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クルマ2017.05.12

あれから(劇中で)30年…ポリススピナーも最新モデルに!! SF映画「ブレードランナー2049」

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前作「ブレードランナー」の舞台は2019年。現実世界が追いついてしまったので、劇中でも30年後とされた。画像は、今回の「ブレードランナー2049」で主人公らが足として使う、2049年式ポリススピナーのリアビュー。よく見ると、ネームプレートは「ロサンゼルス」と前作から引き続き、日本語が大活躍!? ナンバープレートに使えるということは、この世界の米国では日本語が公用語として認められているのか? また後輪は1輪のようである。

 1982年に公開されたリドリー・スコット監督、ハリソン・フォード主演のSF映画「ブレードランナー」。今もって熱狂的なファンが多く、「2001年宇宙の旅」などと並んで称されるSFの名作だ。

 世界中のファンから長らく続編が望まれていたが、35年の時を経て遂に実現。リドリー・スコットは製作総指揮に回り、現在、評価が非常に高まっているドゥニ・ヴィルヌーヴが監督に抜擢され、主演はライアン・ゴズリング。そして共演として、ハリソン・フォードが前作の主人公リック・デッカードの役を再び演じる「ブレードランナー2049(ニー・ゼロ・ヨン・キュウ)」(以下、2049)。日本では10月27日(金)に劇場公開となる。

SF映画だけでなくそのほかにも多大な影響を与えた作品

 ブレードランナーはさまざまな魅力を有する作品だ。それまで明るくて清潔に描かれることの多かった未来の世界を、暗鬱で薄汚れたリアルなデストピア系のイメージで描いた初めてのSF映画とされている。

 日本語を初め、英語以外の言語を多民族的な活況さや猥雑さを表現するのにうまく使った作品でもある。もはやネタとして独り歩きしてしまっている、デッカードが立ち寄った屋台のオヤジによる名台詞(?)「2つで十分ですよ!」や、高層ビルの壁面に投影される巨大CM「強力ワカモト」などは、SF映画ファン以外にも知られているほどだ。

 公開から数年後に勃興することになるSF界の一大ムーブメント「サイバーパンク」の元祖として、大友克洋のコミック「AKIRA」と並んで称えられているし、SF界以外のカルチャーにもさまざまな影響を与えたとされる作品なのである。

 そして、クルマ好き、メカ好きにもアピールした作品でもあった。それが、飛行可能な警察車両「ポリススピナー」である。

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新旧ブレードランナーのふたりと、ポリススピナー2049年式。

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劇中で活躍するポリススピナーの2049年式に迫る!

2049年式ポリススピナーは鋭角的なデザインが特徴

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2049年式ポリススピナーとK。側面や、リアのデザインなど、鋭角的で直線的。ステルス機能でも備わっているのか? 米国の警察車両であることを考えると、おそらくは米国製と思われる。3大メーカーか、それともサリーンやテスラなど?

 前作のポリススピナー(以下、2019年式)は、著名なインダストリアル・デザイナーのシド・ミードがデザインを担当した。劇中でデッカードが所有するハンドガン、通称「デッカード・ブラスター」と並んで、同作品を代表するSFガジェットとして今も人気があるほどだ。そして2049でも、新たなポリススピナー(以下、2049年式)が、ゴズリング演じる新人ブレードランナー「K」の足として活躍する。

 2019年式は全体的に角の取れた丸みを帯びたデザインだったが、2049年式はボディから延びた2本のアームの先に前輪がそれぞれついているところは踏襲されているが、細部の雰囲気はかなり異なる。鋭角的なところが多く、とても直線的なイメージだ。ステルス戦闘機のようなイメージである。

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再び、2049年式ポリススピナーのリアビュー画像を掲載。後ろが1輪になったので、もはや乗り物として別物といっていいところだが、この画像ではわかりにくいが、前輪のデザインは踏襲されている(公式トレーラー第2弾で確認可能)。そしてドアの開き方も一緒だ。

 また両車で大きく違うのは、どうやら2049年式は後輪が1輪らしいところ。重量を減らせる、メンテナンス性が上がるなどのメリットはあるかも知れないが、走行時の性能面のことを考えるとデメリットも多いように思われる。飛行性能を重視して軽量化したのだろうか?

 ちなみにドアに関してはヒンジを軸にして縦回転して真上に跳ね上がる機構なので、2049年式は2019年式を踏襲しているようだ。

操縦はステアリングではなく片手持ちのスティック型の模様

 また、コックピット内が見られる画像も公開されているが、ステアリングではなく、飛行することから3次元的に機体を操れるように片手持ち式のスティックとなっている(2019年式はツインスティック型)。なお、奥側にももう1本スティックらしきものが見受けられることから、客機のように非常時には助手席側でも操縦できるようにしてあるのかも知れない。

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2049年式のコックピット。Kの握るスティックの奥にあるモニターに、「LAPD」と表示があり、ブレードランナーがロサンゼルス市警の所属、もしくはポリススピナーを所有していることがわかる。助手席の美女を演じるのは、アナ・デ・アルマス。彼女がヒロインと思われるが、はたして?

