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最終更新日:2022.04.01 公開日:2022.04.01

白ナンバー事業者もアルコールチェックが義務化! 4月の道交法改正で何が変わる?

2022年4月1日から改正道路交通法施行規則が施行され、業務で自家用車(白ナンバー)を使う事業者にも、運転者の運転前後のアルコールチェックが義務化される。今回の改正で何が変わるのか? アルコールチェック義務化の内容について解説する。

文=くるくら編集部

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©nisi – stock.adobe.com

白ナンバー事業者もアルコールチェックが義務化

 アルコールチェックの義務化については、すでに一部で実施されていたが、それはバスやタクシーなどの事業用自動車に与えられる、いわゆる「緑ナンバー」が対象だった。2022年4月1日からは、道路交通法施行規則の改正に伴い、「白ナンバー」の自家用自動車を一定台数保有する事業者においても、アルコールチェックの義務化が拡大される。

 ではアルコールチェックの義務化とは、一体どのようなものなのか。改めて説明したい。まず、義務化の対象となる事業者とは、乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用している場合。もしくは、自動車を5台以上使用している場合(自動車は白ナンバー、黄色ナンバーを問わない)だ。

 ちなみに自動二輪車(原動機付自転車を除く)については、1台が0.5台として計算される。

以下に該当する事業者はアルコールチェック義務化の対象となる。
・乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用している場合
または
・自動車を5台以上(自動二輪車1台は0.5台で計算。原動機付自転車を除く)使用している場合(自動車は白ナンバー、黄色ナンバーを問わない)
<資料提供=警察庁>

以下に該当する事業者はアルコールチェック義務化の対象となる
・乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用している場合
または
・自動車を5台以上(自動二輪車1台は0.5台で計算。原動機付自転車を除く)使用している場合(自動車は白ナンバー、黄色ナンバーを問わない)

対象の事業所は、安全運転管理者の選任が必須に!

 アルコールチェック義務化の対象となる事業者は、自動車を使用する本拠(事業所等)ごとに、車両の運行管理や安全運転に必要な業務を行う者として、「安全運転管理者」の選任を行う必要がある。安全運転管理者を選任した際は、その日から15日以内に事業所を管轄する警察署に必要書類を提出しなければならない。

 また安全運転管理者には、大きく以下の7つの業務が発生する。

・運転者の適性等の把握
運転者の運転適性、安全運転に関する技能・知識、道路交通法の遵守の状況を把握するための措置を講ずること。

・運行計画の作成
最高速度違反、過積載、過労運転、放置駐車違反の防止、その他安全運転を確保することに留意して、自動車の運行計画を作成すること。

・交替運転者の配置
運転者が長距離の運転または夜間の運転をする場合に、疲労等により、安全運転を継続することができないおそれがあるときは、あらかじめ、交替する運転者を配置すること。

・異常気象時等の措置
異常な気象、天災その他の理由により、安全運転の確保に支障が生ずるおそれがあるときは、運転者に対する必要な指示や、その他安全運転を確保するための措置を講ずること。

・点呼と日常点検
運転者の点呼を行うなどにより、自動車の運行前点検の実施状況や、飲酒、過労、病気その他の理由により正常な運転ができないおそれがないかどうかを確認し、安全運転を確保するために必要な指示を与えること。

・運転日誌の備付け
運転者名、運転の開始と終了の日時、運転距離、その他運転状況を把握するために必要な事項を記録する運転日誌を備えつけ、運転を終了した運転者に記録させること。

・安全運転指導
「交通安全教育指針」に基づく教育のほか、安全運転に関する技能や知識などの指導を行うこと。

10月からはアルコール検知器でのチェックが必要に!

