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クルマ最終更新日:2023.11.09 公開日:2023.11.10

もうバイクの半クラは不要!? ホンダがクラッチ操作いらずの電子制御技術「E-Clutch」を世界で初めて開発!

ホンダは、バイクのクラッチコントロールを自動制御することにより、ライダーのクラッチレバー操作なしで発進、変速、停止を可能とした「Honda E-Clutch(ホンダ イークラッチ)」を世界で初めて開発。11月7日にシステム概要を公開し、Honda E-Clutch搭載モデルをEICMA2023に出展している。

文=岩井リョースケ(KURU KURA)

資料=ホンダ

MT車運転の醍醐味ともいえる、クラッチレバー操作は、あなたにとって大切なもの? それとも煩わしいもの? (c)Diego - stock.adobe.com

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Honda E-Clutchはどんな技術なの?

このHonda E-Clutchは、発進、変速、停止など駆動力が変化するシーンで、電子制御技術を駆使することで、最適なクラッチコントロールをライダーの手動クラッチ操作以上に的確に行う技術だ。

この電子式クラッチの仕組みは、従来のマニュアルシングルクラッチ、マニュアルトランスミッション機構と同様の動力伝達機構を使用し、車体の状態(車速/エンジン回転/スロットル開度/ギアポジション/シフトペダル荷重検知など)に対応したエンジン協調制御(点火時期制御、燃料噴射制御など)と、クラッチ協調制御を組み合わせたものだ。これにより、シフトペダルを操作するだけで素早く、確実にギアシフトすることができるようになる。

Honda E-Clutchの外観。軽量でコンパクトなシステムなので、既存のエンジンレイアウトを大きく変更することなく搭載できる。順次FUNモーターサイクルへ適用していくとのこと。写真=ホンダ

Honda E-Clutchの内部構造。

クラッチレバーはなくなるのか?

では、Honda E-Clutchを搭載したバイクにはクラッチレバーが不要になり、なくなってしまうのかというと、そうではない。結論から言うと運用方法は3通りあり、どれも直感的に扱えるものになる。まず、電子式クラッチをONにした場合、前述したとおり、クラッチ操作を一切行わなくても発進、変速、停止を行うことができる。次に、電子式クラッチをONにした状態でクラッチレバーを握った場合、その瞬間だけ通常のMT車と同じように操作することができるようになる。そして、電子式クラッチをOFFにした場合は、完全にMT車としての操作が必要になる仕組みだ。

これは、クラッチレバーによるクラッチ手動操作とモーターによるクラッチ制御が独立して作動できる構成とすることで、手動操作による強制介入を可能としたホンダの配慮となる。クラッチ操作はMT車を操る醍醐味のひとつでもあるが、煩わしく感じる瞬間があるのもまた事実。握力の低下や、操作が苦手な人など、様々なシーンへの配慮が行き届いた、素晴らしい技術ではないだろうか。

Honda E-Clutchシステム概要イメージ

Honda E-Clutch初搭載車は?

Honda E-Clutchは2023年1月に商標が出願され、最初に搭載されるモデルが、新型の「CB650/CBR650R」だ。

11月7日からイタリア・ミラノで開催されている世界最大のオートバイ国際見本市「EICMA(エイクマ/ミラノショー)2023」に両モデルが出展され、世界初の技術を搭載した車両として注目されていることだろう。CB650とCBR650Rは日本でも販売が予定されているとのことで、正式なアナウンスを楽しみに待ちたい。

CBR650Rは、デュアルLEDヘッドライトのデザインを変更し、上下カウリングを一新。再設計されたテールユニットとともに、スリムながら筋肉質なたたずまいを表現し、ピュア・スポーツさをアピール。 CB650R/CBR650Rともに、Honda RoadSyncの接続を可能にした、5インチフルカラーTFTスクリーンを採用している。

ネオスポーツ・カフェのCB650Rの外観。フロントのシャープなアングルの新型LEDヘッドライトは、ラジエーターシュラウドを通して、リアのテールランプを組み込んだシャープなリアカウリングへと流れ、よりダイナミックに進化。

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