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最終更新日:2023.10.25 公開日:2023.10.25

北海道民なら常識!? 道路沿いに置いてある「砂箱」って一体何に使うの?

雪国ではおなじみの「砂箱」。自治体のキャラクターを模すなど、見た目は様々だが、札幌市内では、緑色の四角い箱をよく見かける。雪が積もり路面が滑りやすくなると、通行人がおもむろに砂箱から白い袋を取り出し、中の砂をバラバラと撒く。砂箱って何!? 中の砂は誰でも使っていいの?

文=宮本 奈々(KURU KURA編集部)

砂箱の中には“砂”。何のため?

札幌市の中心部にある砂箱(筆者撮影)

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雪が積もる地域の交差点などには、「砂箱」という謎の箱が設置されていることがある。この箱には、「砂箱」と書いてあるものや「ご自由に使用してください」と記しているものもあるのだが……。降雪地域で生まれ育った人以外には、まるで馴染みのないものではないだろうか。

「ご自由にお使い下さい」と記載してある。(筆者撮影)

砂箱というように、箱を開けてみると、砂を詰め込んだ袋がびっしり。この砂、凍結防止剤を混ぜたもので、植物用などではない。凍結したツルツル路面に砂箱の砂を撒くことで、車両のスリップや歩行者の転倒する危険性を減らしている。凍結した路面と靴底の摩擦を大きくすることで、滑り止めとなるのだ。

特に、スパイクタイヤの使用を禁止(1990年)してからは、路面がツルツルに凍結した状態になりやすい状況となった。実際、北海道の雪道を40年以上走り続けているドライバーは、「車を運転しているときも、道を歩いているときも、滑りやすくなったと感じている」という。このため、降雪地や寒冷地では、除雪体制を整えたり、ロードヒーティングによる消雪、そして砂(凍結防止剤)の散布など、より凍結路面の対策を施すようになった。

韓国語、英語、中国語も。観光客にも気が付いたら砂を撒いてほしいということだろうか。(筆者撮影)

砂箱を設置しているのは、地域の住民に対して、幹線道路の歩道や生活道路の凍結箇所に砂を撒いてもらうため。自治体は、車両と歩行者の安全のため、凍結に気が付いたときは砂を撒くよう協力を呼びかけている。

大通でも中心部の4丁目付近で砂箱を撮影した。(筆者撮影)

この砂箱は、筆者が札幌市内で撮影したもの。大通公園の4丁目あたりで、東に向かえばすぐに駅前通りという、車通りも人通りも多いところだからだろうか、交差点の角にはそれぞれ砂箱が設置されていた。

砂撒きをしてみよう

札幌市内ではスタンダードなタイプの砂箱。下にも空袋入れが付いている理由は不明。(筆者撮影)

凍結路面を見つけたら砂を撒こう。撒き方の手順は下の通りだ。砂を撒くときは、自分自身が転倒しないように十分気を付けてほしい。

凍結路面に砂を撒く手順(画像:札幌市)

  1. 砂袋を取り出す
  2. 砂袋の端の切り口を切って開ける
  3. 砂を広範囲に撒く
  4. 空になった袋を「空袋入れ」や「回収用の袋」に入れる

皆さんも、雪国で砂箱を見つけたとき、目の前の路面が凍結していれば、次に歩く人のためにも砂撒きをしてみてはどうだろうか。

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