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クルマ最終更新日:2024.01.09 公開日:2022.09.07

親の不用になった車を、贈与税を払わずに使用する方法はある?~弁護士に訊いてみた~【クルマと法律vol.07】

交通問題やクルマに関する相談について、法律の見地から分かりやすく解説する連載「クルマと法律」。今回は、親からクルマをもらった場合の贈与税のことや、もし贈与税を払わなかったらどうなるか、贈与税を払わずに親のクルマを使用する方法があるかなどを、弁護士・島田浩樹先生に話を聞きました。

文=弁護士・島田浩樹

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クルマと法律|贈与税|中古車|譲渡|自動車税|クルマを貰うイメージ|(c)Friends Stock - stock.adobe.com

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 今回の相談はこちら
「親が使っていたクルマを譲り受けても贈与税はかかるのですか?その場合、贈与税を払わないで使用する方法はないですか?」

不要になったクルマを貰っても贈与税はかかる!

相談者:前回(クルマと法律vol.06)は、親にクルマを買ってもらった場合の贈与税について相談しました。もし、それまで親が使っていたクルマを譲ってもらう事になったら、贈与税はかかるのでしょうか?

島田弁護士:贈与の時点におけるクルマの時価を基礎として算定され、贈与税がかかることもあります。前回の内容を踏まえると、そのクルマの時価が110万円以下だったら贈与税がかからないということです。

相談者:時価が良く分からないのですが、どうやって調べればいいのでしょうか?

島田弁護士:そのクルマを中古車買取店に売却する場合、いくらになるのかを調べることで分かります。なお、中古車の時価は、車種、年式、走行距離等のクルマの状態によって異なってきます。税務調査を受けた場合に備え、中古車買取店などに査定してもらった結果を保存しておくといいでしょう。

相談者:ちなみに、贈与税はどのように払えばいいのでしょうか。

島田弁護士:贈与税は、自動車税などのように納付書が届くわけではなく、自分で確定申告をする必要があります。

相談者:確定申告はしたことがないのですが、誰でもできるのですか?

島田弁護士:確定申告をするには、申告書を税務署の窓口で貰うか、国税庁のウェブサイトでダウンロードし、記入した申告書を税務署に持参・郵送して提出する必要があります。

相談者:なんだか面倒そうですね。他の方法はないのですか?

島田弁護士:国税庁のウェブサイトにおいてオンラインで確定申告書が作成できる「確定申告書等作成コーナー」を利用する方法があります。確定申告書等作成コーナーを利用すれば、画面の案内に従って入力していくだけでよく、贈与された財産の価額から自動的に贈与税を計算してくれますので安心です。この場合、提出方法には2通りあり、確定申告作成した申告書をプリントアウトし、押印して提出する。もしくは、インターネットを通じた電子申告の方法でも提出することが可能です。

相談者:オンラインでできるとしても、自分できちんと確定申告ができるか、自信がありません。どうしましょう。

島田弁護士:不安だったり面倒だったりする場合は、税理士に相談したり、手続きを依頼したりすると良いでしょう。

相談者:確定申告や納税は、いつすればいいのですか?

島田弁護士:原則として、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に行う必要があります。

相談者:分かりました。でも親にクルマを貰っても、手元の現金が増えるわけではないので、支払いができないかもしれません。贈与税を支払わなかったら、どうなるのでしょうか。

島田弁護士:支払うべき税金を支払わないと、この記事(クルマと法律 vol.04)にあるように、給料、銀行預金、自動車などの財産が差し押さえられてしまうこともあります。

相談者:それは怖いですが、自業自得ですよね。

島田弁護士:贈与された側の自業自得というだけでは済まない場合もあります。贈与した側には、贈与された側に課される贈与税について、連帯して納付する義務があります(相続税法34条4項)。

相談者:例えば、親にクルマを貰って、私が贈与税を支払わないと、親も贈与税の支払義務を負うわけですね。

島田弁護士:その通りです。親御さんの財産が差し押さえられてしまうことも、あり得ます。

相談者:そうすると、贈与税の分についても、親に現金で貰っておく方が良いですね。

島田弁護士:それでは意味がありません。その現金の分についても、贈与があったものとして、贈与税の対象になってしまいます。

贈与税を回避するには、使用貸借すればいい?

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相談者: 贈与税を支払わずに済む方法ってないのでしょうか。

島田弁護士:贈与を受けなければ、贈与税は発生しません。

相談者:でも、クルマには乗りたいのですが。

島田弁護士:クルマに乗るには、必ずしも所有権を持つ必要はありません。親御さんが所有する車を、タダで借りて乗るという方法もあります。賃料が支払われない貸し借りのことを、法律上は「使用貸借」といいます。

相談者:親のクルマを借りれば、贈与税は払わなくていいのですね! 借りて乗る場合、申請や手続きが色々と不便ではないのでしょうか?

島田弁護士:登録上の所有名義、つまり車検証上の「所有者」は、親御さんになります。しかし、ナンバープレートの地名は、車検証上の「使用者」によって決められ、車庫証明の申請も「使用者」が行います。さらに車検の手続も、「使用者」が行うことが可能です。

相談者:クルマを借りて運転するだけなら、親に迷惑がかかることもないですね。

島田弁護士:必ずしもそうではありません。借りたクルマを運転している人が人身事故を起こした場合、貸主にも運行供用者責任(自動車損害賠償保障法3条)という損害賠償責任が発生することがあります。貸主に迷惑を掛けないためにも、任意の賠償責任保険には適切に加入しておく必要があります。

相談者:わかりました。親が任意保険に加入していると思うので確認しておきます。

島田弁護士:親御さんが保険加入している場合、被保険者にあなたが含まれるなら問題ありません。しかし、運転者限定特約や運転者年齢条件特約が付いていること等もあります。保険証券等で被保険者の範囲を確認しておくといいでしょう。

相談者:ところで、親のクルマを借りる場合、自動車税の納付義務は、所有者と使用者のどちらが負うのですか。

島田弁護士:所有者です。所有者に納付書が届きますので、もしあなた(使用者)が納付するのであれば納付書を転送してもらうなど、納付方法について相談しておきましょう。

相談者:良く分かりました。ありがとうございました。

<連載「クルマと法律」前回の記事は、下記リンクからご覧いただけます>
親に車を買ってもらうと贈与税がかかる?~弁護士に訊いてみた~【クルマと法律vol.06】

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