クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

クルマ最終更新日:2018.08.22 公開日:2018.08.22

「ビジョングランツーリスモ」のスーパーカー&レーシングカーを集めてみた!

 プレイステーションシリーズ用の「レースシミュレーター」として、世界的な人気を誇る「グランツーリスモ」(ポリフォニー・デジタル)シリーズ。その「グランツーリスモ」と国内外の自動車メーカーやカロッツェリアがコラボレーションし、2013年から開始したプロジェクトが「ビジョングランツーリスモ」だ。

 「ビジョングランツーリスモ」は、メーカーが実車を作るのと同じ過程でオリジナルのスーパーカーやレーシングカーを”バーチャルマシン”として開発し、ゲームに収録してプレイヤーが操作できるようにするというもの。

 参画する国内メーカー・ブランドは、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル、ダイハツ、三菱、レクサス。同じく海外メーカーはメルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、アストンマーティン、プジョーなどだ。それらに加え、イタルデザイン・ジウジアーロなどのカロッツェリア(デザイン工房)やナイキ(スポーツウェア)なども加わっている。

 バーチャルマシンは、プレイステーション(PS)3用の「グランツーリスモ6」(GT6)や、最新作であるPS4用の「グランツーリスモSPORT」に収録されている。もしくは、今後行われるアップデートなどで追加される。

 そしてバーチャルマシンのフルスケールモデルを製作したメーカーも多く、中にはアウディのように、実際に走行可能なワンオフモデルのマシンも開発したメーカーもある。ここではそうした「ビジョングランツーリスモ」のフルスケールモデル4車種と、アウディの実走が可能な「e-tron」の計5車種を併せて紹介する。

トヨタ「FT-1」

sn180820-02-01.jpg

「FT-1」の”FT”は「Future Toyota」を表し、”1″は「頂点」を意味する。FR駆動で、フロントガラスのサイド部分はトヨタ初の本格スポーツカーでヤマハと共同開発した「2000GT」をイメージするラインを採り入れているという。MEGA WEBにて撮影。

 2014年1月のデトロイトモーターショーで公開された、トヨタのクーペスタイルのスポーツカーのデザインコンセプトモデル「FT-1」。トヨタの北米デザイン拠点のCalty Design Researchが手が、創立40周年を記念して「夢のスポーツカー」への挑戦を続けてきたひとつの成果として発表した。

 そして、この「FT-1」をベースにしたバーチャルマシンが「FT-1 ビジョングランツーリスモ」だ。「FT-1 ビジョングランツーリスモ」は2014年8月に公開され、ゲームには同年9月に追加された。

 「FT-1」と「FT-1 ビジョングランツーリスモ」は若干異なる。”機能造形美”として開発された「FT-1」を、ピュア・レーシングカーとしてブラッシュアップしたのが「FT-1 ビジョングランツーリスモ」だからだ。

 フロントはエアインテークを拡大し、カナードを追加。リアには大型ウイングを装備したほか、ディフューザーを大型化し、垂直フィンを多数配置している。フェンダーも大型化し、よりワイドなタイヤが装着されている。

 「FT-1 ビジョングランツーリスモ」は「GT6」および「GTS」の2作品でドライブすることが可能だ。

sn180820-02-02.jpg

「FT-1」のサイドビュー。ドライバーのコーナリング中の視界をできるだけ広く確保するため、フロントピラーを極力後方にしたという。また、履いているタイヤはピレリ「PZERO NERO」。ブレーキパッドには「TOYOTA」とあるだけで、メーカー名は確認できなかった。

sn180820-02-03.jpg

リアのクォータービュー。「FT-1 ビジョングランツーリスモ」の場合、大型のリアウイングが装備され、スーパーGTやル・マン24時間レースなどに参戦していそうな、よりレーシーなスタイルとなっている。

