どっちのハイエースが好き? 初代ハイエース vs 最新ハイエース!【ジャパンモビリティショー2023】
トヨタ車体はジャパンモビリティショー2023で、「初代ハイエース」や最新BEVとなる「グローバル ハイエース BEVコンセプト」を出展した。初代ハイエース登場から56年の時を経て、次世代型のハイエースはどのように進化しているのだろうか。
トヨタのミニバン、商用車、SUVなどの企画・開発・生産を行っている「トヨタ車体」は、ジャパンモビリティショー2023で「初代ハイエース」と、次世代を担う新型車「グローバル ハイエース BEVコンセプト」を展示した。このグローバル ハイエース BEVコンセプトは、初代はもちろん、現行のハイエースとも異なる外観だが、どんな理由があるのだろうか?
1967年生まれ、初代ハイエース!
1954年に登場した商用トラック「トヨペット・ライトトラックSKB型(1956年にトヨエースに改称)」の小型版として、モノを運ぶトラックと人を乗せる乗用車、その双方の属性を兼ね備えた新しい商用車「ハイエース(10系)」が、1967年に誕生した。ハイエースという名前の由来は「高級な、より優れた」という意味を持つ“High”と“Ace”を組み合わせたものだ。
初代ハイエースのボディパネルは曲線が多用され、商用とは思えない洗練された美しさがある。真横から見たシルエットもユニークで、フロントとリアのパネルラインが似ていることで、一瞬みただけではどちらが前かわからない、そんな面白さがある。
今回展示された青いハイエースは、トヨタ車体内部での技術伝承もテーマに含めてレストアされたもの。ボディは板金で修復した後、ブルーの美しい塗装が施されている。内装はシートなどは取り外し、取り替えられている。エンジンまわりは損傷が激しく、まだ自走できる状態ではないそうだ。
■初代ハイエース 諸元
タイプ/グレード:デリバリーバン/9人乗り
型式:PH10V-C
サイズ:全長4305×全幅1690×全高1890mm
ホイールベース:2350mm
車両重量:1130kg
エンジン:1600cc、ガソリン(12R-J)
トランスミッション:4速MT
海外で発売? グローバル ハイエース BEVコンセプト!
グローバル ハイエースは広い荷室空間を持ち、荷物の移動と使いやすさを兼ね備えたという次世代BEVバンのコンセプトモデル。海外向けのハイエース(H300系)がベースとなっており、アルファードよりもさらに大きなボディが特徴。また、衝突時の安全性を配慮し、セミボンネット化したことで、これまでのハイエースとは異なるシルエットに仕上がっている。“グローバル”の名は、海外で商用車のEV化を要望する声が上がっているため、“世界”を意識して付けたそうだ。
展示されたグローバル ハイエースは、乗車定員1名という思い切った構造にすることで、広々とした空間を確保し、荷室はフラットにしてウォークスルーも可能、さらに、専用カートで荷物を楽に移動できるため、配送業務に適した仕様となっていた。
■グローバル ハイエース BEVコンセプト 諸元
乗車定員:1人乗り
サイズ:全長5280×全幅1950×全高1990mm
荷室(最大):長さ3490×幅1715×高さ1270mm
ホイールベース:3210mm
動力系・電池仕様などは未公開
この先、ハイエースはどこに向かう?
海外向けに開発された、このグローバル ハイエースは、将来的に海外で販売される可能性が高いそうだ。逆に国内では全く予定がないそうだが、ネックになるのは車両の大きさだ。1950mmという車幅はトヨタの上級送迎車「グランエース」とほぼ同等なサイズとなるワケだが、たしかにここまで大きくなってしまうと、日本の道路で仕事用として使うには、やはり窮屈なのだろう。それに加え、現行の200系ハイエースはその完成度の高さや、車中泊仕様といったカスタムベース車両としての人気も大変なものとなっているため、果たしてフルモデルチェンジする必要があるのだろうか? あくまで筆者個人の意見ではあるが、もし時代の流れでBEV化の必要に迫られることになったのなら、初代ハイエースのデザインを踏襲してBEV化してくれれば、国内でも人気が出そうな気がしてならない。
ハイエースファンのみなさんは、ハイエースにどのような進化を求めているのだろうか?
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