池袋~新大宮バイパスを直結する! 放射第35・36号線の開通はいつ? 工事の進捗は?【いま気になる道路計画】
東京都心と埼玉県を結ぶ「新大宮バイパス」は、国道17号の慢性的な渋滞解消やアクセス性向上を目指して設けられた道路です。その新大宮バイパスをより有効活用するため、池袋西口~新大宮バイパスまでの経路では現在、都市計画道路「放射第35・36号線」の事業が進められています。放射第35・36号線の進捗状況はどうなっていて、いつ頃の開通予定なのでしょうか?
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新大宮バイパスと池袋を繋げる「放射第35・36号線」

新大宮バイパスは、暫定2車線の区間などで渋滞が発生している。
新大宮バイパスは、東京都練馬区北町に位置する国道254号の交差点から埼玉県さいたま市吉野町までを結ぶ、延長23.2kmの道路。東京都心と埼玉県を結ぶ重要なインフラのため、多くのドライバーが利用しています。
新大宮バイパスの都内区間は、川越街道から首都高5号線に合流する約2.3kmが暫定2車線区間となっていて、交通量に対して車線数が足りないため渋滞が慢性化。この渋滞解消やアクセス性をより高めるために、暫定2車線区間における4車線化や、都市計画道路「放射第35・36号線」の完成が待たれています。
放射第35号線は、東京都練馬区豊玉中の環状七号線から分岐して北上し、環状八号線および川越街道と交差、板橋区新河岸の埼玉県境まで伸びる道路。そのうち、川越街道の交差点より北は新大宮バイパスの一部として供用され、残る練馬区平和台四丁目から練馬区早宮一丁目までの事業が進められています。
放射第36号線は、山手通りの豊島区要町一丁目交差点から北西方向に北上し、環状七号線を交差して、練馬区早宮一丁目に接続する道路。そのうち、要町一丁目から環状七号線の板橋区小茂根までが共用され、環状七号線の板橋区小茂根から練馬区早宮一丁目までの未開通部の事業が進められています。
この放射第35・36号線が完成すると池袋駅西口から新大宮バイパスまでが一本の道路で直結することになります。これにより、国道17号現道と山手通りにおける交通負荷の低減や、新大宮バイパス沿線の卸売市場、物流施設、工業施設、商業施設における物資輸送の定時性・速達性の向上により、生産性の向上などが見込まれています。

放射第35・36号線の位置図。
平和台トンネルが2024年2月24日に開通

平和台トンネルの暫定開通区間。
そんな放射第35・36号線事業の進捗はどうなっているのでしょうか。
東京建設局によると、同事業に必要な用地は88%を取得完了(2024年3月末時点)。まとまった用地が取得できた区間から、排水管設置工事や電線共同溝工事、街路築造工事を実施する予定だといいます。しかし、残りの用地では取得に時間を要するそうです。同局は事業認可期間である2031年3月までに残りの用地取得と工事の完了を目指しています。
ちなみに最近では、2024年2月24日に平和台駅前で環状八号線と交差する放射第35号線をアンダーパス化(立体交差)する「平和台トンネル」が開通しました。開通したのは、練馬区平和台四丁目から練馬区北町七丁目までの延長570m(うち平和台トンネルは延長197m)で、計画では4車線のところ、暫定2車線で共用されています。
このように、池袋~新大宮バイパスを直結させる放射第35・36号線の事業は、おおむね順調に進んでいることがわかりました。しかし、明確な工事完了や開通時期は未定です。今後も東京建設局によるアナウンスに注目したいところです。
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