クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

Cars

最終更新日:2023.06.19 公開日:2017.04.10

第三京浜と首都高をつなぐ「キタセン」を実走してみた!

約15年間にわたって建設事業が進められてきた「横浜北線」(通称キタセン:K1横羽線〜第三京浜)がついに2017年3月18日に開通した。第三京浜・港北ICから半径5キロ以内に住む筆者は、これまで羽田、品川方面に行くとなれば下記のようなルートを使ってきた。

第三京浜・港北IC→同・保土ヶ谷→首都高・三ッ沢→金港JCT
→首都高・横羽線

それが、キタセンの開通によって、保土ヶ谷に迂回する必要がなくなり、かなりショートカットされる。さらに2020年までに完成予定の横浜環状北西線によって、第三京浜の北を走る日本の大動脈・東名高速ともつながる予定だ。東名高速・横浜青葉ICから第三京浜・港北ICに接続し、首都高・生麦まで1本で行けるようになる。まさに夢のようなショートカットが実現するのだ。

こちらは、北西線が開通した際の東名高速・横浜青葉IC・JCT周辺の完成予想図。2020年には東名高速と横浜港近辺がつながり、現在の所要時間40‐60分が20分に短縮される。

→次ページ:いよいよ実走! 目的地は、メリット実感できるあの場所

いよいよ実走! 目的地は、メリット実感できるあの場所

ひとまず今回のキタセン開通のショートカットによって、いったいどれだけすごいことになったのか、早速、キタセンを走って大好きなコストコ川崎倉庫店まで行ってみることにした。下の図をご覧のとおり、キタセンとはまるで、コストコフリークの私のために開通したようなものである。

●実際どれくらい違うのか?グーグルマップで確認してみた。

出発前にまずは、ルートを確認してみた。こちらの地図は、私がナビ代わりに使っているグーグルマップである。自宅からコストコ川崎倉庫店までを検索してみると、お!ちゃんと2本出た。グーグルさん、対応が早いね。ちなみに上がキタセン経由。下が従来の金港JCT経由のルートである。これを比べると…上のキタセンルートには「7分早い経路」と書いてある。走行距離は、キタセンで22キロ、金港JCT経由で27キロ。7分早くて5キロ短い! これは期待できそう!

→次ページ:期待したものの、思わぬ落とし穴! 港北ICから乗れない!

●え!? 港北ICからの出入りはできない?

でもでも。勢い込んで第三京浜・港北ICに向かってみると、いや~実際、これはちょっと意外というか、拍子抜けというか…「港北ICから首都高には行けません」という電子表示や看板に出会う。

なんと、港北ICから直接、キタセンには乗れないのである。現状では、キタセンに入るには、港北ICを通り過ぎて一般道をおよそ5分弱、「新横浜ランプ」まで行かなければならない。その様子はこちらの動画でご覧ください。

復路もまた同様で、キタセンから来ると第三京浜・港北ICで降りることはできないのだ。カン違いする車がたくさん出てくると予想したのでしょうね、キタセンの横浜北トンネル内にはおびただしい量の案内が表示されていた。

「港北ICでは出られません」「港北ICでは」「出られません」…。

きっとみんな、え?え?あれ?そうなの?と思っているうちに、第三京浜に入り、次の出口である都筑ICまで走らされちゃうことになる。港北IC付近に用事があるなら、第三京浜に入る前の「新横浜ランプ」で降りるのがよい。

「おびただしい量の案内」の一例。カメラポイント③から撮影

「おびただしい量の案内」の一例。港北ICからは絶対に出させないぞ、という首都高の決意さえ感じられる。

なお、キタセンの公式サイトによると、「(2020年開通予定の)北西線の整備と合わせて、横浜港北JCTに新しい出入口が設置されます。これにより、横浜港北JCTの周辺から、[K7]横浜北線([K1]横羽線~第三京浜)と北西線の両方にアクセスできるようになります。」だそうだ。