 なお、現在のところスタッフに関しては製作総指揮のリドリー・スコットや、監督のドゥニ・ヴィルヌーヴ、そして脚本が前作でも担当したハンプトン・ファンチャーなど、主要スタッフの名は公開されているぐらいで、2049年式のデザイナーが誰かは不明だ。

 2049年式の飛行シーンなどは、最終ページの最後に掲載したYouTubeで公開されている公式トレーラー第2弾で見られるので、興味のある方はぜひご覧いただきたい。

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続いては前作の世界観をおさらい!

まずは前作「ブレードランナー」を復習!

 そして最後になったが、前作をおさらいしつつ、2049の世界観とストーリーを紹介しよう。

 前作は2019年のロサンゼルスが舞台。この世界は、現実の2010年代後半よりも環境破壊が大幅に進んでいるようで、酸性雨が降りしきり、常に暗鬱で薄汚れた状況になっている。そして宇宙開発が桁違いに進展していて、なんと他星系にまで進出している(移動手段は不明)。多くの人々が環境破壊の進んだ地球を脱出していずこかの星に移住しているとされ、地球が全体的に過疎化しつつある。ロサンゼルスのような大都市も住人は宇宙に脱出できない貧困層が多いため、スラム化、治安の悪化が進行している。

 遺伝子工学技術も現実以上に大幅に進展しており、また倫理的な問題をクリアしたようで、使い捨ての労働力として人造人間の「レプリカント」が開発済みだ。他星系の開発など、過酷な環境での重労働に投入されている。レプリカントの寿命はわずか5年に設定されているが、これは誕生して数年すると感情が芽生え、所有者に逆らって労働現場から脱走するといったことがしばしば起きるため、後に設けられた安全装置だという(寿命が短いため、時間をかけた反乱計画などを起こしにくい)。

ブレードランナーとは脱走レプリカントを狩るもの

 レプリカントの外見は人間と見分けがつかないため、脱走したレプリカントは人間社会に紛れ込む。そんな脱走レプリカントを見つけ出して処分するのが、デッカードらブレードランナーと呼ばれる専任捜査官たちである。

 2019年のロサンゼルスに、ロイ・バティ(演じるのはルドガー・ハウアー)ら4名の脱走レプリカントが潜伏。任務に就いた前任のブレードランナーがレプリカントの反撃を受けてしまったため(劇中での生死は不明)、退職していたデッカードが呼び戻されて後任となり、命をかけた追跡劇を始めることになるというわけだ。

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「ブレードランナー2049」はどんな展開が?

2049年、新人ブレードランナーのKはデッカードを探すが…

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ライアン・ゴズリングが演じる、主人公の新人「ブレードランナー」K。彼は、30年前に腕利きのブレードランナーとして活躍したリック・デッカードを探す。

 そして物語の後、デッカードは人々の前から姿を消し、行方不明となった。ここからが2049のストーリーだ。新人ブレードランナーのKは、2049年の世界に新たな危機が迫る中、カギを握るとされる行方不明のデッカードを探し出すことになる。

 地球は環境破壊がさらに進んだ様子で、大地はまるで核戦争でもあったかのように赤茶けて荒廃している。そんなロサンゼルスの郊外に建つ屋敷の中で、Kはデッカードと出会うが…。

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2049年にKの前に姿を現した、デッカード。かれは30年もの間、どこにいたのか? ○○はどうなったのか? などなど、謎はつきない。彼は何を見てきたのか?

 「この世界は分断されている。ひとつにしようとすると、争いが起こる」という、ロビン・ライト演じる女性ブレードランナーの言葉。人間とレプリカントの間にある溝ということなのか? 現在公開中の最新トレーラーでは、ポリススピナーの飛行シーンのほか、そのレプリカントが生み出されるシーンも見ることが可能だ。

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1ページ目のトップ画像は、この画像のポリススピナーを拡大したもの。ただの環境破壊だけではなく、故フィリップ・K・ディックによる原作小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の設定のように、核戦争があったような雰囲気。

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最後は公式トレーラーについて!

BGMはヴァンゲリスではないけれどイメージは悪くない

 なお前作では、ギリシャのシンセサイザー・アーティストのヴァンゲリスが担当したBGMも大きな魅力だったが、2049はアイスランドの作曲家ヨハン・ヨハンソンが手がけるという。トレーラーで聞いた限りでは、ヴァンゲリスの曲を非常に意識した雰囲気で、シンセサイザー的な空間的に広がりのある雄大な楽曲が使われていた。

トレーラー第2弾。2049年式ポリススピナーの飛行シーンなども収録されている。

トレーラー第1弾。2049年のロサンゼルスは酸性雨が降らなくなったようで、まるで火星のように赤茶けた荒廃した土地が広がるのがわかる。

 10月27日の公開まではまだ間があるので、はたしてデッカードは30年もの間どこにいたのか? 2049年の世界に迫りつつある危機とは何なのか? そして○○はどうなったのか? などなど、想像を張り巡らせて待ってみてはいかがだろうか。

 なお、前作の特徴のひとつが、ほかに例を見ない再編集版が複数存在すること。劇場公開版から2007年の「ファイナルカット」まで、現在は5バージョンある。未見の人は、それらを見比べてみるのもいいだろう。

2017年5月12日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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