sn180820-02-04.jpg

リアビュー。「FT-1 ビジョングランツーリスモ」の場合、下端のディフューザー(黒いパーツ)が後方に突き出すほど、大型化したものが装備されている。

→ 次ページ:
次は2020年の「GT-R」!? 日産「コンセプト2020」

日産「コンセプト2020」

sn180820-02-05.jpg

日産「コンセプト2020」のフロントビュー。フロント部分は2015年の第44回東京モーターショーに展示する際にリファインされ、近年のデザインである「Vモーション」が採用された。両サイドのエアインレットから入った空気はフロントホイールを冷却した後、フェンダー後方のアウトレット下部に設けられたエキゾーストで引き抜かれる構造となっており、エアロダイナミクス滴に最小限の力でボディが空気を切り裂けるようになっているという。NISSAN CROSSINGにて撮影。

 日産のバーチャルマシン「コンセプト2020 ビジョングランツーリスモ」は2014年6月に発表され、フルスケールモデルも同月にアンヴェイルされた。また、ゲームには同年7月に追加された。

 ロンドンに拠点を置く日産デザインヨーロッパの若手デザイナーが自由に”夢のスポーツカー”をデザインした上に、神奈川県・厚木の日産テクニカルセンターの若手エンジニアが技術的なフィードバックを織り込むという、国境をまたいだ共作によってデザインが完成したという。

 パワートレインは、V6ツインターボに加えて前後に3基のモーターを搭載したハイブリッドFR-4WDシステムが想定されている。フロントは左右独立のモーターであることからトルクベクタリングを可能とし、アクティブサスも相まって、超高速域でも挙動が乱れないスムーズなコーナリングを可能とするという。

 フルスケールモデルについては、2014年6月に英国ウェストサセックス州で毎年開催されている世界的な知名度を有するモータースポーツイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」の日産ブースにおいて、世界初公開となった。

 「コンセプト2020」は「GT6」および「GTS」でドライブすることが可能だ。

sn180820-02-06.jpg

「コンセプト2020」はところどころに現行のR35型「GT-R」を彷彿とさせるデザインが採り入れられているようだ。履いているタイヤはダンロップ製、ブレーキはブレンボ製であることが確認できた。ドアミラーは超小型であることからカメラと思われ、コックピット内に後方視界が映像として映されるようだ。

sn180820-02-07.jpg

リアクォータービューから見ると、フロントフェンダーのエアアウトレットに設けられたエキゾーストが見える。リアウイングはアクティブ式で速度領域に従って昇降し、ダウンフォースが直接デフ部分に力をかける構造だ。時速300kmでは400kg超のダウンフォースが発生するという。アンダーフロアはフロント部分のアップスイープと、リアの大型ディフューザーが生み出す負圧により、前後共にレーシングカー並みのダウンフォースが発生する構造を採用。

sn180820-02-08.jpg

「GT-R」をイメージさせる丸目4灯のブレーキランプ。リアディフューザーの後方への跳ね上がり方はレーシングカー並みだ。ちなみにこの赤系のカラーリング「Fire Knight」は、2015年の第44回東京モーターショーに展示する際に施されたニューカラー。

→ 次ページ:
21世紀の「787B」!? マツダ「LM55」

マツダ「LM55」

sn180820-02-09.jpg

「アトモスフェリックホワイト」のボディが美しいマツダ「LM55」。1991年のル・マン24時間レース総合優勝マシン「787B」の雰囲気を有すると同時に、近年のマツダのロードカーの特徴であるフロントマスクを再解釈したフロントグリルを備える。MEGA WEBにて撮影。

 マツダといえば、2018年にトヨタが優勝するまでは、国内で唯一ル・マン24時間レースを制したことのあるメーカーだった。同レースと、1991(平成3)年に総合優勝を果たした「787B」55号車(記事はこちら)にちなんだ車名を持つのが、マツダのバーチャルマシン「LM55」だ。

