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道路・交通最終更新日:2023.06.21 公開日:2019.04.20

動画で見る「インプレッサWRC98」!! 日本人トップラリースト・新井敏弘の走り【モータースポーツジャパン2019】

首都圏最大級のモータースポーツ系イベントである「モータースポーツジャパン2019 フェスティバル・イン・お台場」。4月6日(土)・7日(日)にお台場で開催され、スバルは1998年の「インプレッサWRC98」と、現行の「WRX STI」の2台がデモ走行を実施。どちらも日本人トップラリースト・新井敏弘選手が操り、抜群のドライビング・テクニックを披露した。

スバル インプレッサWRC98|subaru imprezza wrc 98

スバルが1998年にWRC世界ラリー選手権に投入した「インプレッサWRC98」。20年前のラリーカーだが、動態保存されており、モータースポーツジャパンなどのイベントで迫力ある走りが披露されている。

 WRC世界ラリー選手権の下位カテゴリーであるPCWRCプロダクションカー世界ラリー選手権において、2005・07年の世界王者となった新井敏弘選手。”世界のトシ・アライ”と呼ばれる、日本人トップラリーストだ。

 そんな新井選手がPCWRC参戦時代に乗っていたのが、スバル「インプレッサ」。同車は、それまでの「レガシィ」に代わって、スバルが1993年からWRCに投入したラリーカーだ。スバルは2008年にWRCを撤退するまで同車で戦い続け、その間、3人の世界王者が誕生。また。スバルに3回のマニファクチャラーズ王座をもたらすなど、大いに活躍した。

スバル インプレッサWRC98|subaru imprezza wrc 98

「インプレッサWRC98」。全長4340×全幅1770×全高1405mm、ホイールベース2520mm。車重1230kg。エンジンは排気量1994cc、水平対向4気筒DOHC空冷インタークーラーターボ「EJ20」。最高出力は220kW(300ps)/5500rpm、最大トルク470N・m(480.0kg-m)、センターデフ方式フルタイム4WD、6速セミAT。

 今回デモ走行を行ったのは、WRCの1998シーズンに投入された「インプレッサWRC98」だ。同車の青は「スバルブルー」といわれ、WRCに参戦した「インプレッサ」は歴代、この鮮やかな青にイエローのアクセントが入れられたカラーリングをまとって戦ってきた(車両ごとにデザインパターンは異なる)。

 スバルがWRCから撤退して10年が経過したが、その活躍から、今でも世界的な人気があるのが、このスバルブルーの「インプレッサ」。スバルのラリーカーといえば、今でも同車という人が多い。

「インプレッサWRC98」のデモ走行の様子。再生時間2分1秒。中でも見所は、35秒頃からで、右へのコーナリングからカメラ前を通過し、一瞬、右に切りすぎてスピンしたかと思われる場面。それはスピンではなく、その後ももうもうと白煙を上げながら4輪ドリフトに突入し、さらに右にコーナリングしていく。さすがは、”世界のトシ・アライ”と感じられる迫力のあるドライビング・テクニックだ。

現在は全日本ラリー選手権に参戦中の新井選手が乗るラリーカーが「WRX STI」!

 現在、新井選手は全日本ラリー選手権に戦いの場を移しており、最上位クラス「JN1」で戦っている(2018年までは最上位クラスの名称は「JN6」だった)。そして、2015・17・18年と3回の最上位クラス王者=総合王者を獲得した。イベント開催時点で2019シーズンも第3戦が終了しており、56点を獲得してランキングトップを走っている(第4戦「久万高原ラリー」は5月3日(金)~5日(日)に愛媛県で開催)。

 新井選手は毎年モータースポーツジャパンに参加しており、全日本ラリー選手権に参戦したラリーカーを持ち込み、自らステアリングを握ってデモランや同乗試乗体験を行っている。

スバル・チーム・新井 1号車 富士スバル AMS WRX STI

全日本ラリー選手権の最上位JN1クラスに参戦する、スバル・チーム・新井の1号車「富士スバル AMS WRX STI」。新井敏弘選手自らがステアリングを握ってデモ走行を行った。

 新井選手が全日本ラリー選手権で使用しているのが、スバル「WRX STI」ベースのラリーカーだ。今回は、上写真の1号車「富士スバル AMS WRX STI」(スバル・チーム・新井)で走行した。

 「WRX STI」は、かつて「インプレッサ」の1モデルだった。現在は独立した車種となり、スバルのクルマの中で最も走行性能を有しており、ラリーカーのベース車両として選ばれている。ちなみに、”STI”とはスバルのモータースポーツ兼ハイパフォーマンス部門である「スバル・テクニカ・インターナショナル」のこと。「WRX STI」はSTIの名を冠した、走りを追求したモデルなのである。

「富士スバル AMS WRX STI」のデモ走行の様子。再生時間2分9秒。同デモ走行の見所は、本来はステージでの解説担当だった、新井選手と同じスバル陣営の勝田範彦選手が、強引に「富士スバル AMS WRX STI」に乗せられて助手席から実況したこと。現在、選手権でトップの新井選手を6点差で追っている2位が勝田選手。最大のライバルの心を折るべく(?)、新井選手はドリフトや、フィギュアスケーター並みの激しいスピンで翻弄し、食事したばかりだった勝田選手を車酔いにさせていた。


 ラリーカーは車重が軽いことから、加速力があるのと同時に制動力も大きい。そのため、お台場の臨時駐車場のような決して広いとはいえない舞台でも、新井選手のような名手であれば、迫力のある走りを見せてもらえる。4輪ドリフトを決め、タイヤスモークを上げながら駆け抜けていく新井選手の走りは、まさに芸術的だった。

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