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最終更新日:2019.10.19 公開日:2019.10.19

ジャパンEVフェスティバル 2019、11月3日に筑波サーキットで開催

一般社団法人 日本EVクラブが主催する「ジャパンEVフェスティバル」は、「CO2ゼロ&アクセル全開!」を合い言葉に、サーキットでEVを仲間と共に楽しむ祭典。1995年に第1回が開催され、節目の25回目となる今回は11月3日(日・祝)に、例年通りに筑波サーキット・コース1000にて開催だ。EVによるレース等の競技や、オリジナルEVの展示、自動車メーカーの試乗会など、EVをたっぷりと堪能できるイベントとなっている。

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2018年のジャパンEVフェスティバルにおいて、メーカー製EVのオーナーだけが参加できるタイムアタック競技に参加した76号車の三菱「i-MiEV」。基準タイム1分に近ければ近いほど優勝というルールで、1分を切ってしまうと失格。76号車は奇跡のタイムといわれた1分00秒117を記録して優勝。

 ジャパンEVフェスティバルは、EVで参加できる各種の競技に加え、メーカー製の市販EVのオーナーが参加できるタイムアタック、オリジナルEVの展示会、自動運転競技車タイムアタック、CO2排出量診断コンテスト、そして最新市販EVの試乗会など、さまざまなコンテンツが用意されている。

 入場には有料入場パスが必要で、日本EVクラブ会員は2000円、非会員も2000円(ただし、試乗会に参加する場合は損害保険料ひとり500円が必要)、中学生1000円、小学生以下は保護者同伴に限り入場無料だ。駐車場は無料。

 今回掲載した画像は、すべて前回のジャパンEVフェスティバル2018にて撮影したものだ。

伝統の一戦、コンバートEVによる1時間耐久を見逃すな。カートは伝説の最速ERKも復活参戦予定。

コンバートEV1時間ディスタンスチャレンジに参加した、千葉県自動車大学校の「EVシルビア」。日産の6代目S14型「シルビア」をベースにEVにコンバートされた。エンジンが外され、エンジンルーム内に空間があるのがわかる。

 レース系の競技は2種類が用意されており、ひとつがガソリン車をEVに改造した”コンバートEV”による1時間ディスタンスチャレンジ(1時間耐久)。1時間の間に何周できるかが勝負だ。クラスはバッテリーの種類で分かれ、鉛電池クラスとリチウムイオン電池クラスがある。電池交換と充電はなしというルールの下、1チーム人数無制限のドライバーが参加可能だ。「地球温暖化クイズ」の結果を反映するという、単にコンバートEVの性能やドライビングテクニックだけでは勝てない点もポイント。

コンバートEV1時間ディスタンスチャレンジのリチウムイオン電池クラスで優勝した、11号車「TAISAN PORSCHE 916」(Team TAISAN CTS)。1時間でどれだけ周回できるかが勝負で、11号車は46周した。さまざまな車種が混走するが、ボディが大きい方がいいか、軽量な軽自動車がいいかは作戦次第。マシンスペックにも大きな差があるので、各チーム各様の戦略で1時間に挑む。まさに見所だらけの一戦。

 もうひとつは、手作りEVレーシングカート「ERK」による30分ディスタンスチャレンジ。こちらはバッテリーの種類と出力などで3種類に分けられており、鉛電池搭載のERK-1(電圧48V以下、DCブラシモーター)およびERK-2(電圧72V以下、モーター自由)、そしてリチウムイオン電池クラスがある。ドライバーの人数も無制限なら、バッテリー交換も無制限。

 リチウムイオン電池クラスは、最高出力が3kW(4.1馬力)から18kW(24.5馬力)あり、ガソリンエンジンカートよりも出力が高いものも含まれ、迫力がある。ちなみに今回は、元F1ドライバーの片山右京氏が筑波サーキット・コース2000(メインコース)を1分4秒で駆け抜けた最速ERKも復活参加の予定だ。

メーカー製EVで誰でも参加できるオーナーズ・タイムアタックも面白い。

メーカー製EVオーナーズ・タイムアタックに参加した日産「e-NV200バネット」。速度勝負のタイムアタックではないため、通常のモータースポーツでは絶対に見られない、このような商用車が参加しているところが、ジャパンEVフェスティバルの特徴。

 タイムアタック競技系の定番は、メーカー製EVのオーナーなら誰でも参加可能な「メーカー製EVオーナーズ・タイムアタック」。コースを3周して、どれだけ基準タイムの1分に近いタイムでコースを1周できるかというルールだ。速すぎて1分をコンマ1秒でも切ってしまうと失格という、ドライバーの計時感覚のみが頼りのタイムアタックである。昨年は”奇跡のタイム”といわれた、1分00秒177で76号車が優勝。今年はこれを上回れるタイムが出るかどうかも見所となっている。