 2014年12月のアップデートでゲームに追加され、2015年6月のグッド・ウッド・フェスティバル・オブ・スピードの除幕式で、フルスケールモデルがモニュメントの一部として「787B」とともに展示された。フルスケールモデルの日本初公開は2016年1月の東京オートサロン。

 デザイン面でも「LM55」は「787B」をイメージしたものとなっており、そこにマツダの近年のデザインコンセプトである「魂動(こどう)」にインスピレーションを受けたものが加えられている。また、近年のマツダのロードカーのフロントマスクを再解釈したフロントグリルも備える点もポイント。

 モノコックボディのフレームのほか、カーボンファイバーを多用して徹底した軽量化を実現。さらに、そこにパワー・効率・耐久性を実現するというパワートレイン技術を加えたことで、同クラスのマシンの多くを凌駕するパワーウェイトレシオを実現したという。ただし、具体的なスペックは未発表だ。

 「LM55」は「GT6」および「GTS」でドライブすることが可能だ。

sn180820-02-10.jpg

サイドビュー。飛びかかるようなイメージの前のめりのデザインが特徴的。コックピットから後方へと伸びるシャークフィンにあるように、マツダの各種オリジナル技術のシリーズ名である「SKYACTIV」技術が「LM55」にも導入されている。

sn180820-02-11.jpg

近年のレーシングカーというと、大きく跳ね上げた車体下部のリアディフューザーでフロア下面の空気流を加速させ、負圧で地面に押さえつけるコンセプトを採用しているものがほとんど。車体上面からのダウンフォースだけでほかにないなかなか独創的なデザイン。タイヤはダンロップ製。

sn180820-02-12.jpg

リアビュー。テール部分がこのように薄いデザインをしたレーシングカーは、「ビジョングランツーリスモ」というバーチャルレーシングカーならではだろう。

→ 次ページ:
実際に走行可能なアウディ「e-tron」

アウディ「e-tron」

sn180820-02-13.jpg

アウディの「e-tron ビジョングランツーリスモ」。前後重量配分は理想の50:50の4輪駆動EVレーシングカー。600kW(815馬力)に対し、車重は1450kgであることから、パワーウェイトレシオは2.42kg/kW(1.78kg/ps)。時速0→100kmの加速性能は2.5秒以下と発表されている。ベルサール秋葉原で開催されたアウディと「グランツーリスモ」のコラボレーションイベントにて撮影。

 アウディが2018年4月に発表したのが、2種類のビジョングランツーリスモだ。同時に「GTS」のアップデートが行われ、ゲーム中で走れるようになった。

 1台はハイブリッド仕様のアウディ「ビジョングランツーリスモ」で、3.4L・V6ターボ+前輪にモーターを搭載し、トータルで950kW(1292馬力)という強烈なパワーを発生する。フロントグリルがブラックアウトしているのが特徴だ。

 そしてもう1台はフロントグリルがホワイトに塗装された完全EV仕様の「e-tron ビジョングランツーリスモ」。200kWのモーターをフロントに1基、リアに2基搭載し、合計600kW(815馬力)のフルタイム4WD。4月14日に開催されたフォーミュラEのローマ戦をスタートにさまざまなレースなどに登場し、ゲストを乗せてデモランを行う”レーシングタクシー”として活躍している。

 ちなみに「e-tron ビジョングランツーリスモ」は、8月4日に富士スピードウェイで開催されたスーパーGT第5戦において、日本で初となるデモランを実施。元AKB48で女優の篠田麻里子さんを乗せて疾走した(記事はこちら)。

 アウディのこの2車種のエクステリアデザインは、1989年に北米のレースシリーズ「IMSA GTO」を席巻した、5気筒ターボ+クワトロシステム(4輪駆動)が特徴のアウディ「90 クワトロ IMSA GTO」 へのオマージュとなっている。

