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最終更新日:2019.08.14 公開日:2019.08.14

高速道路の合流マナー「ジッパー法」とは?名古屋高速が呼びかけ。

長期休みは帰省や旅行で高速道路を利用することが多くなり、全国各地で渋滞が発生する。そんな渋滞時に加速車線から本線へスムーズに合流する「ジッパー法」という方法があるという。一体どんなものなのだろう。

高速道路の合流マナー「ジッパー法」とは?

 名古屋高速は8月7日、同社の公式ツイッターにおいて「お盆休み、ジッパー法で渋滞を少なくしよう」とツイートを投稿した。その投稿は下記で、図解とともにジッパー法について説明する内容だ。

 そこには、「ジッパー法とは車線が減少する先頭(いちばん奥)で1台ずつ交互に合流することです。合流地点では譲り合って、1台ずつ交互に合流することを心がけるといいですね」と記されている。

 つまりジッパー法とは、合流するドライバーは加速車線の途中で合流しようとせず、必ず最後まで行って合流すること。それと、合流するドライバーと本線を走るドライバーが、お互いに確認しあって、1台ずつ交互に合流するように順番を譲るということなのだ。この1台ずつ交互に合流するさまが、”ジッパー”が閉まっていくように見えることから命名された方法だという。そういえば以前は「ファスナー合流」と言われていたこともあったと思う。

ジッパー法は本当にスムーズなの?

© 譲 儀間 – stock.adobe.com

 ジッパー法は本線が渋滞している時に有効で、本線がスムーズに流れている時は別に考える必要がある。それぞれの場合について見てみよう。

1.本線がスムーズに流れている時

 NEXCO西日本のマナーガイドによると、本線がスムーズに流れている時の合流で重要なのは、加速車線を使って十分に加速し、本線の車の流れを妨げないようスムーズに合流すること。十分な加速をしないまま合流すると、本線を走行する車がブレーキを踏んで渋滞の原因になったり、追突したりする可能性があるからだ。

 しかし同社によると、加速車線の最後で合流できないことを恐れ、早めに合流しようとするドライバーは意外と多いという。加速しないまま、本線を走行する車の直前に入ることを想像すると大変危険である。


2.本線が渋滞している時

 次にジッパー法が有効となる本線が渋滞している時について見てみよう。

 上図は、合流する車が特にルールなく合流している様子を表している。左図の場合、(1)と(3)の2か所で同時に合流しようとする車がいるので、本線を走る(B)の位置では2台分のスペースを空ける必要がある。もし、(1)の車の横を後続車(2)がすり抜け、加速車線の先頭で合流しようとすれば、本線を走る車はさらに遅れ、本線側の渋滞は悪化していくことになる。そのまま右図のように後続車が追い抜いて行けば、(B)の車はほとんど進むことができない。

 次にジッパー法で合流している上図を見てみよう。左図では、加速車線の先頭まで進んだ(1)の車が(A)の直前に入る。その次に、(2)が(B)の直前に入る。このように秩序を持って合流が進んでいくのが分かる。本線を走る車も合流する車も少しずつ進んでいくので、どちらかが極端に進まないということが無いのだ。ルールなく合流した場合、本線の車は(B)までしか進まなかったが、ジッパー法では(F)の車まで進んでいることがわかるだろう。また交互に進むことをお互いに理解していれば、急な割込みによる危険も少なくなるので安全面でもプラスとなる方法だろう。

 ちなみに、米ミネソタ州運輸省が行った実験によると、ジッパー法で合流することで、渋滞の全体の長さを最大40%短縮、高速道路のインターチェンジの混雑が軽減されたという。

 渋滞している本線をしり目に加速車線の先頭まで行き、そこで合流することはズルしているような気分になってしまう人もいるだろう。しかしジッパー法は、スムーズかつ安全な合流ができて、渋滞も悪化させない方法なのだ。勇気を出して実践してもらいたい。

※参考:米・ミネソタ州運輸省「Zipper Merge」 https://www.dot.state.mn.us/zippermerge/

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