都営・大江戸線をラップに乗せて魅せる動画「東京ローラーコースター」公開
まるでテーマパークのコースター系アトラクションのようにアップダウンや急カーブを繰り返す都営地下鉄・大江戸線。その魅力に気づかされる秀逸な動画が公開された! (c) 東京都交通局
「都営地下鉄」や「都バス」などを運営する東京都交通局では、2016年8月より情報発信を目的とした「PROJECT TOEI」を展開中だ。
その一環として、都営地下鉄としては最も新しく、そして日本の地下鉄として、最も深くを走り、40.7kmと営業路線も最長という大江戸線を題材としたPR動画、「東京ローラーコースター」の無料配信を12月20日より開始したことを発表した。
大江戸線は1991年に一部開業し、現在では地下の山手線ともいうべき環状路線と、新宿から光が丘までの放射部で構成される。東京の地下鉄の開業としては、2008年の東京メトロ副都心線の次に新しいことから、その前に開通した地下鉄11路線やJRの地下路線、首都高の地下道部分などのさらに下をくぐる形で作られており、六本木駅の内回りのホームは地下42.3mと日本最深を記録している。
大江戸線はアップダウンや急カーブが多い
大江戸線は地上に一切出ることがないのでわかりにくいのだが、アップダウンが非常に多い。これは、アクセルやブレーキを効率よく利かせるために駅間であえて繰り返しているのだという。
ちなみに新宿区の牛込神楽坂駅から千代田区・新宿区・文京区にまたがる飯田橋駅までは、約1kmしかないにもかかわらず、25mの高低差もある。この勾配を角度であらわすとたったの1度強でしかないのだが、0.025パーミル(1000分の25)は鉄道としては結構な高低差である。
動画中の一場面。勾配がわかるカット。まさに下る時はローラーコースターだ。(c) 東京都交通局
そして、よく利用される方ならご存じかと思うが、カーブの多さも特徴だ。こちらは、地下鉄の建設においては、用地取得費用をできる限り抑えるため、極力道路の下を通す必要があるためだ。例えば、中央区の勝ちどき駅から港区赤羽橋駅までの約4.6kmの間には5か所もの急カーブがある。
急カーブが多いのも大江戸線の特徴。映像は非常に美しいのが特徴。(c) 東京都交通局
このようにアップダウンやら急カーブやらが多い路線なのだが、普通に乗車している分には、もちろんテーマパークのコースター系アトラクションほど激しいわけがない。しかし、運転席から撮影した映像を早回しで見ると、これがなかなかの迫力となるのだ。
そこで今回、東京都交通局としては初めて大江戸線の運転席からの視界で撮影を行い、それを編集して、まるで地下のローラーコースターのような迫力ある映像を作成。急降下に急上昇、急カーブといったまさにコースター系の映像ができあがり、それを作曲・編曲が関口シンゴさん、作詞・歌をSALUさんによるラップ「On The Way」に載せて公開したという次第だ。
歌うSALUさんは話題の新世代ラッパー
「On The Way」を歌うSALUさんは1988年生まれで、14歳から日本語によるラップを書き始めたという、話題の新世代ラッパー。「実際に大江戸線に乗って、都営地下鉄がある生活をイメージしながら作詞しました。音と言葉で都会の日常が流れていく様を表現しているところがこの楽曲のポイントです」とコメントしている。
自ら作詞し、そして歌っているSALUさん。「On The Way」は、曲も落ち着いた雰囲気で、「ラップって若者の曲でしょ?」なんて方でも聴けるはず。(c) 東京都交通局
映像は環状部や六本木駅などで撮影
映像は、2000年に開業した環状部を中心に、六本木駅なども利用して撮影が行われており、まだトンネル内の設備が比較的新しいことから、映像が美しいのが特徴。東京都交通局総務部企画調整課に話をうかがったところ、インフラとしての美しさを海外の人にも見てほしくて動画を作成したという。
また動画では、その美しさに加えて、大江戸線のトンネル内はこんなに明るいのかと驚かされる。これは、高感度カメラを用いて撮影しているからだそうだ。普通のカメラでは、残念ながらこれほど明るくきれいには撮影できないという。
また、曲中では大江戸線のホームドアが閉まる際のチャイムや列車の走行音などもうまく使用されており、鉄道関連の曲らしく仕上がっているので、その点も要チェックだ。
首都圏の足として多くの人を支える大江戸線。この動画「東京ローラーコースター」を見れば、大江戸線に対するアナタのイメージが大きく変わるはず。大江戸線、カッコよすぎ! (c) 東京都交通局
2016年12月22日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)
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