メーカー製EVオーナーズ・タイムアタックに挑む75号車の三菱「ミニキャブ ミーブ トラック」。生産終了しているが、「i-MiEV」の商用モデルの1種で、軽トラックだった。これまたサーキットで走る姿はなかなか見られないタイプのクルマだ。

 そしてもうひとつが、今回で3回目の実施となる、自動運転競技車によるタイムアタック。今年は3台が参加する予定で、そのうちの2台はERKがベースで、もう1台はシニアカーがベース。昨年は、準天頂衛星みちびきを利用した高精度GPSを搭載したプロジェクトMの81号車「MM1号 2018」がコース1000を1周することに成功(コースは、コーナーが連続するインフィールドセクションを除いた外周のみを使用した)。今年は、さらなるタイムの短縮が期待される。

昨年完走を果たした、プロジェクトMの81号車「MM1号 2018」。タイムは11分27秒686。

EVは走るだけのクルマじゃない! さまざまな可能性を提示する「何でもEV展示」

名物となっている、栃木県立鹿沼高校物理部の生徒が作ったEV展示。2018年はちょうど模試と日程が被ってしまい、顧問の先生のみが参加。実際にコース1000を走行した。

 EVを大容量バッテリーと見立てて、災害による停電時に自宅に電力を供給するV2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)や、送電網に電力を供給するV2G(ヴィークル・トゥ・グリッド)という利用方法がある。そうした、純粋にクルマとして利用する以外のEVの可能性にチャレンジする人やチームを応援するのが、「何でもEV展示」だ。ジャパンEVフェスティバル常連の栃木県立鹿沼高校物理部は、今回も出展。高校生が今年はどんなEVを披露してくれるのか期待だ。

全日本学生フォーミュラとは、公益社団法人 自動車技術会が主催する、自動車関連のエンジニアを目指す学生を対象とした全国規模(海外からも参加している)のものづくりコンテスト。学生がチームを組んで小型フォーミュラを設計、製作。そして大会中では実際にドライブさせ、またそのコンセプトを審査員の前でプレゼンするなどをして、クルマの性能とプレゼンの評価などで順位を競うというもの。トヨタ東京自動車大学校ではEVで参加しており、画像は2018年の「TSF18E」。

 さらに、全日本学生フォーミュラ大会に出場した、トヨタ東京自動車大学校および神奈川大学の学生フォーミュラEVも出場し、デモランが行われる。さらに、レストアが完了した日本EVクラブの2人乗りEVフォーミュラ「EV SIDE by SIDE」も走行予定だ。

日本EVクラブが10年以上前に製作し、助手席に子どもたちを乗せて走ったEVフォーミュラ「EV SIDE by SIDE」。子どもたちを100人以上乗せて走行するというギネス記録に挑戦するため、レストアのためにクラウドファンディングを実施。資金調達に成功し、見事に復活を遂げた。当日はその勇姿が披露される。画像は、日本EVクラブ提供。

EV・プラグインHV車サーキット試乗会&「環境EXPO」

2018年の試乗会の様子。先頭のケーターハム「スーパーセブン」は、日本EVクラブでEVコンバートを行った「EVスーパーセブン」。

 そして毎回長蛇の列ができ、あっという間に枠が埋まってしまうEV・プラグインHV車サーキット試乗会。今回は、5社8車種が用意される(ラインナップは以下の通り)。また試乗会には。石井昌道氏、片岡英昭氏、斎藤聡氏、津々見友彦氏、まるも亜希子氏、諸星陽一氏らジャーナリストも参加の予定で、車の詳しい話を聞かせてもらえる。さらに試乗会と併せて、各社のEV最新情報と環境対応技術をテーマにした「環境EXPO」も開かれる。

【試乗車】
●トヨタ:プリウスPHV
●日産:リーフe+、リーフAUTECH
●フォルクスワーゲン:e-ゴルフ プレミアム、ゴルフ GTE、パサート GTE ヴァリアント アドバンス
●ホンダ:クラリティ PHEV
●三菱:アウトランダーPHEV


 25年前、EVにクルマの未来を見た人達が、ジャーナリストの舘内端氏とともに、まずはEVを楽しもうよ!と始めた「ジャパンEVフェスティバル」。最初の頃は “隗より始めよ” が合い言葉の、まさに手作りイベントだった。クルマも、当時はエンジン車をEVに改造した、いわゆるコンバートEVが中心。それが、四半世紀を経た今では、市販EVも増え、恒例の人気イベントとなった。欧州メーカーを中心に、EV化が一気に進みそうな中、今年のフェスティバルはさらに盛り上がりそうだ。

 開催日の11月3日は日曜日だが、文化の日で祝日なので翌日も振替休日で休み。サーキットはちょっと遠いと思っている人も、翌日が休みなら遠出しやすいはず。レースを見て試乗会に参加して、EVを堪能する1日を過ごしてみてはいかがだろうか。

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