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最終更新日:2023.09.22 公開日:2023.09.22

日立がCHAdeMO3.0対応の大容量マルチポートEVチャージャを10月から製品化へ!

日立インダストリアルプロダクツは、電気自動車(EV)のより高度な急速充電を可能にする大容量マルチポートEVチャージャを、2023年10月から製品化する。このチャージャは次世代規格CHAdeMO3.0(ChaoJi2)に対応しており、10月から実証用として土浦市で一般開放される予定だ。

文=岩井リョースケ(KURU KURA)

大容量マルチポートEVチャージャ。写真=日立インダストリアルプロダクツ

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マルチポートEVチャージャが10月に製品化!

日立インダストリアルプロダクツ(以下、日立IP)は、9月19日にEV充電の次世代規格CHAdeMO3.0(ChaoJi2)に対応した「大容量マルチポートEVチャージャ」を10月に製品化すると発表。9月20~21日に東京ビッグサイトで開催した日立のプライベートイベント「Hitachi Social Innovation Forum 2023 JAPAN」では、EV関連ソリューションのひとつとして、大容量マルチポートEVチャージャの利用者向け端末などを展示した。

■マルチポートEVチャージャ開発の背景

2050年までにカーボンニュートラルを目指している日本だが、充電インフラの整備が十分でないことや、EVのメリットを活かす使用例の検討が進んでいないこともあり、EVの本格的な普及にはいたっていない。そこで日立IPは、ユーザーの不満を解消できる充電インフラとして、またEVを分散型電力リソースとしても活用できるシステムとして、本製品を開発したという。

写真左がマルチポートEVチャージャ本体で、250kW/500kWの2機種が用意されている。写真右は本製品の屋外設置用パッケージ。

このチャージャの特徴は何?

このマルチポートEVチャージャの特徴のひとつは、最大500kWの出力を、90kW×5口や25kW×20口などのように分けて使えること。最大20口まで分けて同時使用することができ、最近課題となってきている充電器待ち渋滞を抑えることができる。一方で、同時使用を少なくすれば大容量での超急速充電も可能になり、世界の潮流である高出力化にも対応できる。

もうひとつの特徴は、V2X(Vehicle to X、Xはさまざまなものという意味)の機能を搭載したことで、EVへの充電だけでなく、逆にEVからもいろいろな相手に電力を供給できるようになった。たとえば、このマルチポートEVチャージャを事業所内に設置し、再生可能エネルギーの平準化や、事業所内の電力のデマンドコントロールにも活用できる。

日立IPは、この製品の提供を通じて、脱炭素社会の実現に向けた充電インフラの拡充や、EVの普及に貢献していくという。

日立IPの大容量マルチポートEVチャージャは日中次世代の充電規格CHAdeMO3.0(ChaoJi2)に準拠した急速充電コネクタ搭載の急速充電器。1台の電源部に最大20ポートのスタンド(利用者端末)を同時に接続・充電でき、従来製品では対応していなかった超急速充電やV2Xが可能。

本体に接続する利用者向けの端末は、駐車場の広さや環境に合わせて機器を選択できる。

製品化と同時に実証プロジェクトもスタート!

■2つの実証プロジェクト

日立IPは、このマルチポートEVチャージャで採用された最新のCHAdeMO3.0(ChaoJi2)の検証や普及を進めるために、一般社団法人チャデモ協議会の実証プロジェクトに参画。茨城県日立市にある大みか事業所に、次世代EV充電規格実証拠点を構え、国内外のメーカーに対し、実証サイトとして10月から2年間ほど開放する予定だ。

また、同社はCO2削減の取組みとして茨城県土浦市にある事業所の駐車場にもマルチポートEVチャージャを設置する。これは勤務中に従業員のEVの充電を可能にすることで、集合住宅など自宅で充電できない従業員のEV導入を促し、通勤車におけるCO2削減を実現できるか実証するというもの。実証は2024年4月から開始する予定となっている。

通勤者向けに設置する場合、駐車場に最大80台までの同時接続、20台までの同時充電が可能。従業員が勤務中にEVの充電を行い、通勤車両におけるCO2削減を実現できる。これにより、従業員は自宅に充電器がなくてもEVを導入することも可能になる。

マルチポートEVチャージャは1台の電源部に最大20ポートのスタンドが接続でき、複数のEVを同時に接続・充電することで、充電待ち行列の解消につながる。さらに、最大合計出力500kWまで対応可能で、今後増加が見込まれる大容量バッテリーEV、大型商業EVの急速充電ニーズにも対応可。

マルチポートEVチャージャはV2Xに対応し、EVを分散型電力源として利用できる。さらに、大容量を生かし、最大電力消費時間帯の使用量を削減するピークカットや、蓄電した電気を使用量の多い時間帯に放電して最大需要電力を抑えるピークシフトなどにも活用できる。EVを蓄電池として活用することで、事業所のエネルギーマネジメントに役立つ。

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