタリアのカロッツェリア・ベルトーネによるものです。が、流れるような柔らかいスタイリングのミウラに対し、こちらは非常に特徴的なウェッジシェイプ。

 このカウンタックの前衛的なデザインは50年近くの年月を経ても斬新です。スーパーカーブームの頃に少年時代を過ごした世代には、のちに登場するディアブロやムルシエラゴ、アヴェンタドールには、あの頃の感動を呼び起こさせられるスピリットを感じる人も多いと思います。

 1971年に登場してから進化を続け、1990年まで生産されたカウンタックですが、今回展示されたのはオリジナルのスタイリングとも言える1977年のLP400というモデルです。

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イスレロって知ってますか?

 「コンコルソ デレガンツァ 京都2018」には、ランボルギーニを代表する2台のミッドシップ2シータークーペの他、2+2シートを持つFRモデル、ランボルギーニ イスレロ(1968)も展示されていました。

 フロントにV型12気筒エンジンを詰め込んだボディは、高さはグッと低く構えていますが、長さ、幅ともに実は現行のトヨタプリウスとほぼ同じです。

 当時のスポーツカーは、存在感こそ大きいものの、実際のサイズは総じて現代の自動車の基準から見ればとてもコンパクトです。ですが、自動車を撮り慣れた僕の目から見ても、その時代の雰囲気を内包するかのような、デザインだけでは語れない凝縮された独特の雰囲気にとても撮影意欲を刺激されます。

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今後もランボに期待!

 自動車の歴史は、現代に通じる大量生産方式で大衆化を果たしたと言われるT型フォードの登場から数えても、すでに100年以上が経過しています。現代の高い技術力では、人が運転しなくても目的地に向かえる自動車もそう遠くない未来に実現するとも言われています。

 こんな時代だからこそ、かつてのミウラやカウンタックのような、その時代の少年たちをワクワクさせる”スーパーカー”誕生させた斬新なアイデアやクラフトマンシップを、これからも讃え続けてゆきたいものです。

2018年4月27日(自動車カメラマン・高橋学)

高橋学(たかはしまなぶ):フォトグラファー。1966年北海道生まれ。スタジオに引きこもって創作活動にいそしむべくこの世界に入るが、なぜか今ではニューモデル、クラシックカー、レーシングカーなど自動車の撮影を中心に活動中。日本レース写真家協会(JRPA)会員。

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