 アルコールチェック義務化の施行については、以下の二段階に分けて行われる予定だ。10月1日からは、運転前後の運転者の状態を目視等で確認することに加え、アルコール検知器を用いて確認することが義務化されるので注意したい。

【令和4年4月1日施行】
・運転前後の運転者の状態を目視等で確認することにより、運転者の酒気帯びの有無を確認すること。
・酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること。

【令和4年10月1日施行】
・運転者の酒気帯びの有無の確認を、アルコール検知器を用いて行うこと。
・アルコール検知器を常時有効に保持すること。

アルコールチェック時の注意すべきポイント

安全運転管理者の業務内容は多岐にわたるが、アルコールチェック時に注意すべきポイントを分かりやすく解説しよう。

★運転前後の運転者に対する酒気帯びの有無の確認方法について
1. 業務の開始前後の運転者に対する確認
酒気帯びの有無の確認は、必ずしも個々の運転の直前又は直後にその都度行わなければならないものではなく、運転を含む業務の開始前や出勤時、及び終了後や退勤時の実施でも構わない。

2. 目視等及びアルコール検知器による酒気帯び確認の方法
「目視等で確認」とは、運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子等で確認することを指す。運転者の酒気帯び確認の方法は対面が原則だが、直行直帰の場合など対面での確認が困難な場合にはこれに準ずる適宜の方法で実施すればよく、例えば、運転者に携帯型アルコール検知器を携行させるなどした上で、

「カメラ、モニター等によって、安全運転管理者が運転者の顔色、応答の声の調子等とともに、アルコール検知器による測定結果を確認する方法」
「携帯電話、業務無線その他の運転者と直接対話できる方法によって、安全運転管理者が運転者の応答の声の調子等を確認するとともに、アルコール検知器による測定結果を報告させる方法」

等の確認でも構わない。

3. アルコール検知器の性能等
アルコール検知器については、酒気帯びの有無を音、色、数値等により確認できるものであれば、性能上の要件は問われない。また、アルコール検知器は、アルコールを検知して、原動機が始動できないようにする機能を有するものを含む。

4. 他の事業所における確認
同一の自動車の使用者が他の事業所で安全運転管理者を選任している場合において、運転者が当該他の事業所で運転を開始または終了する場合には、他の事業所の安全運転管理者の立会いの下、アルコール検知器を使用して、測定結果を電話等で所属する事業所の安全運転管理者に報告がされたときは、酒気帯び確認を行ったものとすることができる。

5. 安全運転管理者以外の者による確認
安全運転管理者の不在時など安全運転管理者による確認が困難な場合には、安全運転管理者は、副安全運転管理者又は安全運転管理者の業務を補助する者に酒気帯び確認を行わせることができる。

★記録する確認内容について
酒気帯び確認を行った場合は、次の事項について記録すること。
●2022年4月1日から
1. 確認者名
2. 運転者
3. 運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号または識別できる記号、番号等
4. 確認の日時
5. 確認方法(対面でない場合は具体的方法)
6. 酒気帯びの有無
7. 指示事項
8. その他必要な事項

●2022年10月1日から
上記にくわえ、アルコール検知器の使用の有無

★アルコール検知器の保持について
アルコール検知器は、正常に作動し、故障がない状態におく必要がある。このため、アルコール検知器の製作者が定めた取扱説明書に基づき、適切に使用し、管理し、及び保守するとともに、定期的に故障の有無を確認し、故障がないものを使用しなければならない。

アルコールチェック義務化について、疑問や不明点がある場合

 4月1日からはじまったアルコールチェックの義務化は、事前の周知があったとはいえ、記録保存やアルコール検知器の配備など企業の業務負荷は少なくない。安全運転管理者の制度に関する疑問や不明点がある場合は、都道県警察のホームページへアクセス。もしくは最寄りの警察署へ問い合わせてして欲しい。

<参考資料>
警視庁https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/torikumi/kotsu_joho/jigyo_shokugyo.files/202112.pdf

埼玉県警察
https://www.police.pref.saitama.lg.jp/f0010/shinse/jigyousho.html

令和4年4月からの道路交通法施行規則の改正に伴い、アルコールチェックの取組強化をお知らせする、警察庁と都道県警察による告知ポスター。<資料提供=警察庁>

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