2021年12月24日 11:20 掲載

ライフスタイル 6台同時急速充電が可能に!大黒PAに新型充電器登場。最大出力も90kW化

首都高湾岸線と神奈川5号大黒線にある大黒PAに、2021年12月16日から新型EV用急速充電器が設置された。e-Mobility Powerが開発したこの急速充電器は、6台の同時急速充電が可能で、一口あたり90kWという高出力も達成。国内での設置は今回が初となる。

タグ:

くるくら編集部 会田 香菜子

6台までの同時充電可能。最大出力も90kWにアップ

首都高・大黒PAに設置された新型EV用急速充電器

首都高・大黒PAに設置された新型EV用急速充電器 出典=株式会社e-Mobility Power

 首都高湾岸線と神奈川5号大黒線の合流部に位置する大黒PAは、駐車スペースが広いことからクルマ愛好家が集う場所としても知られている。この大黒PAに12月16日から、新型EV用急速充電器が新たに設置された。この新型EV用急速充電器は、EVやPHVに関する充電インフラの整備とサービス提供などを行っている株式会社e-Mobility Powerが開発したもので、国内への設置は今回が初となる。

 EV普及にともない、高速道路のSA・PAではEVの充電待ちが発生するようになっていた。e-Mobility Powerでは、これらの問題を解消するために、6台までの同時充電が可能で、従来50kWが多かった急速充電器の最大出力を一口最大90kW(6台で200kWまで)にパワーアップした新型EV用急速充電器を開発。設備仕様も、電源部と操作部を分岐させて、安全性と視認性・操作性等を両立させた。ユーザーの負担を減らすため、充電ケーブルの重さも緩和したという。これらの使いやすいデザインから、2020年度のグッドデザイン賞も受賞した。

時間経過にともなう充電出力と充電量の動き

時間経過にともなう充電出力と充電量の動き 出典=株式会社e-Mobility Power

一口での出力は最大90kWだが、全体では200kWまでのため、6台同時に90kWが使えるわけではない。ただ、現在90kWで充電可能なEVは少ないため、問題はないという。

 とはいえ、全体で200kWだと、50kWで6台同時充電もできないことになる。これは充電量の増加と共に吸収できる電力が低くなる(上図)EVの充電特性に合わせたもので、同時に50kWを利用する機会は少ないと考えられるため、「パワーシェアリング」と呼ぶ各口の充電状況に合わせた電力を出力できる仕組みを取り入れたのだという。

パワーシェアリングによるEV充電台数と充電器出力表

パワーシェアリングによるEV充電台数と充電器出力表 出典=株式会社e-Mobility Power

 パワーシェアリングでは、90kWの高出力で充電を開始した1台目の充電満量が近づくにつれ、吸収されなくなった分の電力を2台目以降へ回して供給する。これにより、全体としては充電時間が短縮され、利用者の利便性が向上する。また、受電設備を200kWに抑えることで、設置コストの削減にもつながったという。

安全性と視認性・操作性等を両立させた新型EV用急速充電器のデザイン

安全性と視認性・操作性等を両立させた新型EV用急速充電器のデザイン 出典=株式会社e-Mobility Power

 新型EV用急速充電器は、そのデザインも特徴的だ。上に広がる屋根からは、ケーブルが吊り下げ式になっている。これによりケーブルの重さを緩和し、車両充電口への移動と収納の負担軽減を実現した。例えば、従来の充電器では、背の低い人や力の無い人はどうしてもケーブルを地面に擦るようにして移動しなければならなかったが、吊り下げ式のケーブルであれば、そうした苦労をせずに充電作業を行うことができる。

 屋根は雨天時の充電作業に備えたものでもあり、7型ワイドカラー画面の操作パネルとボタンも一か所にまとめられている。既存の急速充電設備には屋根がないものが多く、雨天時の充電は辛いものであった。また充電器の表示が複数に分かれたり、表示が小さく難しい言葉が使われていたりして、使い慣れないユーザーには不親切な充電器もある。EVの普及が進むことで充電施設の使い勝手がよくなり、それによってさらにEVの普及が進むという良い循環を感じさせる改良だと感じた。

 首都高とe-Mobility Powerでは、今後も引き続きPAにおけるEV用急速充電器の整備を進めていくという。新型EV用急速充電器の設置をきっかけに、EV・PHV利用者のさらなる利便性向上に期待したい。

ライターお勧めの関連記事はこちら