 アウディのビジョングランツーリスモの2車種は、「GTS」でのみドライブすることが可能だ。

sn180820-02-14.jpg

「e-tron ビジョングランツーリスモ」をサイドから。ビジョングランツーリスモは未来的なイメージのデザインをしたクルマも多いが、「e-tron ビジョングランツーリスモ」はスーパーGTなどのレースに混ざっていても違和感を感じないほど現代風のエクステリアデザインとなっている。タイヤは18インチ。メーカー名は記されていない。ブレーキパッドには「レーシングDTM」とあり、ドイツツーリングカー選手権(DTM)仕様か?

sn180820-02-15.jpg

「e-tron ビジョングランツーリスモ」のリア・クォータービュー。巨大なリアウイング、下部の大きく跳ね上がったリアディフューザー、リアフェンダー後方の4本のカナードなど、現代のレーシングカーらしいエクステリアデザインが採用されている。

sn180820-02-16.jpg

EVなので、もちろんエキゾーストパイプはどこにもない。レーシングカーを設計する上で、エキゾーストパイプの取り回しを考えなくて済むのは、EVのメリットのひとつだろう。

→ 次ページ:
最後は名門カロッツェリアが21世紀のスタイルで復活させた名車

「イソリヴォルタ ザガート」

sn180820-02-17.jpg

1962年から1970年まで、イソが生産したGTカー「リヴォルタ」にインスピレーションを得て、同じイタリアの名門カロッツェリアのザガートがデザインした「イソリヴォルタ ザガート」。第45回東京モーターショーの「グランツーリスモ」ブースにて撮影。

 2017年の第15回東京モーターショーのグランツーリスモブースに展示されたのが、「イソリヴォルタ ザガート ビジョングランツーリスモ」だ。将来のアップデートで「GTS」に追加される予定となっている。

 「イソリヴォルタ ザガート ビジョングランツーリスモ」は、かつて存在したイタリアのイソ社が開発したGTカー「リヴォルタ」にインスピレーションを受けて、カロッツェリア(デザイン工房)のザガートがデザインをし、開発も担当。バーチャルマシンの中でも少し変わった経緯によって誕生したスーパーカーだ。そのため、メーカー名がなく、「イソリヴォルタ ザガート ビジョングランツーリスモ」となっている。

 「イソリヴォルタ ザガート ビジョングランツーリスモ」はFR駆動で、フロントにはかつての「リヴォルタ」と同様に、アメリカ製のエンジンを搭載。「リヴォルタ」はシボレー製のエンジンだったが、「イソリヴォルタ ザガート ビジョングランツーリスモ」はキャラウェイ製6122cc・V8ツインターボという大排気量エンジンが載せられている。

 最高出力は743.5kW(1010.8馬力)で、車重は1129kg。パワーウェイトレシオは1.36kg/kWで、最高速度は時速365km、時速0→100kmの加速性能は2.7秒。実車として存在したら、乗りこなすには相当なドライビングテクニックが求められるハイパワーマシンだ。

 「イソリヴォルタ ザガート ビジョングランツーリスモ」は、「GTS」でのみドライブすることが可能になる予定だ。

sn180820-02-18.jpg

デザインを手がけたザガートは、約100年の歴史を持つカロッツェリアの名門。一見しただけでは、どうやって乗り込むのかすらわからないデザインなのが「イソリヴォルタ」の特徴で、SF映画に出てきそうな未来をイメージしたデザインである。

sn180820-02-19.jpg

どの角度から見ても未来的に見える「イソリヴォルタ」。リア・クォータービューだと、ほぼ曲線で構成されている様子が見て取れる。タイヤはピレリ製「PZERO」を履いていた。ブレーキパッドにはメーカー名がなく、未確認。

sn180820-02-20.jpg

リアにはウイングやディフューザーなど、現代のクルマと共通するパーツもある。リアウイング上側には「イソリヴォルタ」と書かれており、ウイング下側のダクトはエキゾーストと思われる。約1000馬力という強大なパワーを後輪だけで駆動することから、リアタイヤには大きなダウンフォースをかけてグリップさせていると思われる。

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(6月30日まで)
応募はこちら!(6月30日まで)