こちら現在、建設中の横浜環状北西線(東名高速・横浜青葉IC近辺)。これが開通するときに、港北ICからキタセンに行くこともできるようになるという。

そういえば、この工事が始まった頃に現在高1の長男が生まれたのだ。長男とキタセン…一緒に成長してきたんだなあ。そして、北西線が完成する年に長男は20歳になる。なんだか感慨深いものがある。涙が出そうだ。港北ICから直接行けないのは予想外だったが、まあいいさ。なんだかキタセンがわが子のように思えてきたぞ! 2020年、長男が成人するとき、横浜青葉IC~港北IC~首都高がつながる。母の広い心であと3年待てばいいじゃないか。わが子の成長は早い。キタセンの延伸も、きっと早く感じるはずだ。近隣住民の皆さんも、もう少しの辛抱である。

そんな発育中のキタセンではあるが、おおむね満足。当たり前であるが、新しくできた道路はとてもきれいで、走っていて気持ちが良い。特に6キロものなが~い横浜北トンネルを出て、生麦JCTに向かうあたりが(ベタな表現だが)近未来っぽい。優美なカーブを描く白基調の高架道路は、トンネルの暗さに慣れた目に少々眩しく、青空とのコントラストがまた美しい。

「いや~すごいな~、きれいだな~。新しい匂いがするよ~、わ~高架道路がすごい~」なんて、うっとりしながら走っていたら、あっという間に「生麦JCT」だ。それを過ぎたら、おおお、首都高・横羽線が見えてきた! すごいショートカットだな、早い!

図のカメラポイント②から撮影。こちらがキタセンのほとんど占める「横浜北トンネル」。なんと5950mもある。

こちらは、図のカメラポイント①から撮影。川崎方面から第三京浜方面へ向かう生麦JCT。

すべり台式? なんのこっちゃと思ったが、たぶん非常口のことだろう。【関連記事】→https://kurukura.jp/news/160923_5.html

→次ページ:気になる通行料金は?

気になる通行料金は?

●距離にして5キロの違い。通行料金もオトクになる!

さて、ドライブを終えたところで、冷静に現時点でのキタセンのオトク度を考えてみよう。距離に関していえば、冒頭に述べたように5キロの違いがある。実測燃費が10km/L程度の車の場合、ガソリン代にして0.5L程度が浮く計算だ。往復で1L。レギュラーガソリンなら128円、ハイオクなら144円程度だ。

通行料金はどうだろうか?

第三京浜を利用する従来ルートと比較すると…(料金はいずれもETC)

☆従来ルート 港北→保土ヶ谷→金港JCT→浅田
130円(第三京浜)+500円(首都高)で合計630円

☆キタセンルート 新横浜→生麦JCT→浅田
首都高のみ利用で480円

なんと! 片道150円も安くなる! そりゃそうじゃん。第三京浜を使わないわけだから、距離だけじゃなく、第三京浜分の通行料金も浮く計算になる。片道150円で往復キタセンを使えば300円! ガソリン代も1L分オトクになっているので、高速料金+ガソリン代を合計すると428円~444円。

そういえば先日、とある雑誌の覆面調査企画で「牛丼食べ比べ検証」なるものを執筆した際、牛丼各社の価格やら味やら店内サービスやらを徹底的に比較した。440円とは、プレミアム牛めし+味噌汁+生卵の金額でして、つまりキタセンによって「松屋のプレミアム牛めし380円(店内なら味噌汁付)+生卵60円分」の違いが出るというわけだ。

さらにいえば、コストコのフードコートでいうとアメリカンサイズのホットドッグ180円(フリードリンク付き)+ボリューミーなガーデンサラダ(280円)とほぼ同じ値段。

キタセンを使ってコストコ川崎倉庫店に行けば、フードコートでゴージャスに食べた分がほぼ無料~♪になる!ってわけだ。すごいぞ!キタセン! コストコへのショートカットが実現し、浮いた交通費でプチ贅沢。これって、まさにコストコ線である。

2017年4月10日(雨輝・加藤久美子)

関連記事

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(1月5日まで)
応募はこちら!(1月5日まで)