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最終更新日:2018.11.30 公開日:2018.11.30

世界初、8K版「2001年宇宙の旅」がNHKで12月に放送

NHKは12月1日から世界初の8K放送「BS8K」を開始。スタートに合わせて8K版「2001年宇宙の旅」を放送する。1968年に公開されたSF映画の金字塔が、最新テクノロジーで蘇る。

 現行ハイビジョンを超える超高画質として研究が進められてきた4K・8K放送が、12月1日からついにスタートする。NHKでは放送開始に合わせて8K版「2001年宇宙の旅」を世界初放送。1968年に公開されたSF映画の金字塔が、最新テクノロジーで蘇る。

 次世代のテレビ技術として注目を浴びる4K放送・8K放送。現行ハイビジョンの解像度が1920×1080であるのに対し、4Kはハイビジョンの4倍にあたる3840×2160、8Kはなんと16倍の7680×4320という高画質を誇る。もちろん、単に高精細化しただけでない。色彩豊かで滑らかな表現が可能なのも4K・8Kの特徴だ。

 また映像だけでなく音響性能がスゴイのも魅力のひとつ。別途スピーカー等は用意しなければならないが、4Kは5.1チャンネルサラウンド、8Kならば22.2マルチチャンネルに対応し、まるでその場にいるような圧倒的臨場感を作り出すことができる。

 では、そんな最新テクノロジーでデジタル・リマスターされた8K版「2001年宇宙の旅」は一体何がスゴイのだろうか?

 同映画は1968年、完璧主義者といわれたスタンリー・キューブリック監督によって、当時、最高のクオリティを誇った70mmフィルムで撮影された。70mmフィルムは4Kを超える情報量を有し、8K並の映像品質を持つとされている。そこで今回NHKは、この映画の世界初となる8K放送を実現すべく、作品を管理しているワーナー・ブラザーズに呼び掛け協力を打診。オリジナルのネガフィルムを8Kでスキャンした。

 オリジナルは温度や湿度など徹底した管理の下、厳重に保管されていたそうだが、公開から半世紀が過ぎ、各所に劣化や傷が発生していたという。ワーナーは専用の作業チームを発足し、漆黒の宇宙空間や謎の物体・モノリス、クライマックスの極彩色の場面など、すべての色彩を検証・修正して、初公開時の映像と音声にできるだけ近づけるようレストア(修復)を施した。その出来栄えは「まるで宇宙空間を旅しているような臨場感だ」と作業チームも思わず息を飲む程の美しさだという。

 ただし視聴には注意が必要だ。4K・8K放送のチャンネルを見るには、4K・8K放送を受信できるテレビ、もしくは4K・8K放送に対応したチューナーと、4K・8K放送で新たに使用される電波に対応したアンテナを用意しなければならない。

 2020年の東京オリンピック開催に向けて、着々と準備が進む次世代規格の放送だが、現時点で地上デジタル放送による4K・8K放送の具体的な計画はなく、誰しもが楽しめる環境にはないというのが現状だ。

 とはいえ、オリジナルの輝きを取り戻した傑作SF映画を観てみたいと思う視聴者は多いはず。NHKでは今後、再放送を含めて4K・8K放送を広めていくというが、もっと気軽に視聴できるパブリックビューイングなどの機会を是非作って欲しい。

「8K完全版 2001年宇宙の旅」
チャンネル:NHK BS8K
放送日時: 12月1日(土)午後1時10分~

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