クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

Cars

最終更新日:2017.03.28 公開日:2017.03.28

高速道路の逆走を防げ!! 公募で集まった対策技術28案を選定

車で移動する際、安全かつスピーディーに移動することができる高速道路。今、その高速道路で逆走する人が増加している。

 高速道路の逆走が社会問題化して久しい。その件数は、少し古いデータだが、2011年には1253件、12年には1291件であった。これに対して、2014年には「自動車運転死傷行為処罰法」が施行され、通行禁止道路(逆走も含む)を危険な速度で運転し死傷事故に至った場合は、危険運転致死傷罪に該当するようになった。これは、飲酒運転による死傷事故に相当する重罪である。

 さらに、国交省は、2020年までに「高速道路における逆走事故0」という目標を掲げた。NEXCO3社(東日本・中日本・西日本高速道路株式会社)がこれに対してとったアクションのひとつが、今回の記事のテーマである「逆走事故防止の技術案の募集」である。募集期間は2016年11月22日から2017年2月10日。そして、全100案中から有効と考えられる28案がこのたび選定された。

普通では考えられない高速道路の逆走事故。

→ 次ページ:
厳選されたアイディアにはどんなものが?

高速道路の逆走防止対策として集まった100個の防止案を28案に絞る

 NEXCO3社では、下記の3つのテーマに分けて募集を実施した。

テーマ1=路側からの注意喚起
テーマ2=逆走を発見するための情報収集技術
テーマ3=逆走車両の車載機器を活用する技術

 さて、今回は、一般の方でも分かりやすい技術を2,3ピックアップしてご紹介しよう。

 まずは、大成ロテック社の「ウェッジハンプ」。順走時はスムーズに走れても、逆走時には段差による衝撃がドライバーに異変を伝える技術だ。

 この技術と同様の考え方をしているのが、ダイクレ社の「路面埋込型ブレード」。

こちらも、順走時には滑らかに通過でき、逆走時に衝撃となってドライバーに異変を伝える技術だ。

 次に、吾妻商会の「LED発光体付ラバーポールウィングサイン」。

 高速道路の合流部にある、合流方向を示す標示はそう新しくないが、発光体が新しいと言えるかもしれない。発光体を手前の①から④に向けて順番に発光させることで進行方向を促す。確かに、向こう側からこちら側に光ってくると、逆走しているような印象を受けるかもしれない。

 JFE建材社の「プレッシャーウォール」。こちらは写真を見れば一目瞭然。順走時にはボードが薄く見えるだけ。逆走時には大きな壁のようになって、ドライバーに心理的圧迫感を与える。まさに、pressure wallである。

 などなど、逆走を根絶しようと願う各社の創意工夫にあふれたアイディアの数々である。2017年4月以降NEXCO3社では、これらのアイディアを実証実験で試し、実際に効果があった逆走防止案について2018年を目途に実用化する予定である。

2017年3月28日(雨輝・藤田竜一)

関連記事

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(12月1日まで)
応募はこちら!(12月1日まで)