2021年11月18日 12:10 掲載

ライフスタイル 鉄道と道路の両方を走行できる乗り物が世界初の商用化。「DMV」ってなんだ?


文・会田 肇

「バスモード」と「鉄道モード」の切り替えはわずか15秒!

 DMVのベースとなっている車両はトヨタのマイクロバス「コースター」だ。ここに軌道走行用ガイド綸を取り付けることで道路と鉄道の双方を走行可能としている。「バスモード」ではタイヤで走行するが、鉄道走行時は最前部と最後部で軌道走行用ガイド綸を出して「鉄道モード」として対応する。このガイド綸によって鉄道路線を走行する時はマイクロバスの前輪が操舵に影響を及ばさないようフロントを持ち上げ、ハンドルを固定して線路上を走行できるようにした。

 駆動輪は後輪の内側2本を線路上で活用し、後ろのガイド輪がこの駆動輪をレールに圧着させる役割も担う。アクセルやブレーキの運転操作は鉄道とは違いペダル操作となるが、ブレーキについては一般道路ではマイクロバスの4輪で制御し、鉄道路では前がガイド輪で、後ろが駆動輪で行う。今回の運行計画ではこのDMVが計3台導入される。

阿佐東線に導入される3台のDMVには、それぞれオリジナルのカラーリングが施された(写真:阿佐海岸鉄道HPより)阿佐東線に導入される3台のDMVには、それぞれオリジナルのカラーリングが施された(写真:阿佐海岸鉄道HPより)

モード切り替えをする「ガイドウェイ」を設置した阿佐東線・甲浦駅の図面。路線は高架であるため、スロープを使って一般道へ下りる(第7回 阿佐東線DMV導入協議会資料)モード切り替えをする「ガイドウェイ」を設置した阿佐東線・甲浦駅の図面。路線は高架であるため、スロープを使って一般道へ下りる(第7回 阿佐東線DMV導入協議会資料)

「バスモード」と「鉄道モード」の切り替えには、鉄道と一般道がつながる場所に「モードインターチェンジ」が用意された。設置場所は阿波海南駅と甲浦駅の2か所。その時の切り替えに要する時間はわずか15秒程度しかかからず、これは乗客を載せたままでも問題なく行える。車内仕様は当然ながらマイクロバスそのまま。座席数は乗客用として18席を用意し、立ち席を入れると最大22人までが乗車できる。

 運行ルートは、バスモードで阿佐海南文化村(町立海難病院)から阿波海南駅まで一般道を1km走行し、その後で鉄道モードに切り替えて阿佐東線の路線を甲浦駅まで10kmを走行。甲浦駅からは再びバスモードで一般道を走行して「海の駅東洋町」~「道の駅宍喰温泉(リビエラししくい)」までの計4kmを走行する。平日はこれを往復13本予定する。また、土日・祝日は往復12本となるが、そのうち1本は「海の駅東洋町」から高知県室戸岬近くにある「海の駅とろむ」までの一般道約38kmをバスモードで走行することになっている。

 DMVが阿佐東線を正式に走るまで残すところ1か月と少し。予約サイト「発車オーライ」にて12月2日正午より予約受付を開始することになっている。DMVが室戸岬を含む四国東海岸を巡る観光の新たな乗り物として定着していくことを期待したい。

阿佐東線で導入されるDMVの運行ルート。室戸方面へのルートは土日・祝日のみとなる(第9回 阿佐東線DMV導入協議会資料)阿佐東線の運賃表(第9回 阿佐東線DMV導入協議会資料)

阿佐東線の運賃表(第9回 阿佐東線DMV導入協議会資料)阿佐東線の運賃表(第9回 阿佐東線DMV導入協議会資料)

「鉄道モード」でレールの上を走行するDMV(阿佐海岸鉄道HPより)「鉄道モード」でレールの上を走行するDMV(阿佐海岸鉄道HPより)

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